2 刑事富田
六角はようやく自分が何をしたのか気づき、はっとした。それと同時に自分が尋常でないほど冷や汗をかいている事に気づいた。
「ははは、う嘘だよな。おい起きろって。冗談はやめてくれよ。」
「おい、嘘だろ。。。。。。。。」
その時だった。彼のなにかがプツリと音を立てて切れた。
◇◇◇
いつものように8時30分からの捜査会議に向かっている途中に
「先輩知ってますか?何かすごい事件が起きたらしいんすよ。」
後輩の
「ああ、事件の概要はだいたい知ってるぞ。」
「なんか聞いたところによると遺体が.........いてっ」
「そんな無駄話している暇があるならとっとと席に座れ羽谷」
羽谷の頭をどついたのは捜査一課長の
とても優秀なのだが、その一方とても生真面目だった。それ故富田は内心神谷のことをあまり好ましく思っていなかった。多分羽谷も同じだろう。すこしふてくされた顔になっている。
捜査会議は係長の
俺はすでに捜査本部が設置されていたことは知らなかった。捜査本部に入り、席につく。すぐに捜査会議が始まった。
「各員、捜査結果の報告を。」
「はい。被害者は
「現場の状況は?」
「特に争った形跡はありませんでした。」
「そして第一発見者は河川敷を散歩していた老人で、遺体に被さっていたブルーシートの隙間から人の手のようなものが見えたので通報したそうです。」
「その老人にアリバイはあるのか?」
「はい、その老人はその日病院を退院しており、それまではとても歩ける状態ではなかったそうです。」
「そうか、他の容疑者は?」
「六角美誠の夫の六角靖です。」
「彼にアリバイはあるのか?」
「はい、あります。が、彼の近隣住民によると夫婦喧嘩の声がしばしば聞こえていたそうです。」
会議が進行している中、興味深い事件だと富田は心の中で密かに思っていた。
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