アナ雪
いや〜、感動した〜〜〜。
何が? って?
アナ雪
劇団四季のミュージカル
「アナと雪の女王」を観てきたんだ。
何だよ、自転車ライフと関係ないじゃん、って思うだろ?
それがさ。
関係なくないんだ。これが‥‥‥
まあ、聞いてくれよ。
最後に自転車と繋がるはずだから。たぶん‥‥‥
☆
この舞台には、高校時代からの親友キクの娘さんのミミちゃんが出演してるんだ。(あ、いつものごとく、ここだけの呼び名だよ)
ミュージカルは、6月にオンライン配信があった「はじまりの樹の神話」を大型テレビでキクと一緒に観たのが初めてだったんだけど(正確には小学生の時に何か観たと思うんだけど覚えてない)、感動しちゃってさ。
テレビでは細かい表情とかまでよく見えるから、それはそれで凄く良かったんだけど、一度は生の舞台を観たいって思ってたんだ。
その時はミミちゃんはアンサンブルって言って大きな役ではなくて、歌もダンスも芝居も支えている何でも屋って感じの出演だった。登場してくるとキクが「ミミだよ、今一番右にいるのがミミ」とか教えてくれてたんだ。
まあ、主役じゃないんだけど、これも凄く大切な役だなって思った。
出演できるだけでも凄い事なんだけど、何年も劇団四季の中で頑張ってやってきたミミちゃんに、今回これまでで一番大きな役が回ってきたんだ。
それで、キクが教えてくれて、高校時代の友達、俺含めて予定の合う6人で観に行った。
ミミちゃんは何の役かっていうと。
オラフ。
オレンジ色のニンジンの鼻をつけた雪だるま。
映画とかDVDとか観た人なら、すごく印象に残ってるキャラクターのはずだ。
主役はエルサとアナかもしれないけど、オラフにはこの物語の大切な物が詰まってる、愛が詰まっている、すっごく重要な役割だと思うんだよね。
ミミちゃんは自分の手足とオラフ人形の手足を結び付けて、人形を操りながら、自身もオラフになりきって歌って踊る。
オラフの
ミミちゃんの表情とオラフの表情がそっくりなんだ。
すっごく無邪気で、ちょっと言動が不思議で可愛くって。
だけど、いいなって思うのが、いわゆるお姫様系じゃなくて、女の子らしい可愛さとはちょっと違う可愛さ。
声が太くてカッコいいんだ。
ホントいい味出してるぜ。
そして泣けるんだ。これが。
オラフ観て泣けるんて、何か不思議なんだけど、コミカルな中に詰まってる愛みたいなのを感じちゃって、たまらない。
何かさ、ミミちゃんのオラフの中に、これまで長年積み上げてきたものとか、勝手に見ちゃうんだよな〜。
舞台はすっごく迫力がある。
生のオーケストラが観客席からは見えない舞台の下で演奏してるんだ。
雪と氷の世界はスケールが大きくって。
そしてエルサの「ありのままで〜」の歌! これは震える。
☆
ホント、こんなに感動するとは思わなかった。
同じものを見たり聞いたりしても、人はその時の心の在り方で感じ方が全然違うものになったりするだろ?
俺はこの時、この舞台がすっごく心に刺さる状態だったんだと思う。
直前に色々あったんだ。
自転車インカレロード。
このエッセイにも学生達の直前合宿の事や自分の思い出話なんか書いたけどさ。
今回のレースはライブで放映されてて、自宅で映像を観る事が出来た。開催場所の電波状況が悪くて、届いた映像は限られていたけど、大体の感じは把握できた。
そのインカレで重大な事故が起きて、レースはそのまま続行されたけれど、ニュースにもなって多くの人達に大きなショックを与える事となってしまった。
家に合宿に来てくれていた選手達も、あんなに頑張っていたのに、そのほとんどの選手たちは結果に結び付ける事が出来なかった。
この大会に向けて、普通にそれなりに頑張ってきていたら、たぶん普通にそれなりに結果も出せたんだと思うけど、結構ギリギリの所でやってきた結果だから、こういう事もあると思う。
失敗は失敗だけど、俺は前向きに受け止めているっていうか、そうやって普通じゃない位のチャレンジしていく選手を応援したくなるんだ。
世界に挑戦し続けているMTBの選手達も世界選やワールドカップで、その頑張りが中々結果に結び付いてこない。
自転車。
世界で戦う事は本当に厳しくて、とんでもない世界だ。
ヨーロッパには長い長い伝統と自転車文化があって、そんな中でも世界で戦えるのはほんの一握りの選ばれた選手達。
努力だけではどうしようもなく、才能だけでも何ともならない。才能のある選手が死ぬほど努力して、やっと手が届くかどうか位の感じかな。
そして危険と背中合わせ。
結果だけを見て、人は言いたい事を言うと思う。
結果に結び付かないなら合宿なんてやったって意味ないじゃん。
ロードレースは危ない。
雨が降り、路面が滑る危険な状況での開催は避けるべきだ。
いくら頑張っても、所詮日本人が世界で戦う事は無理なんだ‥‥‥
今回の事故で自転車レースは危ないスポーツという認識がすごく大きくなってしまった感は否めない。
関係者は更に気を引き締める必要はあるし、こうした事故を少しでも減らせるように努めていかなければならないけれど、こうした危険がある事も承知の上で皆が挑んでいる。
それほどの魅力があるのがこのスポーツだ。
☆
厳しくて厳しくて、手が届かず、危険を承知で、それでも挑み続ける選手達を見てきて、このアナ雪の舞台と重なるものがあったんだと思う。
思うようにいかないこと
葛藤
本当にやりたいこと
ありのままの自分
勇気
愛
やり遂げること
そんなものがすごく心に刺さった。
何もそんな世界を目指すような一部の人達に限ったことじゃなくて、上に書いたような事って誰だって共感できる事なんじゃないかな。
ホント、グッドタイミングでこの舞台を観れたような気がする。
それと同じでさ。
同じ物が自分に入っても、すごく効く時とあまり効かない時があると思うんだ。
食べ物でもトレーニングでも。
必要な時に心や体が求めているものを入れてやるって事がすごく重要なんだと思う。
自分自身、そんな事を大切にしていきたいし、俺はもういい歳なんだから、周りの人の状況をうまく感じ取って、必要な時に声掛けしたり、距離を少し近づけたり、少しでもそんな事を出来るようにしていきたいなって思う。
な、自転車ライフと上手く結び付いただろ?
こじつけたわけじゃないぜ。
アナ雪、オラフ、最高だったぜ!
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