負けるなよ
不愉快な事はあまり書きたくないのだけれど、やっぱり書いておきたいと思って。
ここに書くのはどうかな? とも思ったけれど、自転車の事を書いているエッセイだし、これをFBにシェアして、読んでほしい人達に読んでもらえるようにしようと思った。
全日本ロード、明日、六月二五日に予定されていた女子エリート+女子U23の実施が見送りとなった。
発表があったのはレースの四日前だ。そこからまたイザコザがあって、明日の開催が無くなったという正式の発表がなされたのは今日だ。
なぜ? そんな事があっていいわけないだろ?
見送りになった理由はここには書かないけれど、開催に向けての妥協点が得られなかった事が残念で仕方がない。
全日本ロードといえば、ロード選手にとって国内で一番大きな重要な大会。一年に一度全日本チャンピオンをかけて争うレースだ。
私事になって恐縮だけれど、自分にとって全日本はどういうものだったかを少し書いてみたい。
私は数年前から選手登録はしていないけれど、ロードレースを始めた時からMTB選手として区切りをつけるまで、そこにどれだけのものを懸けてきたことか。(MTB選手の時は全日本MTBに)
ロードレースを始めた頃は、まだ今よりもずっと女子の競技人口が少なくて注目もされていなかった。
それでも、全日本っていうのは自分にとって特別な大会で、大学四年の時には日程が重なった教育実習を蹴って全日本に出場した。
1992年のバルセロナ五輪を目指す為に大阪に住むコーチの指導を受けたくて、前年には居住地を神奈川から大阪へと変えた。選考会となった全日本で惨敗し、そこからの一年間は翌年の全日本を獲得する為だけに過ごした。コーチの指導を一年間延長して頂いた。
MTBに転向してからも全日本はやはり特別で、許容範囲ギリギリまで痛み止めの注射を打って出場した事もある。
例え注目度が低くても、日本ではマイナーな競技であったとしても、その競技を好きでやっている選手はそういうものだと思う。
そこに懸けてきた選手達の事を思うとやるせなくなる。
選手自身だけじゃなくて、自分の事を犠牲にしてまでも応援してくれる人や支えてくれる人達をも巻き込んでいるのだし、見えない所で大会の為にどれだけ沢山の方々の力が注がれていることか‥‥‥
そんな全日本がたった四日前に、何とも納得のいかない理由で見送られる事になってしまうなんて‥‥‥
現役時代、私も何度か納得のいかない決定に涙を飲んできた。
「やってられねぇ」
そう思った事が何度もある。だけど、こんな事に負けて、自分が本当に好きな事をやめてしまったら、それこそ自分の負けだと思って耐えてきた。
怒りや自分の感情を自分の走りにぶつけて、大切なレースを棒に振ってしまった事もある。自己満足にはなったかもしれないけれど、それはただの自己満足に終わっただけだ。
そんな体験をしながら、少しずつ成長していけたんじゃないかと思ってる。
そんな組織や、正義だけを一方的に主張する人達を嫌いになるのは仕方ない事だと思う。
だけど、そんな組織でも、属していなければ、好きな事は出来ないし夢を叶える事も出来ない。
主張を曲げない人達のやり方は嫌いだし許せないという思いもあるけれど、熱くて凄いものを持っている事は確かな事。
私は組織に泣かされる事は色々あったけれど、それ以上の喜びを味わえたし、組織に属しているからこそ出来るかけがえのない体験も沢山させてもらった。
そんな組織の中にも選手の事を一生懸命に考えて尽くして下さっている方々もいる。
だから、例え組織が嫌いでも上手くやっていってほしい。こんな事で自転車やレースを嫌いにならないでほしい。
泣き寝入りせずに意見することは大切。でも戦争はやめよう。
争って権利を勝ち取るとかいうことじゃなくて、意見を出し合ってより良い方向に進む事は出来ないのかな?
最悪その組織の中でやる事をやめたとしても、そのせいで自分の好きな自転車やレースをやめないでほしい。
例え組織に属さなくても、自転車やレースの楽しみ方はいくらでもあるから。
このまま、今年の全日本女子エリート+女子U23の実施が無くなってしまうのか、別の形で開催されるのかは分からない。
でも、例えチームカーを走らせる望む形のレースが出来たとしても、「良かったね」で終わらせてほしくない。
全日本の開催日と開催地が決まった地点で、選手達はスケジュールを組み、コースに合わせたトレーニングも行う。
六月二五日の広島開催レースは戻ってこない。
七月開催予定だった全日本MTBも、少し前に十一月開催への変更が告げられたばかりだ。
こんな風に選手達を振り回すような事が続けば「やってられねぇ」って時が本当にやってきてしまうと思う。
色々と書いてしまったけれど‥‥‥
他人事の綺麗事のように聞こえるかもしれないけれど、風羽が一番言いたい事を言うよ。
「こんな事に負けるなよ! 頑張れ!」
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