自分メモ「ツール・ド・美ヶ原」に向けて

 自分でも矛盾していると思う事をこれから書きたいと思う。

 あ、最初に言っとくけど今回は、また自分がレースに向かう為に頭の中を整理して書くメモ書きみたいなものだから。



 前回のレース、車坂峠ヒルクライムの前に書いていた事。

「過去の自分の記録とか走りとかと今の自分を比べて、同じように出来ない事を嘆く事はナンセンスだ」って話。

 そのナンセンスな事を今回はあえてやってみようと思ってるんだ。


 今週末に出場予定しているヒルクライムレース「ツール・ド・美ヶ原」に向けて、今までの記録とレポートを引っ張り出してきてみた。


 2009年 ①1°18'42

 2010年 ①1°17'51※自己best

 2011年 ①1°17'59

 2012年 ①1°19'35

 2013年 ①1°18'52

 2014年 ①1°19'53

 2015年 ①1°20'41


 2016年 ①1°21'10

 2017年 ②1°18'26

 2018年 ②1°21'29

 2019年 ③(19'59)※短縮コース

 2020年 中止

 2021年 中止

 2022年 ?



 2009年に初出場。

 俺の自転車選手としての能力のピークは過ぎていたと思うけど、まだまだMTBの選手としてバリバリに戦っている時で、ペンションに来てくれるお客さん達でヒルクライムレースが盛り上がってたから、俺も一緒に楽しみたくなって出場し始めたんだ。MTBレースの為のいいトレーニングにもなると思ったし。

 そこから八連覇してた大会なんだ。


 全長は21.6キロ。

 この大会はスタートしてからすぐに現れる4キロな激坂が有名で、勾配20%を越える箇所もある。

 少し下る区間とか勾配に変化が多いんだけど、全体的にきつい勾配が多いから、特に女子は単独走になる事が多くてタイムトライアル的になるレースだ。


 気象条件とかコースコンディションとか、俺のコンディションも毎年違うはずなのに、毎年似たり寄ったりのタイムである事に驚いちゃうよな。

 毎年自己ベストを出す事を目標にしてたけど2010年のタイムが自己ベストで、そこで更新が途絶えちゃってるんだ。

 まだ自転車を始めたばっかりの人や、これまでそんなに一生懸命にやってなかった人、若い子ならどんどん自己ベストを重ねていけるだろうけど、どんどん歳をとっていくもう何十年も目一杯頑張って自転車に乗ってきたおばさんには厳しいでしょ。

 でも全然そんな風に思えなくて、今年こそは! って毎年思ってて。


 いい加減、タイムとか諦めて楽しくのんびり上るようにすれば楽なのにね。

 そんな走り方に切り替えるチャンスが一度あったんだけどな。


 2016年は大きな節目だった。

 膝がダメでさ。俺は右膝がウィークポイントで、それまでも上手くケアして上手く付き合いながらやってきたけど、もうムリってなって。

 自転車やめようと思ったけど、好き過ぎてやめられなくて、取り組み方を変える事にしたんだ。

 その年の一月二月は全く漕げなかったんだけど、とにかくまた楽しんで乗れるようになりたいって思ってリハビリをすげー頑張ってやった。

 ヒルクライムレースは他人との競争以外にも自分自身との戦いを楽しめる要素が強い。速く走れなくたっていいと思った。これまでの自分を捨てて、完走を目標とする所から始めようって思った。

 MTBには区切りをつけた。

 で、この美ヶ原のレースを走る事を目標にしたんだ。


 三月に入って少しずつ漕げるようになってくると、これがもう嬉しくてさ。少しずつ走れるようになっていくと、やっぱり速く走る事を目指したくなっちゃうわけよ。

 六月に入って、もしかしたら優勝とか目指せるかもって思い始めて、楽しくのんびり上るチャンスを潰してしまったんだな。

 記録だけ見ると、それまでの数字と何ら変わらないように見えるけど、2016年の八回目の優勝は本当に心の底から嬉しかったんだ。


 それでここからまた欲が出ちゃって、速く走るヒルクライムに燃えちゃってさ。

 その翌年に初出場の選手に優勝をさらわれ、その選手によって二年連続でコースレコードも塗り替えられた。俺よりも強い選手が出場してきたってだけで、それは仕方ない事で、また目標が出来たんだ。

 2019年は大雨の為にコースが短縮されて、2020年と2021年はコロナの影響で中止。

 記録のないこの空白の三年間を飛び越えての2022年は、いったいどんなタイムが刻まれるんだろう?


 2018年は五二歳。2022年は五六歳。四年間で身体も変化した。衰えた所は色々ある。

 過去の自分のタイムと比べて嘆く事になるのかな?


 俺はさ。本当の事言うと、まだ自己ベスト更新を諦めてはいないんだ。馬鹿げてるかもしれないけどさ。

 あ、今年は無理だよ。そこまでトレーニング出来てないし、そこまで走れてないのは確実だ。

 でも、1時間20分前後をずっと保てていたら、急に身体の調子が良くなって、いいトレーニングが出来ちゃって、ボンと自己ベストが出る可能性とかまだあると思っちゃうんだよね。

 だから今はガタ落ちせずにそれ位で走れればいい。

 20分切るのは厳しいと思うけど、20分切りて〜。それ無理でも、これまでで一番悪い2018年の記録よりは上に行きて〜。

 だけど25分位かかっちゃうかもな。そしたらショックだな。そりゃ嘆くぜ。だけど、嘆いても嘆きっぱなしじゃなくて、そこから八月の乗鞍に向けて上げていくって決めてるんだ。


 五月の車坂峠ヒルクライムの前よりはいい感じになってきてると思う。

 今回のレースも出場選手が分からないし、女子がまとまってスタートしない形式だから、誰かを意識して走るんじゃなくて、少しでも速くゴールする事を目指す。

 今の自分の最高を出せるように頑張るだけだ。


 車坂峠は「楽しむ」って事を一番重視したけれど、今回はまたちょっと違う。どれくらいのタイムを出せるか、その挑戦を一番重視する。


 でもさ。逃げ道を作らせてくれよな。やっぱさ、それだけを求めてもムリな物はムリってあるだろ。

 だから、そこダメだったら、代わりに何か一つ「何か得る」か「何か与える」かしてくる事。

 じゃないとレース終えて、ここにも何も書けなくなっちゃうからさ。

 どれになるか分からないけど、ここに楽しい事を書けるように頑張ってくるぜ!

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