第10話

「あつい」

容赦ない日射しが肌を突き刺し、セミの鳴き声がいたるところから聞こえてくる

会社への道を歩いてるだけで汗が噴き出してくる


「ひゃっ!」

冷たいなにかが首に押し付けられ変な声が出てしまった

「あはは、女の子みたいな声だして」

先輩がそんないたずらっ子みたいな笑いを浮かべながら缶ジュースを渡してきた

「…ありがとうございます、それじゃ」

「あ、こら一緒に行こうよ」

先輩と俺が担当したプロジェクトは大成功をおさめ、打ち上げで意気投合したお互いの部長が俺を先輩の会社へと出向させることを提案してきたのが2ヶ月前

特に断る理由もなく、すぐに承諾して今はこの先輩と仕事をしているのである


「ところで高校の夏大会見に行くんだって?」

「あー朔斗に誘われたんで有給も余ってましたしね、てかなんで知ってるんですか?」

「私も行くから有給申請したら部長に教えてもらったんだよ」

どうやらこちらの部長もうちの部長と似たようなことを考えてる…もしくはうちの部長から吹き込まれたか、かな…

苦笑いしつつ先輩と出社した

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