第9話
「そういえば先輩家この辺なんですか?」
「そうだよー実家出て一人暮らしなんだよ」
「そうなんですねえ」
「あ、今変なこと想像したなあ?」
「なにいってんですか」
酒が進み、なんだか先輩後輩として仲の良かった学生時代に戻ったような感覚が二人を包む
それに安心したような残念なような複雑な気持ちを抱えていた
「というか君は彼女はいないの?」
「…いませんよ、先輩こそどうなんですか?」
「今のこの状況でいるように見える?」
「…なるほどです」
視線をそらしながら答えてジョッキに入っていたレモンサワーを胃のなかへ流し込んだ
「そろそろ帰りましょ、あんま遅くなると先輩あれなんで」
「お持ち帰りとかは考えないんだ」
「取引先の女性とそうするのはリスクでかすぎますしね」
「紳士だねー」
イタズラをした小学生がバレた時のように笑いながら酒を飲む先輩を無視しながら会計を済ませ先に外に出ているとあとから出てきた先輩がお金をポケットに入れてきた
「年下に奢られるほど落ちてないの」
笑いながらそんなことを言ってくる先輩にやっぱりドキドキする気持ちを押さえつつ
「どうも」
そっけなくそう返していた
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