第5話

目が覚めていつもの天井を見上げていた

「夢か…」

呟きながら苦笑いするしかなかった


もうあれから6年も経つのにな

なにしてんだか、ブンブンと首を振りベッドから起き上がった


冬の足音がすぐそこに来ていることを実感させるのは寒さだけでなく、あと1ヶ月もあるのにクリスマスの予定などが聞かれ始めることが増えてきたからだ

クリスマスを誰かと過ごしたのはあの年以来1度もなかった

もちろん今年も予定などはなくいつものように一人で過ごすだろうそう思っていた


昼休みに上司から呼び出されて昼に誘われた

こういうときは厄介なことが多い、なにか頼まれるだろう


結局仕事を頼まれてしまった

上司の担当である取引先との交渉を任せるとのことだった

それ自体は別段問題はないのだが、会社に帰ったあとで先輩からその取引先の交渉相手は自分と年齢の変わらないくらいの女性とのことらしく、独身者の俺をあてがいあわよくば交際して会社と取引先の繋がりを強固にしたいと言う思惑があるとかないとか聞いてしまったからだ


思わずため息が出てしまうが頼まれた仕事はしっかりとこなそう、付き合う付き合わないは別としてだが

とりあえず担当交替の連絡をするとやはり同い年くらいの女性の声であったので気が重いなと思ってまたため息が出てしまっていた

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