第4話

桜の花が散る度に窓から桜の香りが入ってくる

穏やかな春の日だまりが心地よい風と共に眠気を誘ってくる

この季節が好きだなあ

ずっとこの季節が続けばいいのになあ

そう思いながら想い人を待っていたー


「あーあ、また寝てる」

教室の扉を開けて静かに隣の席に座ってこちらを覗きこんで、小声で

「起きなきゃイタズラするぞー」

そんなことを言いながら頬をツンツンと突いている彼女が面白くて寝たフリを続けていた

「ホントに起きてないよね…?」

なにか柔らかいものが唇に当たった感触がして驚き目を開けてしまう彼女の顔が間近に見え、離れていく時に目があった

「ね、寝たフリしてたの!?」

ビックリしながらも顔を赤らめていく彼女が愛しくてゆっくりと抱き締めた

「ちょっと」

と普段は年上の余裕を見せてる彼女が慌ててるのがとても新鮮で可愛らしく思えて優しく口付けたーー

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