五節「炎神の力」
後日。炎神城、王室にて
洞窟であった事、ゼロと名乗る男の事、そして自分の見た記憶と武具の事を炎神に話した。
「鬼神・・・記憶の中で鬼神はその程度と言っていたのかい?」
「はい。でもその鬼神が分からなくて」
そう答えると空気が突然重くなった気がした。息がしにくく、まるで首を締め付けられてような感覚。
「鬼神・・・君が、鬼神だったのか。例え記憶を失っていても、能力が弱体化していても、鬼神なのは変わりがない。ならば殺す。二度とあの様な誤ちを繰り返さぬように!」
そう言い何も無い所から、大剣を取り出した。
「粒子結界、
その言葉と同時に地面から火柱が出現し周囲を囲った。その炎が消えると火山が噴火し炎の海となってる世界へと変貌したのだ。そして炎神は青い炎を鎧の様に身にまとったのだ。その見た目はまるで獣そのもの様に・・・
「GaaaaaaaRaaaaaaaaa・・・・コ ロ ス。キシ ン ヲ コ ロス」
目が赤く、青い炎に包まれて、狂人に相応しい見た目になっていた。
「なんだよこれ・・・俺は何も・・・」
殺される。このまま、何もしなければ殺されると感じ刀を取り出し構えるが、右側から一撃をくらう。やはり大剣の一撃は凄く重くくらっただけで吹っ飛ばれてしまった。そこからは何度も獣の様に飛び、岩のような一撃をくらう。これがあと何回か続けば必ず俺の体は持たなくなる。そう思うと頭がクラクラする。自分が攻撃を避けれているのか、それともくらい続けているのかも曖昧になってきたのま。もうダメだと思い膝をついてしまった。
「神には勝てない・・・」
目を瞑り、終わりを待つ。
『ダメだよ。諦めたら。仕方ないから私が守ってあげるね』
この声と同時に俺の中で何かが目覚めた。
炎神の動きが止まって見えた。いや、止まっていたのだ。自分の中でとんでもなく力が湧いてくる。さっきまでの無力感が嘘のように解消される。
『大丈夫だよ。私がこの能力の使い方を教えてあげる』
聞き覚えのある少女の声がする。凄く暖かく優しい声が・・・
再び動き出す炎神。だがその動きはさっきよりゆっくりに感じる。それに合わせ攻撃を仕掛けようとするが炎神の攻撃をこの刀で弾くことは難しい。弾こうとすれば力の強さで負けて吹っ飛ばされるからだ。このことを改めて噛み締める。ひたすらに攻撃を与えるが、炎神の鎧の前では無意味に近い事だ。でも確実に相手は怯んでいる。
「オノ、レ キシン!!!」
空中へ飛びなにか仕掛けようとする炎神。
炎の塊を出し、構えている。まるで太陽を掴んで投げつけようとしているようだった。
「あれは、まずい。防がないと」
どうにかして防ごうにも手段が無い。一体どうすれば。
「今のお前にはこれを防げないだろ?」
突然現れた火狐のお面の男に驚く。
「ゼロ!なんであんたが!」
「なに、今死なれてはこっちが困るのだよ。だからこうして助けに来たのさ」
そう言って左手を前に出すと、何かの花の花びらが出始めたのだ。
「虚無の花よ。全てを無に返せ」
左手に集まる花弁。まるで大きな花のようになっていく。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
咆哮が聞こえる。太陽が近づくが花がその炎を弾き飛ばし炎神に当てたのだ。炎神は墜落し炎神にゼロが近づいて言った。
「全く、こいつは昔と変わらずだな。中身は違うのにな・・・おい起きろ、炎神」
獣のような鎧が剥がれた炎神の頬を軽く叩くゼロ。
「う、誰だお前は」
「私の名前はゼロ。あんたが最初だ。炎神」
そう言いゼロはいつの間にか王室に戻ってい部屋から炎神をどこかに連れて行ってしまった。
数分後。炎神が1人で戻ってきたのだ。
「すまない、鏡夜。鬼神と聞いただけで狂化してしまった。訳があるのを忘れていたから・・・」
「いえ、俺自身よくわかってなくて・・・」
「そうだね。まずは君を殺そうとした理由と鬼神、粒子結界について話さないといけないか?」
「でも、ゼロと言う男は一体・・・」
「彼は、別にいいさ。俺の先祖の記憶を教えてくれたから・・・」
そんな感じで粒子結界と鬼神について話してくれた。炎神は話してみるとすごくいい人でとても話しやすい人だった。
『鬼神』とはこの星の起源であり抑止力。ある戦争がきっかけで3700年に生まれ、神となり世界を破壊し創生した。だが4820年にあることが原因で再び現れ、今の世界(4900年)を創造した。元々、この歴史は炎神の国では
『粒子結界』とは起源の属性武具に粒子を集め、結界を開くものだ。内界から外界への
そうしてひとまず休憩することなった。
to be continued…
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます