四節「洞窟の奥地で」
『君は人類を殺したのだよ』
誰だお前は
『君は友達も殺してしまったね』
ダレダオマエハ
『次はだれを殺す?』
記憶が蘇る。顔も名前もわからない誰かが死んでいく。
やめてくれ。やめてくれ。やめてくれ。やめてくれやめてくれやめてくれ。
『所詮、鬼神とはこの程度か』
目の前が真っ暗になり耳をふさぐと、囁くように少女の声がする。あの少女も誰だ。
『
突然覚醒する意識。頭も痛く息も荒い。体が暑く吐き気がする。さっきあったはずの刀がない。
「さっき、の、かた、な、は?」
すると背中を刺された感覚がして、体を見ると先ほどの刀が、俺に刺さっていたのだ・・・それを最後に再び、気を失う。
「・・・ヤ!キョ・・・!キョウヤ!」
「あれ?俺は、何を?」
自分が倒れたことに気づく。刺されていた場所を確認するが、何もなってない。
「何かあったのか?」
「ここに刀があって、その刀に触れたら目の前が暗くなって。それで・・・」
記憶を見たと言おうとしたらハヤセさんの後ろの方からアルダマラの鳴き声がした。ハヤセさんはすぐに気づき、後ろを向いて抜剣をした。
「ここで待っとけ。すぐに終わらせてくる。」
手首を掴んで首を横に振る。
「やれます。いえ、やらせてください。」
「そんな顔色で戦えるのか?」
今、この場で戦うか戦わないかの話をしているのでは無い。
「殺らなきゃ殺られる。それが対魔獣、対魔物戦ですから?」
無意識の内にはめていた指輪から粒子を使い刀を生成していた。
「それは・・・」
アルダマラがいる方へ、歩いていく。そして最大限感覚を研ぎ澄ませ、どこに何があるかを把握する。
「この範囲なら、ある程度自由に動けるな・・・」
「ま、待て。本当に大丈夫なのか?」
「大丈夫ですよ。おそらく、今の俺であればね」
さっきまで感じられなかった粒子の流れを感じ取り魔獣を見る。
大きさは六メートルぐらいで、恐らくスピードに特化した個体だろう。足が長く、牙が鋭い。お互いの距離が離れているが近づかれては一瞬で終わる。なら彼が使っていた技であれば倒せるのでは?と考えた瞬間、先にアルダマラが襲いかかってくる。その攻撃を避けると爪が壁に直撃し破壊したのだ。これをくらえば確実に死ぬなと確信ができた。その確信だけど自分の心が躍動する。どうにか隙を作ることが出来ればと思いつつ一方的な攻防へ移行。爪を弾くか、避けるかの二択しかない。自分から攻めようだなんて自殺行為に等しい。そこであることを思いつき声を出す。
「ハヤセさん!炎、出せますか?」
「出せるぞ!要するに隙を作れってことだな!」
「お願いします!」
ハヤセさんの放った炎が魔獣の顔に当たる。そうすると少しよろめいてハヤセさんを見る魔獣。この瞬間に周囲の粒子を刀に集める。そしてそれを斬撃として放っちアルダマラを一刀両断したのだった。
「お前いつの間に粒子斬撃と武具召喚を覚えた・・・?」
先頭終了を確認したハヤセさんはこちらへ近づいてきたのだ。
「粒子斬撃・・・?はゼロと名乗った男が使ってたもので、武具召喚・・・?はわからないです」
手に持っていた刀がいつの間にか無くなっていた。
「無意識の内にやってのけたのか。本当に覚醒でもするのか?これは炎神様に報告せねばな・・・」
その後、洞窟を探索するもゼロという男もアルダマラもいなくなっていた。
to be continued...
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