彼女ら=化け化け

第11話 うぐっ……うううっ……

「うええええええええええええん」


「泣かないの。あなたの好きな人ってカレだったのね」


「わたし、てっきり4クラスの宮宮みやのみや宮宮司きゅうぐうじくんが好きなのかと思ってたよぉ」

「私は4クラスの根根ねこん根根ねねすけくんかと」


「ううっ……うぐっ……そんな人知らない……ぐすぐす」


「泣かないって言ってるのに、もう。カレの好きなトコロでも言ってみなさいな」

「ぐすぐす……優しいトコ……ぐすっ」

「優しい、ですって? あなたのこと罵倒して帰っってったわよ?」

「優しさの裏返しなの! ……あの子……思いをまっすぐ伝えられないの……ぐすぐす」

「あなたもですわね。はぁ……」


 泣き止まない彼女。


「ねえ、この鵲鈴音っていういち人間にできることって何かな。わたしが土佐藩に住民票移して、坂本龍馬然とした態度で仲介役したり?」

「ぐすぐす……発想やばたにえん……ぐすっ」

「あとで永谷園に謝ったほうがいいかなぁ。できれば本社に赴いて」

「ぐすっ……逆に迷惑、ていうか誰って話になるでしょ? ぐすぐす」

「確かにそうだ! わたしアホすぎワロタw」


 依然として泣き止まない彼女。


「泣かないで、私がついてるから。足摺家には伝家の宝刀、ボッキチ●コの大人のおもちゃがあるの。それをあなたの穴に差し込んでみよう? きっと気分が良くなるから」

「ぐすぐす……頭わいてるよ冴香……ぐすっ」

「……ムカっとしたけど水に流すね。なにせ私、清楚だから」

「ぐすぐす……そのおもちゃ、試してみる……ぐすっ」

「ごめんなさい。何か、全力でごめんなさい」


 誰も彼女を泣き止ませられず


 そのまま39分と36秒が経過してしまった。


 もう時刻は22時だというのに。

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