第四章 『対話』する方法を見つけました!

ゴロゴロ出来ないなんて、生き地獄

 

 何してたんだっけ?⠀と、記憶を巡らせる。


 オリヴァーさんとイアン様と話をしていたはずなのに、途中から記憶がない。


 これはどういうことなのだろう.....。なんて、いくら頭が悪い私でもわかる。

 そう、寝てしまったんだ!


 その証拠にベッドで横になっていたんだもん!

 着ている服もネグリジェ。

 私が寝巻きに着替える時はジャージにしてるから、寝ぼけてネグリジェに着替えて寝たなんてことは無い。


 ということはアイリスか、他の侍女たちの誰かが着替えさせたということになる。


 二人と話してる時は夕方だったのに今は朝だ。


「おはようございます。ソフィア様」


 アイリスがいつものように挨拶をする。


 いつも決まった時間に起こしてくれるけど、今日はちょっと早く起きてしまったらしい。いつもは寝ている時に声をかけられるのだから。


 アイリスの態度を見る限り、一日ずっととかではないようね。一日ずっと寝ていたら大騒ぎになりそうじゃない。

 以前に似たようなことがあったのよね。

 一日ゴロゴロしたくて寝ていたらそれはもう大騒ぎ。


 それからはゴロゴロしたいのに出来なくなったのよね。はぁ.....。


 ゴロゴロ出来ないなんて、生き地獄だわ。と、最初は思ってたけど最近は思わなくなったな。

 ゴロゴロしない生活に慣れただけだと思うけど。

 慣れって恐ろしい.....。


 私は、二人と話している途中で寝てしまって、その次の日に起きたということね。


 その証拠にいつもより早く寝たから頭がスッキリしてるんだもの。

 いつもだったら頭が重いからね。

 寝すぎだとだるくなるから、私の考えは当たってると思う。


 私は上半身を起こして挨拶を返す。


「おはよう。アイリス、その.....」


 イアン様のことを聞きたいのに、これは聞いていいものか悩む。


 そういえばオリヴァーさんは!? オリヴァーさんならなにか知っているはずだわ。


「オリヴァーさんは今どこにいるか知ってる?」

「オリヴァーさん? あの方でしたら旦那様の書斎室にいますが」


 書斎室かぁ。重要なことを話してるのかしら?


 今は行かない方が良さそう。


 オリヴァーさんを待つ間、暇だし何してよう.....。


 勉強でもしてようかな。結界も直ってないみたいだし。

 庭に出るのは避けよう。まだ誘拐フラグが回避しているか分からないし。


 あっ、そういえば。


「今日も殿下がお見えになるのよね。昨日と同じ時間かな」

「そのようですよ」


 私はいつものように自分の身支度をアイリスに手伝って貰った。


 たまには気分を変えたい。そう思った私はアイリスに髪型をハーフアップからポニーテールに変えて欲しいとお願いした。


 最初は驚いていたアイリスだったけど、クスリと笑って「わかりました」と言って、私のワガママに応えてくれた。


 こんなワガママを聞いてくれるアイリスは天使、いや神ね。

 今度から拝まないと。


 ただ仕事だからというのもあるだろうけど、そんな細かいことを気にしていたら負けよ!


 身支度を整え終わるとアイリスは一礼して寝室から出ていった。


 よし、勉強しよう。


 勉強のうちに入るか謎だけど、属性と対話する方法を考えなきゃ!


 魔法を自由に使えないと意味ないからね。


 まぁ無属性だけど。

 ただ、無属性という可能性があるだけで、確証はないけど確かめる方法が分からない以上、やれることはやっとかないと。


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