東方・カピバラリーゼント/水木レナ への簡単な感想
応募作品への、主催者フィンディルから簡単な感想を置いています。
指摘については基本的に「作者の宣言方角と、フィンディルの解釈方角の違い」を軸に書くつもりです。
そんなに深い内容ではないので、軽い気持ちで受け止めてくださればと思います。
東方・カピバラリーゼント/水木レナ
https://kakuyomu.jp/works/16816927862778915901
フィンディルの解釈では、本作の方角は北北西です。
えーきちさんの「よろしく、げっ歯類」と関係がありそうな作品だなと思ったら、やはりという感じでしたね。ただこちらのほうがギャグを飛ばしている印象です。
終盤まではコメディの文脈で進んでいると思います。千早矢が動物に変身して普段通りの活動ができず、それにより窮地に陥る竜人、しかしそこに千早矢が現れて、と。
突飛な設定を取り入れながら物語をしっかり組み上げていくのはコメディの流れで、これは真北だと思います。
ただ締め方が、それまでの流れを無視して突然全員がカピバラになって平和が訪れるというもので、これはギャグの終わり方だと思います。ギャグがこれまで培ってきた“何でもあり”の汎用演出だと思います。
「それまでの物語を無視して突然終了する」という字面だけでは東っぽさがあるのですが、ギャグの文脈で行うと野心的な香りではなく情緒的な香りが漂ってくるのが面白いところですね。“ギャグ的な何でもあり”と“創作の可能性を追求する”は意外と管轄が離れているんですよね。むしろ“ギャグ的な何でもあり”は“西的な寂寞”と位置的に近いよな、とも感じます。なのでフィンディルの目では、本作の終わり方は西的だと思います。
ただ本作は千早矢がカピバラになった経緯と「あ、あ、あぁあー!? てめぇえーっ!」という台詞などから、ギャグ的な締めを迎えるにあたって筋を通している印象がありますので、その点で北北西になるのかなというのがフィンディルの解釈です。
コメディとギャグの住み分けをしておきつつ両者を繋いでいるので、ちゃんとしているなという印象を持ちました。
場面と文のトーンのズレをコメディ的にもっと活かせると、場面がコメディ的にもっと映えると思います。
「極北の頭」でもそうでしたが、細部の文章をもっと洗練させられるならば、水木さんはギャグの素質があると思います。
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