応募作品への簡単な感想
東西南北に伝わる名前~青年は、剣士になりたかった~/バルバルさん への簡単な感想
応募作品への、主催者フィンディルから簡単な感想を置いています。
指摘については基本的に「作者の宣言方角と、フィンディルの解釈方角の違い」を軸に書くつもりです。
そんなに深い内容ではないので、軽い気持ちで受け止めてくださればと思います。
東西南北に伝わる名前~青年は、剣士になりたかった~/バルバルさん
https://kakuyomu.jp/works/16816927862651005382
フィンディルの解釈では、本作の方角は真北です。
真実を追い求める主人公が移り変わって物語が進んでいく形式を実験に据えられているのかなと思います。空間の広さも含めて、時間と空間の壮大さで物語を綴っていくような。
ただフィンディルの目には「そういうストーリーに収まっている」ように感じました。手法・実験ではなくて、「人生のバトンを繋ぐストーリー」になっているように感じました。
そのように感じる理由はいくつかあるのですが、一番はバトンを繋ぐ前提の対句的構成を多用していることですね。これは冒頭の四地方の叙述が顕著ですが、どのブロックも対句的な文章構成になっているのです。こうすると「繋ぐありき」になってしまって、全部ひっくるめて「そういうストーリー」に見えてしまうのです。世界が舞台、真実を追い求める人々が主人公。そういうストーリーは、普通にエンタメ真北です。
地方の叙述、人の叙述も、それぞれが一本の小説であるかのように書いてみると、全然読み応えが変わってくるはずです。繋ぐありきでない叙述が繋がれてるから「面白いことしてるね」という印象になるはずです。
地方の叙述それぞれに「本作の舞台」顔、人の叙述それぞれに「本作の主人公」顔をさせられるようになると、北北東くらいには見えてくるかなと期待します。
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