最終章 類は友以上を呼ぶ

 とうとう最終章に突入してしまった。言い方はかっこいいけれど、僕に勧められて無理やりこれを読んでいたり、途中から飽きてきて読むのを苦に感じていた皆さんにとってはこのエッセイが完結するというだけのただの朗報であろう。一章から七章までを通して、僕が良い意味でも悪い意味でも普通の人間でないということを皆さんには理解していただけたかと思うが、せっかくなので、そんな僕の周りにいる愉快な仲間たちのことも何人か紹介してからこのエッセイを終えたいと思う。僕は友達大好きマンなのでこの場を借りて友達自慢をさせてほしい。


 ついでに少し怖いことを言うと、僕の「友達」という言葉に対するハードルは意外にも高く、今これを書きながらざっと数えてみたところ二十人と少しが良いところだった。「知人」だとか「相識」であれば軽くその百倍は居るのだけれど。まあ怖い話はこのくらいにして早速面白い友達を三人ほど紹介していこうと思う。


 一人め。ひと呼んで「あかね」。

 僕は彼女ほど「天才」の二文字が似合う人間は居ないと思っている。頭の回転が早く、自覚があるかはさておき物事の要領を掴むのが抜群に早い。何をやらせても大抵のことは卒なく熟すし、学習能力も恐ろしいほど高いので吸収したことをアウトプットする力が非常に強い。ここまでの説明では僕の自己紹介としたる違いを感じ取れないかもしれないが、この時点で全ての要素が僕の五倍以上光っているということをお分かりいただきたいのと、ここからが彼女の本当に凄いところ。彼女のそれらの能力というのは決して顕著に表れるものではないのだ。だからこそ周囲はその才能に気が付かず、どんな人でも彼女には壁を感じることなく近づくことができる。よって、彼女の周りには常に人が集まってくる。本人がその周囲の人たちをどう思っているかは別問題として、彼女は天才として崇められてしかるべき存在でありながら、ごく自然に人を集めるという才能をも持ち併せているのだ。高身長で顔立ちが整いまくっているというのもその要因の一つではあると思うが。

 そして彼女もまた苦労多き人生を送ってきているので、同世代の人と比較してもやはり圧倒的に達観しているし、共感覚の持ち主であるとともに唯一無二の感性を持っている彼女は芸術的なセンスも強い。文学作品も音楽作品もエグい。いろいろな能力を持ちすぎだと思う。なんか書いててイライラしてきたな。次に行こう。


 二人め。名を「そうた」というその超生物の最大の特徴は、なんといっても卓越したワードセンス。どうせ後述するであろう「いある」という物書きにも引けを取らない、いや、場合によってはそれを凌駕するワードセンスを持った人物だと思う。彼が残した名言は数知れず、万人に受け入れられこそしないものの一部の人にはぶっ刺さる、そんな台詞をたくさん聞いてきた。

 例えば僕とそうたの共通の友人の家に遊びに行ったとき。その日、その家では友人が一人で留守番をしていたのだが、家族がみんな出掛けている割には玄関に出ている靴が多かった。そうたより先に玄関に入った僕がそれを見て「靴多くない?」とツッコむと、遅れて玄関を一瞥いちべつしたそうたが


 「何足歩行なん?」


 鬼才である。彼は紛れもない鬼才だ。他の人間にはどうやっても思いつけないことが彼の脳にとっては造作ぞうさもないこと、というのが多々ある。

 新しいゲーム機で一緒にテト○スをプレイしていた際の「操作がムズすぎる。老人ホームで採用した方がいい。」という発言なんかも個人的には好きなのだが。その辺のやや怪しい倫理観であったり、滲み出る負のオーラであったり、そういった点に時折ときおり危険を感じることも無いことはないのだけれど、法や秩序には触れない奴なのでとりあえず今は野放しにしている。

 友人の発言が面白すぎて態々ネットで語録メーカーを検索して発言集を作ったことなんて、彼に出会うまでは無かった。というか考えもしなかった。理解できる人なら、という前提はつくのだけれど、一緒に居て最も飽きない人物というのはきっと彼だと思う。


 そして三人め。僕がこうして文章を書くようになったきっかけである人物。名前は先ほどちらっと出したので割愛するが……いや、彼の「なんでだよ」という声が聞こえてきた気がするのでやっぱり再度紹介しておくことにする。


 「いある」というその化け物は、小説を書くことを一種の快楽としている、「変態」という言葉が魂を持ったような存在である。そしてこれを読んだ彼はきっと北叟笑ほくそえんでいる。そういうやつなのだ。人の悪口を言わないところは彼の美点の一つだが、逆に自分が罵倒されることに対する抵抗というものが微塵も感じられない。寧ろ喜んでいるし、正真正銘のドマゾだと言えよう。あるとき彼のある発言にドン引きした僕がつい発してしまった「気持ち悪い」に「俺は気持ち良いよ」と返ってきたあのときの最悪な感情は一生忘れない。

 しかしそんな変態が書く小説。これが信じられないくらい面白い。もうこれに関しては実際に読んでもらったほうが早いので野暮やぼな批評は遠慮しておくが、一つ一つの言葉選びが繊細で、シーンの書き分けやキャラの立て方が絶品。そしてギャグやコメディまでもが秀逸なので、もうどうやっても文句が出てこない。無論僕は彼の作品のファンなので最初から文句なんて言うつもりはないのだけれど。

 きっと彼はこのエッセイにコメントを残すと思うので、いあると言う名前を見かけたらぜひタップしてみてほしい。そして彼の作品に触れてほしい。変態だけど。


 さて、友達自慢にも満足したところで。


 如何いかがだっただろうか、このエッセイ。フィクション作品ならともかくこんなふうに自分のことを書き連ねるのは初めてだったので、つたなく読みづらい部分や分かりにくい話も多くあったかと思う。それでもこうして最後まで読んでくれた皆さんに、僕は感謝の意を表したい。


 あざす


 というかこうして一万六千字ほど書いてみて、まだまだ書き足りないことや、伝えたいこと、広めたいことがたくさんあるということに気がついた。ので、それらがある程度まとまったとき、このエッセイに新たに九章や十章を設けてまた皆さんに読んでもらえたらなと考えたり考えなかったりしている。

 もしも僕に聞いてみたいこと、僕の意見が欲しいことが浮かんだときには、ぜひこのコメント欄にそれを書いてみてほしい。望む答えが返ってくることにはあまり期待をせずに、新章が追加されることを待っていてくれると嬉しい。


 また書きたいことを風呂で考えに考え抜いて、風呂場から出たときに奇跡的に記憶が残っていればここに戻ってこようと思う。下手したら何年後とかになりかねんけどね。


 それでは。

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