第14話ブルックの楽譜

近くに居る部下を呼び寄せた。

「はい」

「おい、ブルックの部屋に入って服と

音楽に関するもの全部とってこい」

「わかりました」

「今度はドジをするなよ」


「はい」

「うふふ、謎のジャパニーズ

もしこれがクリアできたら

 あなたは、ジャックを超えるわ」

キャシーはつぶやいた


~~~~~~~~

シンディがシャワールームから出てくると

声を上げた。

「亮、イメージが涌いてきたわ、私日本に行くわ」

シンディは白いバスタオルを巻いたまま飛び跳ねると

そのバスタオルがはずれ全裸のシンディの

姿が亮の目の前に現れた。


「おい、シンディ」

亮は一瞬顔をそらした。

「うふふ、なに恥ずかしがっているの?

1年前に4Pをやったくせに」

「そりゃそうだけど」

「それより、亮の体凄い」

シンディはTシャツの上から亮の体を触った。


「そう、すごい」

モニカとケイトも近づいてきた

「一年前はこんなじゃなかったわ」

「うん、綺麗な体」

「ありがとうございます」


モニカは腕を亮の首に巻いて

キスをすると亮がそれを避けた。

「モ、モニカ。ダメだよ、彼に・・・」

「亮、アメリカのこの世界は本気で

付き合っている人なんていないわ。

 歌手も俳優も人気が出てくると美人と付き合う、

 次々に相手を変えていくの。スティーブもその一人よ」


「それで良いの?」

「うん、この世界の男性はみんな軽いから、

 結婚は一般人がいいわ」

「でもお金持ちが良いでしょう」

「もちろん、何のためにこの仕事していると思っているの?」

「あはは」

~~~~~~~~~~~~~

「しまった」

ブルックが唇をかんだ

「どうしたの?」

小妹が聞くとブルックが悔しそうに答えた

「私の部屋に行かなくちゃ」


「忘れ物?」

「はい、昔書いた楽譜が欲しい」

「行きましょう」

「でも、やつらが張っているかも」


「そうね、大丈夫ブルックの部屋は何階?」

「二階よ」

「じゃあ、飛び降りられるわね」

「ジャネット出かけるわ」

ブルックがジャネットに声をかけると

「どこへ行くの?」


「私の部室」

「大丈夫なの?」

「はい、私が居るから。大丈夫よ」

小妹が親指を立ててブルックと部室を出た

二人はジャネットの部屋を出て歩きながら

小妹はバックから目薬と白い粒をブルックに渡した


「何これ?」

「3分間だけ暗闇で目が見える目薬と

パワーが出るアドレナリン錠」

「本当?」

「はい、亮が作ったの、通常の倍以上のパワーが出るわ」

「凄いわ、これを泥棒が手に入れたら・・・・」


「そうね、世界中の軍隊やスパイも欲しがるでしょうね」

「彼、危ないかも」

「だから、私がいるのよ。うふふ」

二人がブルックのアパートの前を通ると

目の前に黒い車が止まっていた


「あっ、ジャックの部下の車だわ」

「やはり張っていたのね、裏から行こう」

タクシーはアパートの先の路地の前で止まった

「裏側に非常階段があるわ」


ブルックの住んでいるアパートの裏側の路地には

外についている非常階段があった

「あそこから登って窓から入ろう」

小妹が非常階段を指差すとブルックは

「無理よ、スパイダーマンじゃないんだから」


非常階段からブルックの部室まで2m以上あった

「大丈夫よ、任せて」

小妹とブルックは防犯のために途中で切れている

非常階段の下に着くと

「どうやって上がるの?」

ブルックが小妹に聞いた


「うん、飛び上がればいい」

小妹は5mほど下がって走って

非常階段の下でジャンプすると

3m近い高さの非常階段上に上がった


「す、すごい空を飛んだ」

小妹はロープをはずし梯子を下ろすと

ブルックはそれを登って来た。

「ブルックも出来るよ。来て!」

「うそ!」


非常階段からブルックの部室を覗くと

急に明かりが点いた。

「誰か居る・・・」

「うん、多分ジャック・チョウの手下よ」


「もしかしたら、私の楽譜を盗みに・・・・」

「たぶん」

「どうしよう・・・」

「楽譜はどこ?」

「隣の寝室のベッドの下」

「OK」


そう言って小妹は窓の下のわずかな出っ張りに

足を這わせて歩いて行った。

ブルックもその後を付いていき寝室の窓の下に着いた


「どうやって入るの?」

「ごめんガラス割るよ」

「良いわよ」


小妹とブルックは目薬を目に点すと背中に

背負っていたバックから吸盤と

ガラスカッターを取り出して

鍵の上のガラスに穴を開け、鍵を開けた


「ブルックお隣はどうしている?」

「まだ、一生懸命探している」

「ブルック、奴らが寝室に行きそうになったら

ガラスを叩いて」

「了解」

小妹は窓を開けると頭から前転で

床に手を付いて回りすばやくベッドに

手を伸ばすとそれを見つけた。


「あった」

小妹が楽譜を手に取るとブルックが窓を叩いた。

「ああ、まずい」


小妹は隣の部室のドアの方へ目をやると

走り出し開いた窓から飛び出し

右手を窓の桟に手をかけ落下を防ぐと

ブルックが立っている窓の下の出っ張りに足を乗せ

窓を閉めた。するとすぐに隣の部室の電気が点いた。


ブルックと小妹は非常階段のほうへ這って行くと

ブルックは振り返った。

「ああ、明日の衣装を・・・」

「ダメよ、戻れないわ。諦めて」


「でも・・・・」

「亮に買ってもらって。うふふ」

「はい」

二人が非常階段に飛ぶと「カーン」

と言う大きな音が出てしまった。


「ん?」

ブルックの寝室を探っていた男が

窓を開けて顔を出そうとした。

「ブルック飛んで!」

「恐い!」

「大丈夫」


小妹はブルックの手を持って

3mの高さから飛び降りた

アドレナリンを飲んでいた二人の筋肉と膝は

3mの高さからの重さに耐えるほどの

パワーが出ていた


「うっ」

ブルックが声を出した。

「大丈夫?」

「なんともないから驚いちゃった」

二人はすぐに表通りに出るとタクシーを拾った


~~~~~~

「シンディ」

亮はポケットからコンドームを取り出した。

「何?今から4P」

三人はニコニコ笑っていた。

「違います。このコンドームをアフリカの

エイズ撲滅と少子化に無料で配布しようと思うんです」


「うん、気持ちが良いからみんな使うわね。

でもアフリカの人たちがもらった物を横流しするかも」

「それも狙いです」

「えっ?」

「誰かが貧しい人たちから買い上げれば、

彼らのところにお金が流れます」


「そうかそうね」

「でも資金は?」

「シンディ、NPO組織を作ってエイズ撲滅

キャンペーンのボランティアをしませんか?」

「そうか、NPOで資金を集めるのね」


「はい、横流しで買った連中が癖になって

正規商品を買ってくれれば

 売り上げが上がります。そうすればうちの会社でも

 生産コストが下がってNPOに安く商品を出せます」


「ある意味で広告宣伝になるわけね」

「それにアジア人は横流しの物を買わないですから」

「どうして?」

「サイズが合わないから」

「あははそうか、さすが」

シンディは手を叩いた。


「いいの?」

「もちろん、アメリカと言う国はセレブや有名人が

ボランティアをしなくちゃいけないですからね。

僕はシンディがこのコンドームの

宣伝をしてくれば助かります」


「うれしい」

「ロイも仲間に入れてNPOを作りましょう」

「うふふ、喜ぶわよ。彼」


「では、僕は明日があるので帰ります」

「そうか・・・頑張ってね」

三人に見送られ尚子の待っている部屋に向かった。

~~~~~~

「ブルックは楽譜書き終わったかな?」

亮はブルックに電話を掛けた。

「小妹と私の部屋に行って楽譜を取って来たから

大丈夫です」

「よかった。頑張ってください」


~~~~~~~~~~

尚子の部屋に着いた亮はチャイムを鳴らした。

「亮」

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