第13話シンディの仕事
「うふふ、亮の命を狙ったのは我々の組織を辞めた
中国人の殺し屋だったから
情報が早く入っていたの」
「そうか助かったよ」
「ところでこいつら何者だろう」
「ジャック・チョウの手下だよ」
小妹は男の体を蹴った。
「ジャック・チョウか」
「知っているの?」
亮が聞いた。
「もちろん、彼は香港の成功者の一人だから、
ただ評判は悪いわね」
「どんな風に?」
「中国の文化部にスポーツ用品を一手に
納品しているんだけど、
賄賂を渡していて商品を高く収めているみたい」
「へえ、どこの国にもいるんだ。悪いやつ」
「今から美咲さんと会う
「うん、私も行く」
「小妹、今からは一人で行くよ」
「どうしてよ」
「今から以前から話をしていた原美咲さんと会う」
「ああ、はい」
小妹は口をとがらせて返事をした。
亮と小妹は二人でホテルの外に出た。
「小妹、ブルックとジャネットが気になるから
彼女たちをガードしてくれ」
「はい」
「僕を脅してきたという事は彼女たちに
直接は手を出さなくても、
何らかの妨害をするだろう」
「わかったわ」
小妹はうれしそうな顔をしてバックを開け
プラスチックで出来ているピストルを渡した
「亮の欲しかったやつ」
「おお、出来たかインスリン銃」
「オールブラスチックのガスガンで弾の先の針から
インスリンが注入される15発の弾が出るわ」
「ありがとう」
「まったく、襲われたら相手のことを考えないで
殺っちゃえば良いのよ
この国なら正当防衛が認められるんだから」
「あはは、映画じゃないんだからそうは行かないよ」
「そうかつまんない」
小妹は本当につまらなそうな顔をして
亮の尻を何度かキックをした。
シャオメイここで待って未成年は入れない
わかった
シャオメイは外で待った
10分後に亮と小妹がバーに入りみんなに小妹を紹介した
「ジャネット、ブルック。今から二人を
小妹にガードにしてもらいます」
「えっ?どうして?」
「さっき僕が襲われました。ジャックの部下に」
「怖い怖い」
そう言ってジャネットとブルックが抱き合った
「でも、小妹はまだ若いですよね」
ジャネットは少女のボディガード不安を感じていた。
「大丈夫、彼女は16歳だけどカンフーの達人です」
亮が合図をすると小妹が亮と組み手を見せ、
最後は亮の頭の上に回し蹴りを見せた。
「凄い」
「任せてください、私は亮みたいに
甘くないから大丈夫です」
小妹はジャネットとブルック二人に笑いかけた
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「小妹は亮とどんな関係?」
ジャネットが不思議そうに聞いた。
「亮は3ヶ月前、香港の私のおじいちゃんの趙剛の
ところへ弟子入りしたの」
「ふーん、何の?」
「もちろんカンフーよ。そして漢方も」
「カンポウは聞いているわ」
「カンフー知っている、ジャッキー・チェンとか
ブルース・リージェット・リーでしょ」
ジャック・チョウの愛人をしていた
ブルックは香港の文化には詳しかった
「そうよ」
「そうか、良かった」
ジャネットは亮と小妹が関係なかったので
ホッとしていた。
「ジャネット何がうれしいの」
ブルックが聞くとジャネットが笑った。
「うふふ、いくら亮でも
少女には手を出さなかったわけね」
「でも、亮とはいつも一緒に
お風呂に入っていたわよ」
「はいっ?」
ジャネットとブルックは小妹の胸を見つめると
16歳の少女の胸は張りがあって大きかった
「小妹、バスト大きいのね」
「あはは、鍛えているから」
小妹は大声で笑うと二人も一緒に笑っていた
~~~~~~~~
シンディの部屋はモデルの部屋の割りに地味で
壁にはたくさんの本が並んでいた
「シンディ何か着替えがない?」
「OK」
ケイトが聞くとシンディはクローゼットから
Tシャツとショートパンツを持ってきた
「シャワー浴びてくるわ」
ケイトとモニカの二人はシャワールームへ入っていった
「シンディ凄い勉強家なんだ」
亮は本棚の本を手に取った
「はい、ニューヨーク大学の
ファッションデザイン科を卒業しているの
モデルを引退したらブランドを
立ち上げようと思っていたのよ
そこに亮が声を掛けてくれた」
「はい、ブランドを作る約束ですから」
「うふふ、嘘よ。誰にも言っていないわ」
「はい、これからのアジアはいい市場になります。
高級ブランドの」
「そうなの?」
「中国の金持ちはブランド品を買うためにヨーロッパや
アメリカに買い物に行くんですよ、日本を飛び越えてね」
「そうか。ニューヨークと日本と中国を結ぶわけ」
「はい、逆にカジュアルの方はジャパンデザインを広めたい
と思っています」
「うんうん、日本の渋谷のファッションは好きよ、
可愛らしくて」
「それに、アメリカのアダルトテイストを
入れたいんです」
「そうか、わかるわ。イメージが涌いてくる」
シンディは亮に抱きついてキスをしてきた
亮も久しぶりのシンディとのキスに
下半身が興奮してきた。
「ああ、ずるい」
モニカが裸にバスタオルを巻いて
ドアのところで声を出した
その声で亮とシンディは離れて
椅子から立ち上がった
「いや、その」
亮はあわてて言った
「亮、聞いているわよ、あそこから気が出るんですって」
シンディが亮のお尻をなでた
「ジャネットが言ったんですか?」
シンディとモニカと後からケイトがうなずいた
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ジャネットの部屋にブルックと
小妹の三人が着くと
ブルックは楽譜を出した
「ジャネットギターある?」
ブルックが聞いた。
「うん、どうしたの?」
「ちょっと楽譜を直したい」
そう言ってジャネットの目を見つめた
「どうしたの?ブルック」
「もっと高い音を出してみたい、
今まで1曲でも多く唄いたかったので
喉に負担がかからないように音域を抑えていたの」
「そうだったの」
「でも挑戦してみる。亮を信じて」
「うん、信じよう。ブルック」
ジャネットはブルックの手を握った
「私、楽譜書き変えるのを手伝う」
小妹もうなずいて言うと
「ジャネット、あなたは前に録音した
曲を聞いて踊りのイメージを作って」
「はい」
ジャネットはI-podをブルックから
受け取るとイヤフォンを耳に入れた
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「なんだ、あの男にやられたのか?丸腰の日本人に」
ジャックは二人の男を怒鳴りつけた
「すみません、気が付いたら体がひっくり返えされて
すぐにストマックに蹴りが入ってしまって」
「もう一人の男は?」
男たちは二人の男にやられたと思っていた。
「俺はまったく記憶がないんです」
「くそ!ますますあのリーと言う男が気になる。
いくら金を払ったか知らないが
スーパーモデルとディナー、
週末の予約は3ヶ月前じゃなきゃとれない
レストランLe Cirqueに入ってくる。
妨害をしないと本当にブルックが10曲
唄ってしまうかもしれない」
「ブルックとジャネットのドレスは1着1万ドルするわ、
彼のタキシードもね」
キャシーがセクシーな口調で言った
「どうしたんだ、そんな大金」
「どんな金持ちだってそんなにうまくいく訳ないわ」
「じゃあ、偶然というのか?」
「10曲唄えるかどうかわからないのに、
バンド、レンタル楽器が
出来ないように手配したから、歌なんか唄えない。
それに500人集まるかどうか。うふふ」
キャシーはお酒の入ったグラスを飲んで笑って言った
「うーん」
ジャックは腕を組んでしばらく考えた。
「そうだな、下手に脅かして警察が出てくるとまずい。おい」
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