第11話NELの謎
「媚薬、ラブポーションよ」
ジャネットに返事をした
「媚薬?!」
「そう、だからスティーブは私に夢中なの」
モニカがうれしそうに笑った
「素敵!」
そう言ってジャネットとブルック亮を見つめると
シンディとモニカとケイトは亮に微笑んだ
「はい、ジャネットとブルックにも後で
差し上げます。」
「本当?うれしい」
「ところでジャネットは何をするの?」
シンディがステージの様子を思い浮かべ聞いた
「バックダンサーをしてもらおうと思っています」
亮が答えるとシンディは納得して答えた。
「そう、素敵ね」
ケイトがシンディとモニカに同意を求めるように
シンディがやる気を出して言った。
「そうだ、私たちもオープニングで出ます」
「でも、私が・・・・」
ジャネットが自分の立場が無い事に嫌な顔をした
「ねえジャネット。モデルって何だと思う?」
シンディが強い口調でジャネットに聞いた
「スタイルが良くて綺麗でお客さんの
注目をあびる事でしょう」
ジャネットは当たり前のように簡単に答えると
「違うわ、私たちの仕事はデザイナーが作った
洋服を美しく見せる事なの、
女優や歌手とは全然違うのよ」
亮は笑みを浮かべてジャネットを見つめた
「今回の主役はブルックよ、あなたはブルックのライブを
盛り上げるために踊るのよ。私たちも同じ」
「はい」
ブルックは頭を下げて返事をした
「ジャネット」
亮はジャネットの隣に立って手を取って
レストルームの方へ歩いた
すると、ジャネットは涙を目に浮かべて
顔を亮の胸にうずめた
「亮、シンディの言う事が正しいわ」
「ええ」
「私、友達のブルックを利用して・・・」
「良いんですよ。解れば」
「うん」
ジャネットは亮の首に手を回してキスをした。
~~~~~~~~~~~~~~
「ねえ、ブルック。亮と関係した?」
ケイトが二人のいない間に興味深そうに聞いた。
「いいえ、ジャネットの彼だから」
「そう、亮は魅力ない?」
「ううん、凄く素敵です」
「ねえ、シンディ。亮変わったわね」
ケイトはシンディとモニカに聞いた。
「ケイトもそう思う?」
「なんか、凄く男っぽくなった感じ」
「そう、体ががっちりして男臭くなった」
モニカも答えた。
「シンディ、後ろで聞いていたんだが、
明日のブルックのライブ僕たちにも
手伝わせてくれないか?」
後ろの席からフィリップがシンディに声をかけてきた
「本当?」
「君たちのヘアメイクはうちが無料でやってあげるよ。
それと観客集めも手伝おう」
「うれしい、でもどうして?」
「私達も、亮のファンになってしまったらしい」
フリップはジーンを指差した
「うふふ」
~~~~~~~
亮は携帯電話を持って千沙子へ電話をかけた
「姉さんお久しぶりです」
「亮、お父さんに聞いたわ。元気そうね」
電話の向こうにうれしそうな千沙子の
声が聞こえた。
「はい、元気です」
「今から洋服を集めて夕方の便で日本を出るわ」
「それが、シンディとモニカとケイトの服も
お願いします」
「えっ、彼女たちの?」
「はい、話せば長いので彼女たちのサイズ
わかりますか?」
「もちろん、どんな服?」
「今、イメージをメールで送ります」
「お願い。一人じゃ無理だから
明日香ちゃんも一緒に行くわ」
「友子さんに連絡しておきますから、
一緒に来てください」
「ええ、わかったわ」
千沙子には友子が一緒と聞いて不思議に思った。
「到着時間教えてください、空港で待っています」
「了解」
~~~~~~~~~~~~
亮が電話を切ると美咲から電話がかかって来た。
「あっ、美咲さん」
「はあ、亮やっと見つけた。
今千沙子さんから連絡があったの」
「探していたんですか?」
「私、今ニューヨークに居るのそれで
パスポートと財布とスーツケース
預かっているわよ」
「どこにありました?」
「飛行場の両替所の前に」
「ああ、そうか」
亮は飛行場で起きた事件を思い出した。
「それでお金大丈夫だった?
昨日はどこで寝たの?食事は?」
「あはは、大丈夫です。何とかなりました」
「食事は?」
「今、美味しいもの食べています」
美咲はまさか亮がニューヨーク随一の
レストランで食事をしているとは思わなかった。
「そう良かった・・・荷物どうしようか?」
「こちらの用が済んだら、取りに行きます」
「わかったけど。あなた今何をしているの?」
「その件は後程。それで美咲さんどうして
ニューヨークに居るんですか?」
「一文字がこっちで怪しい動きをしているの、
それで調べに」
亮は自分を殺そうとした
一文字を憎憎しくおもって聞いた。
「今度はいったい何を?」
「アメリカに一葉学園の姉妹校を
作るつもりらしいわ」
「それは問題ないわよね」
「その資本を出したのが、S○Xと薬の儀式をする
フィラデルフィアにあるNELというカルト集団
という話よ」
亮はそれを聞いただけですぐに理解した
「日本の一葉学園の学生を留学させて
そのNELで洗脳して日本に帰って
男の信者を勧誘できますね」
「ええ、その可能性があるわ、FBIもDEAもNELが
麻薬を売買しているんじゃないかと捜査よ」
「ペンシルベニア州フィラデルフィアは
日本企業も多いし日本人も多くいます」
「何とか止めないと」
亮はしばらく考えると答えた。
「わかりました、後で連絡します。
明日は午後からリハーサルだから」
「ねえ、亮。こっちへ来てたった2日で
どうしてそんな事になるの?」
「あはは、わかりません。
それと明日8時ライブに来てくださいね」
「その件は了解したわ、楽しみにしている」
亮が電話を切るとジャネットが言った。
「長かったわね」
「電話がかかって来たので、
財布とパスポートと荷物が
見つかったそうです」
「良かったわね」
「この後受け取りに行きます。
それと今夜泊る所を確保します」
「えっ?どこに」
「とりあえずホテルを・・・」
「そう・・・」
ジャネットは昨日の夜のような関係は
二度とないかと感じていた。
「ああ、フィラデルフィアか~」
「ねえ、さっきフィラデルフィアって言っていたよね」
ジャネットが亮の独り言を聞いた。
「はい」
「ペンシルバニア州フィラデルフィアは私の故郷よ」
「そうなんだ、でもお父さんはラスベガスですよね」
「はい、ラスベガスの麻薬取締局DEAで
働いていているけど
ママと弟はフィラデルフィアよ」
「DEAか・・・日本にも作った方が良いかもしれない」
亮がつぶやいた。
亮とジャネットが席に戻るとみんなの
話が進んでいた。
「そうだ。プレゼントがあります」
亮はシンディとモニカとケイトに
小さなケースを渡した
「うれしい」
三人は包み紙を取るとシンディがうれしそうな顔をした
「口紅ね、素敵な色だわ」
「これスーパー口紅です」
「何?」
「キスをした相手がメロメロになってしまう
口紅です。大事な時に使ってください」
亮はモニカにウインクをした
「メロメロって?」
「はい、具体的に言うと口紅に母乳に含まれている
ホルモンと同じ成分が入っています」
「はいっ?」
「つまり、男性がこの口紅を塗った女性とキスをすると
好きになってしまうんです。
しかも、保湿成分が入っていますから
プルプルして魅力的な唇になります」
「本当、ありがとう」
三人は亮に抱きつき心から喜んだ
「そんなにうれしいの?スーパーモデルなのに」
亮が驚いて質問するとシンディは微笑んだ
「女は10万のフォロワーよりも
一人の男に愛されたいのよ」
「亮これ、いくらで売り出すの?」
ケイトが真顔で亮に質問をした
「まさか、そんなことしたら女性が
世界を支配してしまいます。あはは」
「あら、その方が良いかもしれないわ。
女が大統領になれば隣国に侵攻しないし
プロパガンダなんてしないわ、世界が平和になる」
シンディが答えた。
「そうか、なるほど。そりゃいい」
亮は腕を組んで真剣な顔をして考えた。
「亮、私たちには?」それにいつの間に口紅」
ジャネットが亮の手を引いて聞いた
「ごめんジャネット、持ってない」
亮は手を広げて誤った。
「良いわよ、私たちは声が出る薬を
作ってもらったんだから」
ブルックがすまなそうな顔をして答えた。
「いつのまに口紅?」
ジャネットは首を傾げながら呟いた。
「亮、もし出来たら・・・・」
「はい、わかっています。荷物の中に入っているので
明日渡します」
「本当、うれしい」
ジャネットは喜んで亮に抱きついた
「ジャネットそんなに男性に飢えているの?」
亮が淡々と聞いた
「はいっ?そんな事ないけど・・・でも・・・」
ジャネットはその口紅を亮に使ってみたかったのだった
六人はデザートを食べ終えしばらく話をした後に
ケイトが聞くと亮はシンディに小声で話した。
「亮はこれからどうするの?」
「シンディと話があります」
「そう」
ケイトはさびしそうな顔をした。
~~~~~~~~~
バーでジョージとロイが会って
二人は握手をした。
「ロイ。呼び出してすまないね」
「いいえ、どうしました?ジョージ」
「亮が今隣のレストランLe Cirque
でシンディと食事をしている」
「亮がニューヨークに来ているんですか?」
「ああ、本当は昨日の約束だったんだが、
飛行場で事件が有って記憶を失ったそうだよ」
「あはは、相変わらずだなあ。それで?」
「亮君にはワラントの件で来てもらった」
「なるほど亮はナチュラルグリルの
取締役だからな」
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