第八話だ!!俺の魔法を解説するぜ!!
矛盾しそうなとこを説明するという名の後付けしようとしたら、もっとややかしいことになったぜ!!
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はぁあああ!!!!チャオ皆!!!俺だ!!木霊凜だ!!!
今は何してるのかって?見てわからんのか!?ラスボスのカ〇カメ波的な攻撃を受けてるのだ!!!!うおおお!!!
だからその経緯を説明しろって?ふざけんな!!マルチタスクは出来る方だが、流石にこれは無理があるぞ!!!出来るけどな!!
さて、カメ〇メ波通り超えて元〇玉になってるラスボスの攻撃を受けながらこのくそ雑魚魔法使いから超スーパーエリートな魔法使いになった俺が説明するぜ!!耳をかっぽじってよ〜く聞け!!
☆
何か敵をことごとく全滅させることにした俺は太陽が昇るまで事前情報にあった敵の本拠地前で待機。
正月みたいにカウントダウン時計はないけど多分皆自分の腕時計を見て3,2,1,0とか数えてただろうな。全員の時計が敵と合ってるわけじゃないけど、多分そうした方が雰囲気が出るだろう。
で、俺のスマホの時計が丁度6時になる頃、いきなりバーンって音が鳴り響いた。
恐らくバーンだけじゃなくてドーンとかドカーンとか、まあ威力によって違う音だろうけど大体爆発の音が街中、この学園都市中に鳴り響いた。
俺たちだけではなく敵も同様に思い切ったことをした。
何故こんな広範囲の爆発テロが必要なのかは皆目見当もつかないが、こちらを動揺させる意味だけは確実に含んでるだろう。
だけどこっちもここにいる本隊が全部ってわけじゃない。広範囲に被害が出るのは想定済みだ。こんだけ馬鹿デカい悪の組織を相手にすればこうやっていろんな可能性を考慮しないとな。
というわけで俺たちは街中の爆発なんかは気にせず「カチコミじゃ!!おら!!!」って感じで敵本拠地へ突入。しかしそこにはもぬけの殻...ということにはならず普通に敵がいた。
最初の突入はシーンって感じで、確かにもぬけの殻のように何もなかったビルのエントランスだったが、皆が警戒を緩んだ瞬間に銃声が鳴り響いた。
裏の裏の裏の読み合いとか、現代で戦争すればそういう戦術しか戦況を変えられない。後手、守り側が圧倒的に有利なのは歴史の本を読めば小学生でもたどり着く戦争心理。もう武力なんて個対個じゃなくなった時代では意味をなさない。例え魔法の世界でも科学の世界でもだ。
故に敵さんがこうするのも仕方がなく、こちらが警戒を解いてしまったのも別に誰かのせいではない。裏を読み続ければそこに終わりはないのだから、誰かが終わらないと永遠の心理戦になってしまう。
しかし相手が俺の存在に気付かないのがあちらの敗北の原因だ。
まあ、そもそも気付ようもないけどな、何故なら俺は
俺の固有魔法【転写魔法】は初期のまま保存コピーを一回に一個で使用回数も一回限定のくそ雑魚能力のままだ。他の凡庸魔法、例えば【ファイヤーボール】とか【サンダーボルト】とかは流石にエリート高校生の下っ端ってぐらいまでレベル上がったけど、それでも周りはそれが当たり前に出来てることだから俺が優秀かどうかを判断できるような材料ではない。
まあそんな感じで敵も流石にここに超凄腕の防壁魔法の使い手がいるとは想像してなかったはず。
【反射】
叫びたいけど口が銃弾より早く動くわけないので心の中で魔法名を叫んだ。
【反射】文字通り物体を反射する魔法。日本筆頭魔法使いの代表である十二華族の中で、防御魔法を得意とする桔梗家の三女である、桔梗六花の固有魔法兼血統魔法。
彼女の血統に準じて防御性の高い魔法にして彼女にしか使えない固有魔法。これまで【反射】の名を使う固有魔法は確かに数え切れないが、彼女の【反射】はそこらへん有象無象の【反射】の性能と天と地の差がある。
理論上では物体はもちろんのこと、温度、冷気、電気、あらゆる物質の機動性を反射することができる。
そう理論上だ。
その気になれば人体内にある液体だって細胞だって反射できる、えげつない使い方を実現し金ない魔法だ。
しかしそれがまだ理論でしかないのは実現できないからだ。主に魔力面において。
万物を操れれば操れるほど、魔法に使う魔力量は多くなる。それからもっと大きく、細く、細かく、繊細な、複雑な機能を加えれば人体の許容し得る量の消費魔力を使う魔法になることもある。
よって確かに桔梗六花の【反射】は他の類似した固有魔法より性能は高いが、万能ではない。
それでもこの場を凌ぐには十分な性能だ。
パリパリ!と、金属が床に落ちた音がする。空になった銃弾のボディが次々と落ちていく。その音がババババと鳴り響いてる銃を撃つ音が止まると、それも漸く止まった。そして倒れてゆく敵。
俺たちの命を奪うはずの弾頭は、撃たれた軌道線をそのまま描いて引き返した。
普通であれば秒速800メートル越えの弾丸より魔法を発動させることはできない。しかし桔梗六花の魔法はそれを可能にすることで彼女の【反射】は他の固有魔法より優れた性能を持つことができた。
思っただけで発動、使う意志があるだけで発動、
しかしそれもどこを何をに対してコントロールするのが術者の役目だ。よって不意打ちの銃弾を防ぐことは桔梗六花本人だって至難の業。
そこで俺の持つ、【転写】の出番だ。
まず、今の俺の固有魔法【転写魔法】はいくつかの戦場を括り抜けてとんでもない物に成長した。
変わったことは二つ。一つ目はそれぞれの固有魔法の使用回数は一回限定から10回になった。これは新しく登録した魔法にだけ限定して過去に使い切ったものはそのまま二度と使うことは出来ない。
そして二つ目は保存コピーの固有魔法が一個から十個になった。簡単に例えれば、RPGゲーム某積み木ゲームのように【転写】には魔法を保存するためのストックある。そのストックは前は一つしか持てなかったけど、今は十個も持てるようになった。これにはどんなメリットがあるのかというと、【転写】に新しい魔法を登録する場合、ストックの空きが必要になる。もしまだ使ってない魔法がストック内にあるまま別の魔法を登録すれば、元にあった魔法は消える。そして例え使ってなくても使えなくなる。そのままの意味で魔法デリートするのだ。
それでは勿体ないため、前の俺は新しい魔法を上書きするようなことはあまりしない
しかし、今では新しい魔法を登録しても消えなくならないようにストックの上限が増えた。十個さえ越えなければいろんな魔法をコピーできるわけだ。
で、これは変わったのではなく、二つの機能が成長したことから生まれた転写の性能で、名付けて【融合魔法(俺命名)】
この融合魔法はその名通り、転写にあるストックから様々な魔法の機能を同時に引き抜いて発動させる魔法。まあ厳密には何個かの固有魔法の細かい部分だけを発動させて別の魔法のように見える魔法だけで、実態は【転写】の一部である。
で、その融合機能を使って出来た一つの魔法のが先使った魔法の【自動反射】である。
これは【反射魔法】【探知魔法】【感覚強化魔法】【加速魔法】【受動付与魔法】の五つの固有魔法から融合した魔法だ。先【自動反射】を発動したのは合計2回。事前にかけたのが一回で、途中で切れてからかけたもう一回。
理論上すごい魔法なのに関心なところでかけてるなとは思ったけど、今俺の気分はカードゲームをしてるようだ。
手札は全部100枚。自分と仲間を銃弾から守るのに20枚切った。残りは80枚だ。
限られた手札の中で決して俺は今日生き残るのか、それは今、まだ誰も知らない。
ーーーーーーー
と、そんな着地点が見えなくて強引に終わらせた回想だけど、そんな感じでラスボスまで進んだぜ!!!
カードゲームとは例えたけど、実際そうなんだよな!!今の気分的にはもう一人の僕が後ろ右な斜めに薄らと浮かべて「AIBOU!!」って叫んでる気分だぜ!!
敵本拠を制圧したあと、実は敵の親玉とスゲー危険な研究の集大成である世界を滅ぼしかねない平気が街の端と街の端の距離ぐらい別の拠点に分かれてることが分かったんだぜ!!距離的に絶望だ!!!
おまけにそれぞれの拠点には俺たちの仲間が向かってて、でも少数だから迎えてる敵の数敵にも圧倒的に不利!!絶望しかないZE☆!!!
しかしここで絶望しないのが俺たちの主人公こと、洋君だぜ!!もうあいつ最近いろんな女の子引き連れてくるし、日々努力してる俺と違ってピンチの時は勝手に覚醒するし、もう主人公はあいつってことでいい!!俺は船降りる!!お前らの船はタイタニック号か船ですらないいかだってぐらいいつも危ない海域渡ってるんだから、俺はもう降りる!!これが終わった後にな!!
で、絶望はしないけど何故か今回だけ覚醒しない主人公!!まあ流石に主人公でも十数キロくらい離れてる二ヵ所の問題を同時に解決なんてできっこないからな。使えん奴!!
というわけで、片方は俺に任せて、お前は先に行け!!的なセリフを言った!!言ってみたいセリフ言えて満足だぜ!!
そして俺が向かった敵の拠点はラスボスのいる場所だ!!なぜじゃ!!こういう時は主人公が仲間に他のことを任せてラスボスをやっつけるだろ!?!!空気を読め!!
でだ!俺は仕方がなくラスボスと戦いに挑んだが、見事に押されて今の状況に至るのだ!!使えるカードはもう0だ!!今使ってる魔法が切れたら俺はもう死ぬ!!ちなみに一緒に来た学園都市専用の部隊はもう全滅した!!テンプレに無能だなおい!!!
うおおおおお!!!負けるな俺!!踏ん張れ俺!!!あと少しだ俺!!!いつ助けが来るかわからんけど、とにかく頑張れ俺!!!
うおおお!!!!!!!
ぷっし...
あ、これはもう何か切れた擬音だわ。ライフポイント0だわ。もう無理なんだわ。死ぬわ俺...アディオス...くっふ...
「....今回も一人で寂しく死ぬのか....いやだな...」
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真面目に捕捉するぜ!!
固有魔法の名前に関しては固有と言っても作者が独特性のある名前を考えるはずもないので、ありきたりの名前にしました。
というのも、個人の固有魔法にも系統が分けられてて大まかな系統名で呼ぶのが主流ってだけで、ちゃんと別にオリジナルな名前もあります。例えば【反射】なら【反転鏡】とかいて「リフレクミラー」と呼ぶとかの【反射】の派生的な固有魔法もあります。決して作者が覚えにくいかっこいい中二的な魔法名を考えたくないとかじゃないですからね。本当ですよ。
まあ今の段階だと作中の魔法の仕組みもまだまだ分からないと思いますが、それも後々に明かしていく予定です。割とそういう設定を細かく書く癖があるなので、全部語りきれるかはわかりませんが。
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