5/6 ホテリングモデルと創作活動?

 今日の講義で、「ホテリングモデル」なるものを学習しました。


 経済学の商業立地に関するモデルで、商圏競争を簡易化した結果、ある一定のラインで「立地均衡」が起こるという考え方です(詳しくは、インターネットで検索してみてください)。


 例えば、コンビニエンスストアなどのチェーン店。同じような商品を扱う店が、似たような場所に集中的に立地している場合がありますが、これもホテリングモデルで説明することができます。


 実際には、消費者の利用圏(消費者側の限界距離)や、商圏の広さ・狭さなども関係してくるので、一概に「こうだ」と言い切ることはできません。しかし、ハロルド・ホテリングの提唱したこの法則は、様々な場面で応用することが可能だと考えられています。


 ひょっとすると、小説投稿サイトなどの創作活動でも、似たような現象が起きているかもしれません。少しトレンドを追って、どのような作品が読まれる傾向にあるのか、分析してみましょう。詳細は省きますが、ある程度、「似たり寄ったり」な結果になると思います。


 このように、あるプラットフォームにおいて、同じような作品が多くなるのは、作者側に「ホテリングモデル」が働いているからではないでしょうか。あまり奇抜な作品だと、読者側の「利用圏」から外れてしまうし、「立地競争」で優位を取ることも難しくなってしまう。多くの作者がこう考えた結果、創作活動における「立地均衡」が生まれる。つまり、同じような作品が多くなるのだと思います。


 これは、Web小説に限った話ではありません。例えば、ある商品のデザイン。例えば、ある製品の性能。周囲をよく観察してみると、様々なところで「均衡」が起きているかもしれません。

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