タイムスリップ
金城sora
タイムスリップ
私は西暦3212年にタイムスリップしてしまったらしい
なんでこんなことになってしまったのか?
覚えているのは部屋のなかでパソコンに向かっていたことだけ
気がついたら、見覚えのない無機質な白い天井を眺めていた
意味が分からない
私は病室のベットの上でどうしたらいいのか分からず途方にくれて
何をするでもなく、飯を喰い、たまに風呂に入り
毎日がただ過ぎていった
私のもとにいろんな人が話をしに来た
テレビ局の人間
フリーライター
科学者
医者
歴史学者
なかにはスポーツ選手や芸能人も
ただの興味本意の者もたくさん来た
本当に沢山の人間がやって来たが
二度以上、私を訪ねた者はいない
皆、すぐに私に興味をなくしてしまう
なにかを聞かれても、答えることの出来ない私に
私の覚えていることはパソコンの前に座っていたことだけだからだ
私は来る日も来る日も毎日パソコンの前に座っていた
そうだ!
誰かパソコンを持ってきてくれ!
今すぐ俺にパソコンを持ってきてくれ!
私はそう何度もボソボソと呟いた
念願が叶い
パソコンを与えられた
嬉しくてたまらない
私がタイムスリップしてやりたかったことはただ一つ
2chでスレをたてたい
スレタイは
"2022年からタイムスリップしてきたけどなんか質問ある?"
私はそのスレ主として歴史に名を刻むだろう!
2ちゃんの歴史に!
パソコンを開き、2ちゃんをググる!
あれ?
そんな馬鹿な······
ない!
どこにもない!
なんでだ!
タイムスリップして思ったことは大して世界が変わっていないということ
なのになんで2ちゃんだけが無いんだ!
くそっ!
くそぅっ!
そうさっ
俺は46才でニート歴30年!
ずっとパソコンの前にいたコミュ症だ!
パソコンの前にいた記憶しかねぇよっっ!
対人で面白い話なんて出来るわけねぇだろう!
ちきしょう······
どこでもいい······
俺にスレを立てさせてくれ······
それがダメなら······
スレが立てられないなら······
2022年からタイムスリップしてきたけど質問には答えたくありません。
タイムスリップ ~完~
タイムスリップ 金城sora @sora-kinnjou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます