第135話 サリアのお陰で豚キムチ完全に至る!

ヴァレリーに拓哉が尋ねたところ、豚キムチは知らないとのことだった。  逆にサリアは知っていると言うことだったので、来てもらえないかとお願いしたところ快く引き受けてくれた。 

今日が来てくれる日で、拓哉はいくつかの豚キムチを用意して待っている。


「お久しぶりです。 拓哉さん。 いくつか思い当たる材料も持ってきましたのでお使いください」


サリアは、昔食べた豚キムチを思い出しながら、わざわざこれだろうと思う異世界の材料を持ってきてくれたみたいだ。 優し過ぎるだろうと思う拓哉。


「ありがとうございます。 もし、味が違うならこれを使ってみようと思います。 それよりリーリヤも来たんだね」


何故かリーリヤも来ていたが、夜来るんだし今わざわざ来なくても思う拓哉。


「来たらダメだったの? そっかぁ...サリアスタイルいいし二人きりがよかったのね。 寂しい...」


ワザと寂しがるような雰囲気を出すリーリヤ。 


「スタイルいいのは否定しないけど、リーリヤはまた夜食べるんだしわざわざ来なくてもいいのにって意味だよ」


スタイルがいいのは否定しない拓哉。 拓哉は大きなスイカが好きなのだ。 


「だって〜気になるじゃない。 過去の凄い人の料理が再現されて食べられるかもしれないのよ。 食べ損なうなんて嫌よ」


確かに、リーリヤはおいしいものに目がないなと思う拓哉。


「仕方ないなぁ。 じゃあ、早速試食会しますか。 右から順に辛くなっていきますので右から食べてください」 


右から順に食べていくラリサとリーリヤ。 リーリヤは、いつも通り感想を言って食べているが、サリアに至っては食べる咀嚼音だけが聞こえる。


「1番近いのが5番目に食べた物です。 辛さも残りつつオーク肉の甘さを感じることができるので。 でも、独特の香りがないですね...多分ミラガー(唐辛子)の違いだと思います。 ちょうど持ってきているのでこれで作り直してみてください」


そう言われたので、またシャーリーを呼んで魔法を使っても貰い1から作り直した。


「お待たせ致しました。 食べてみてください。 ってリーリヤ1から6番まで全部食べたの?」


作り直して戻ると1から6番までの豚キムチが全てなくなっていた。


「違うわよ! サリアも食べてるから。 私が食いしん坊みたいに言わないでよね」


「だって、サリアさん口元綺麗だけど、リーリヤ真っ赤になってるからさ」


口の周りにしっかり唐辛子を付けているリーリヤ。 明らかに一人で食っただろうと思う拓哉だった。


「うるさいわね。 いっぱい食べたわよ。おいしいんだから仕方ないじゃない」


食べたことを白状するリーリヤだったが、おいしいからって言葉を素直に嬉しく思う拓哉。 二人が、こんなやり取りをしている間にサリアは試食していた。 


「拓哉さん、完璧です。 白菜がいいのか?茂三さんよりおいしくできています。 ミラガーの風味が鼻に抜ける感じがいいですね。 食べ慣れた辛さになりましたよ。 でも、繊細さは拓哉さんが最初に作った豚キムチの方が上ですね。 もしよかったら、そちらのミラガーも分けてもらえませんか?」


「確かに、山椒のように鼻に抜ける風味がありますね。 これはこれでおいしいですが、普段食べ慣れた方が俺は好きです。 いや〜サリアさんがいなかったら一生答えに辿り着かなかったです。 ありがとうございます。 唐辛子は帰りにお渡ししますね」


改めて食べ慣れた味って大事なんだなと思うのとサリアが居なければ、無駄なことを繰り返していただろうなと考える拓哉。


「以前助けてもらったお礼です。 拓哉さんのお陰で大繁盛していますからね。 ミラガー...唐辛子っていうのですね。新しい料理の試作に使いますね。ありがとうございます。」


試作に使うならお世話になったし、大量に唐辛子を渡そうと思う拓哉。 そこに、リーリヤが話しかけてくる。


「私は、拓哉のミラガーの方が好き。 辛さと繊細な旨味があってオーク肉に絶妙に絡んでおいしいもん。 もし余裕があるなら、両方作って持っていけば? 殲滅龍様も色々楽しめて喜んでくれるかもしれないわ」


確かに、思い出も良いかもしれないけど、新しい発見もしてほしいし、せっかく持っていくなら茂三さんのではなくて拓哉自身の料理を食べてほしいと思うのだった。

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