第105話 (前編) 子供達とミノタウロスのハンバーグ作り!!
ヤナが狩ってきてくれたミノタウロスの肉が減らなくて困っている。
何故かというと、海鮮バーベキューの影響からか、海鮮系の物を頼む人が増えて肉系があまり出なくなったからである。
拓哉は考えていた。
どうしよう...アイテムボックスの中にあるから腐りはしないけど、アイテムボックスの肥やしにはしたくないしなぁ...
う〜ん.....あ!?子供達を集めてハンバーグを作るかぁぁ! 善は急げと、子供達を集めに家や宿を回る。
お店に、桜花とラリサとアニカとカイルとヤナとヤミンが集まる。
こう考えると、子供比率が高くなったなと思う拓哉。 これから結婚する人もいるだろうから、いつか保育所なんかも作らないといけないか...などと考えているとカイルから話しかけられる。
「拓哉さん、今日はなにを作るのですか??」
ぼぉーとしていた時に、話しかけられたので変な声が出てしまう。
「んぁ!? あ、えっと...ごめん。 何か言った??」
聞いていなかった拓哉は、思わず聞き返してしまう。
「拓哉さん、大丈夫ですか!? 今日は、何を作るのか聞いたのですよ」
拓哉は頭を掻きながら謝る。
「ごめんごめん。 ちょっと考え事をしてて。 今日は、ハンバーグを作るよぉぉ! 子供が大好きな肉料理NO.1と言っても間違いない物だ」
拓哉は、事前に手動ミンサーを購入していた。 自動でもいいのだが、子供達が自分で回して挽き肉を作る方が楽しいかなと思ったからだ。
「ハンバーグ! やったんだよぉぉ。 絶対みんな好きだから頑張るよ〜」
料理のできる桜花がみんな好きと言うのだから絶対うまいと思い、全員が「よし! 作るぞ〜」と気合を入れている。
「カイルくんとヤナくんは肉を細長くこのミンサーの上部に入るくらいに切ってから、上部に入れてココを回してみて。 ちゃんと、この金属のトレイを出てくるところに置いといてな。 忘れたら肉がテーブルに散乱しちゃうから。 じゃあみんな始めよぉぉ」
肉を切っていくカイルとヤナ。残った組は上部に肉を入れてクルクル回し始める。 ニュルっとミンチ状になった肉が先端から出てくる。
「キャハハハ。パパ、どんどん出てくるのぉぉ! 楽しいのぉぉ」
楽しいのは、凄いよくわかるよ。 でも、普通6歳児が軽々グルグル回せないからね。 どんなパワーしてるんだよと思う拓哉。
「アニカばっかりズルい。私もやりたいぃぃ」
アニカは、譲る気は一切ないようだし、周りにいる男の子もやりたそうだけど、我慢して女の子に譲っている。 よし!3台追加するかと新しく購入してテーブルに置く。
「アニカ、こっちにおいでぇぇ。 俺とアニカで肉を切るから、カイルくんとヤナくんとヤミンくんとラリサと桜花で、順番にミンサーを回してミンチ状にして」
拓哉が、アニカと呼ぶと笑顔でトテトテとやってくる。回すより大好きなパパと一緒にやる方がいいのだろう。 テーブルに届かないので木の箱に登らせて上げて、アニカでも切れるようにしてあげる。
他の子供達は、「わぁぁ!」とか「僕が最初だよ」とかワイワイしながら、ミンサーの順番を決めている。
「すんごいぃぃ! ニュルニュルいっぱい出てくるよぉ。 なんか気持ちいいなぁぁ」
「おぉ〜クセになるというか、ヤミンの言ってることがわかる気がする。 カイルも、やってみるか??」
ヤナとカイルは、もうニコイチというか家族だなと思う拓哉。 アレンが、ヤナを養子にするかもと先日言っていたくらいだ。
「はい!やります! わぁぁぁ〜お兄様、楽しいぃです。 お兄様と料理ができて嬉しいです」
カイルは、完全にお兄様大好きっ子になっているようだ。
気づくと挽き肉の山が6つくらい出来ており、3台追加はミスったかと思う拓哉。
「ストーップ! これ以上は、食べきれなくなっちゃうから。 でもこんなにもあるし、子供達から大人のみんなに、日頃の感謝として提供するのはどうだろう??」
バルトも小次郎もシャーリーもビーチェもマリーも、あのグラデュースですら、子供達には優しく何かと面倒を見たり、剣術や魔法などを教えている。 常連客でも、特にボーンだが子供が好きなのか、魔法技術を惜しみなく教えたりする姿も見えていつかお返しできないかなと考えていたのだ。 ちょうどいい機会だから子供達が作った料理でお返しをしようと考える拓哉。
「はい!お父様とお母様とボーンさんや村の人に食べてもらいたいです」
「僕は、来たばかりだけどみんな優しくしてくれる...特にマリマリに作ってあげたいなぁぁ」
この二人の言葉を皮切りに、他の子供達もやる気に満ちた言葉を言ったり顔をする。
「じゃあ、まずはどういう物を提供するか、知らないといけないし、作ってみんなで食べよぉぉ」
「オォー!!」
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