「夫婦」という関係(2)

 5月15日 


 おばあちゃん、最近お天気が続くので洗濯物がはかどっています。

 今まで「ワイシャツは休みの日にまとめてクリーニングに出して仕事帰りに回収していた」そうなので、今後は全部私に任せてもらうことにしました。

 外に出したら持っていく手間、引き取る手間もかかりますし、これで好平さんの負担も軽くなるはずです。

 アイロンとアイロン台はおばあちゃんちから持ってきた、おなじみのあれです。今の最新式に比べたら重くて腕が疲れますけど、ピシッとプレスするにはやっぱりあれじゃないときまらないんですよね。

 シーツと枕カバーとお布団カバーも替えを調達しましたから、お天気のいい日はお洗濯ものを広げて、アイロンが大活躍です。

 ワイシャツだけではなく、シーツも枕カバーもお皿用の布巾も、さっぱりアイロンをかけたものを交換するのは気持ちよくて、うきうきします。

 アイロンの済んだシャツでクローゼットがいっぱいになったり、ベッドのシーツを十円玉がはねるように敷けた時には達成感があります。


 ワイシャツと言えば、いつものごとく洗濯機に入れる前に襟を手洗いします。

 それで、この間、手洗いする前のシャツを試しに羽織ってみたらずいぶんぶかぶかでびっくりしました。

 好平さんは細身ですが私よりも服のサイズが大きいんですね。ボタンを留めても襟に手が入ってしまって、子供と大人みたいでおかしくて笑ってしまいました。

 脱ごうとしたときに整髪料の匂いでしょうか、いい匂いがして、少し不思議な気分になりました。


 夕方、好平さんが帰ってきて上着を脱ぐお手伝いをするとき、好平さんがネクタイを外すのをまじまじと見てしまいました。

 当然、襟に手が入るほどの余裕はありません。あるわけがありません。

 玄関にそろえた靴だって、私の靴の隣に並べられた革靴は大きくて。手だって、私よりもずいぶん大きいのです。


 そりゃそうですよね、当たり前です。好平さんは男の人ですもの。


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