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「いやっ〜〜〜!」
学校につくと、校庭にはすでに生徒が集まっていた。
「絶叫するな! 運動会なんだから校庭に人がいて当然だろ」
「R15じゃんこんなの!」
「ちはるんはもう15歳でしょ。基準クリアしてるじゃん」
「ちはるんって呼ぶな遠藤! セロレーティングはA、全年齢対象じゃないと安心してプレイできないだろ!」
「はいはいそうですね」
「遠藤〜、あ〜〜〜ん!」
「号泣するなって! あと腕が折れる!」
こいつ、いつも力強いんだよな。生存本能働いているのだろうか。
一年生、上級生の二年生、三年生も、「犬神ちゃんきた!」「今年は面白くなりそうだな〜」と和やかにこちらを見ている。
幼馴染を腕から外そうとブンブンするも、呪いの装備みたいにくっついて離れない。
呆れた。
俺はガクガク震える犬神ちはるを引きずりながら、自分の席に座る。
幼馴染も横にちょこんと座った。
「あの、ちはるさん? ここ、男子の列だけど」
「知らない、うざい……」
彼女はずずっと鼻をすすり、涙目のまま俯く。
「はあ……」
彼女の顔にそっとハンカチを当てて、拭いてあげた。
犬神ちはるは、くすぐったそうに「やーめーてー」と言いながらも、少し機嫌をよくする。
「まーた、ちはるは泣いてますの?」
そこへ、まるで声優のように甘い声が聞こえてきた。
前を見ると、肩までかかる焦茶の髪の毛を揺らして、一人のちっちゃい少女がこちらを睨んでいた。
犬神ちはるは、青ざめる。
「げ……、雨宮こたな……」
「こーなーたー、ですわーっ! いい加減間違えないでーっ!」
――――――あとがき
この作品はコミカルにするために、何人かサブキャラクターを召喚していきます。お楽しみください。二番目の女(中学生の頃からの幼馴染)爆速委員長など。
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