ソルジャー
Side 加藤 佳一
夜中に激しいドンパチ。
ガソリンスタンドに立て籠もり、バリケード越しに居合わせた人々で銃を使って戦う。
それに合わせてガソリンスタンドに設置されたタレットも激しい攻撃を開始する。
最初は生身で銃を発射していたが適当なタイミングでパワーローダー≪SSー15≫を身に纏う。
『なんだこいつら!?』
銃撃を行いながら敵――真っ青な肌、白目、ボロボロの衣服を身につけた、まるでゾンビのような群れに銃を乱射する。
多少の攻撃では前進をやめない。
頭を完全に潰す必要があるみたいだ。
カエルの次はゾンビてきな何か。
つくづくこの世界は魔境である。
今は戦闘態勢が整いつつあり、ロケット砲やら機関銃やらレーザーやらビームやらが飛んでいる。
流石この危険な世界で旅している人達である。
武装もはんぱない。
『こいつらはアンデッドだ!! 撤退せず本能で襲い掛かるから最後の一体まで殺さないといけないぞ!!』
と、マヤが戦車を動かしながらありがたくて舌打ちしちまいそうな情報をくれてくる。
ようするに全滅させろと言うことだ。
『そうか!! こいつらに噛まれたらこいつらの仲間入りか!?』
『いや、それは無い!! ただ頭部を破壊しないかぎり行動を止めないから十分に注意しろ!!』
『ほんと泣けるぜ!!』
これならまだ野盗とドンパチする方がマシだ。。
いや、いっそもう鈍器か何かで殴りにいった方がいいかも知れないが後の整備が大変になってマヤに殺されそうだ。
『そもそもこいつらどうしてこんな風に!? ウイルス!? それとも放射能!?』
『たしか放射能だったはず!!』
『Fall●ut式かよ!!』
どうやらこの世界の放射能はFall●ut式のようだ。
あと何か変なウイルスとかも混じってそうだ。
間違っても元居た地球の放射能とは性質が違うのだろう。
でなければ今頃地球は度重なる核兵器の使用や実験でゾンビの存在が認知されているB級映画みたいな世界になっているはずだ。
それはさておき――
『野盗がきたぞ!!』
誰かが言った。
粗方アンデッドの群れを殲滅すると後ろから野盗――ウォーバイソンの連中が現れた。
『クソ――そう言うことか!!』
『どうした?』
『マヤ、アンデッドの群れはこいつらが嗾けたんだ!!』
『なんだって!?』
俺はアンデッドがこいつらに嗾けられたことを察知した。
野盗の出現タイミングが良すぎる。
俺の考えは間違いではないだろう。
『さて、狩りの時間と行くか!! ランドキング様の力を見せつけてやる!!』
『またウォーバイソンの幹部か!?』
そうして車両群がアンデッドの亡骸を踏み潰しながら突っ込んでくる。
ランドキングはパワーローダーではなく、車両中心の部隊を編成しているようだ。
戦車だろうか乗用車だろうが節操なく装甲版や銃器のっけて外観を世紀末カスタムしている。
リーダー格のランドキングの乗り物は戦車――キャタピラが4つあり、高さや横幅がある戦車だ。
ガソリンスタンド周辺、敵方双方に爆音。
両者ともにどちらが死んでいるか分かったもんじゃない。
『ガソリンスタンドから離れるぞ!? 包囲されて全滅する!!』
『分かった!!』
俺は応戦しながらマヤに指示を飛ばした。
ウォーバイソンは基本個々の戦闘能力は大したことはない。
だが数が多い。
勝負を仕掛けるかどうか悩んだ時――
ローター音が聞こえた。
『こちらアーミーズシティのソルジャー、ライトニング隊。これより救援を開始する』
などとオープンチャンネルでアーミーズシティを名乗る人々がヘリの武装を乱射しながら次々と緑色のパワーローダーが降下してくる。
緑色の横長のカメラアイに口元を連想させる赤い突起物、ロボットアニメに出てきそうなグリーンのカッコイイ量産機みたいなパワーローダーだ。
軍海街からヘリで飛ばして来たのだろうか?
て言うかヘリ持ってたの?
皆、縦長のシールドにライフルで武装していて次々と武装車両を破壊していく。
何らかの軍事訓練を受けているのか素人目でも分かるぐらいに統制がとれた動きをしていた。
『クソッ!! 撤退だ撤退!!』
ランドキングは撤退を判断。
そそくさと逃走していく。
なんにせよ助かった。
救援に駆けつけてくれた人々が集まる。
そして――
『遅くなりました。我々は軍艦街から駆けつけてきました、アーミーズシティのソルジャー、ライトニング隊の隊長ミハエルです』
そう言って敬礼する。
隊長らしき隊長は声からして女性。
歳もまだそんなに自分と年齢は変わらなさそうだと思った。
『手の空いてる物は設備の復旧作業、周辺警戒を怠るな』
そして俺はと言うとミハエルに接触することにした。
自分の旅はアーミズシティやこれから向かう軍艦街に言ってウォーバイソンと立ち向かうための協力を取り付けることだ。
その目的を果たすためにこうして旅をしている。
その旅の終わりもこうして近付いて来る。
だがただでは終わらない。
そんな予感がした。
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