旅立ち
これから
Side 加藤 佳一
ホープタウンに帰還した俺達は早速話題になっていた。
巨大エビの討伐。
さらにマヤはアナグラで浄水器用のパーツも購入していたらしい。
それで色々と活気づいている。
それはともかくなぜかロザリーさんとそのグループとテーブルを挟み、ギルドと言う名の体育館で対面していた。
議題は結婚についてだ。
「ふーん結婚についてねえ~」
「ロザリーさんはその辺どうなんですか?」
「見合うタマがいないんだよ」
「うん。凄く納得した」
ロザリーはこの世界における「いい女の身本例」とか教科書みたいな存在だ。
手を出せる人間は凄く自分に自信があるか度胸のある人だろう。
「私達も結婚相手見つかるかな~」
「悪い男に引っかからなきゃいいけど」
「そんときゃ鉛玉ぶち込めばいいのさ」
などとロザリーさんの取り巻きである女性達は口々に言う。
なんか物騒な言葉が出ているのは聞かなかったことにしよう。
「まあ、結婚は誰々とするかは一先ずおいといて将来なんになるかを考えるのかは先じゃないか? この家業も永遠に続けられるワケじゃないだろうしね」
「そこなんですよね」
小説サイトにある異世界物みたいに現代知識で成り上がりと言うのは難しいだろう。てかホープタウンの創始者がそれをやったから今のホープタウンがあるわけで。
「まあ簡単に決断してもいいことじゃないだろう。頭が壊れるぐらいに悩んで決断くだせばいいんだよ」
「はい・・・・・・」
まあそうするしかねえわな。
「話戻すけどまさか汚染区域の怪物が現れるなんてね」
「汚染区域の怪物・・・・・・汚染区域ってやはり放射能ですか?」
「よく知ってるね。ハカセも同じこと言ってたよ。この世界を滅ぼした兵器。使用後に撒き散らされる死の毒。しかしときたまその毒で突然変異を起こす奴が現れるのさ」
それがあの巨大エビなのだろう。
アナグラでも言ったがふとこう呟いてしまう。
「そんな奴食ってアナグラの人達大丈夫なんでしょうか」
「大丈夫。そうでなきゃ私たちゃとっくに死んでるさ。そんなに心配なら放射能の除去剤でも飲めばいい」
だそうだ。
アナグラの人達も同じ事を言っていた。
やはりこの世界の人達は逞しい。
いまさら思ったが放射能の除去剤とかどうなってんだこの世界の科学力。
Fallou●か。
「さて、次の行き先は決めてあるの?」
「コロッセウムになりそうです」
これはマヤと相談した結果だ。
「また血の気の多い町になりそうだね。ウォーバイソンどころかフロンティアでも関わるの避けてるのに」
「マヤも同じ事を言ってましたけどそんなに危険な場所なんですか?」
「危険と言うより変わり者と言うか、アレは戦車やパワーローダーの信仰団体さ。町の周辺にもコロッセウムに影響を受けた連中がゴロゴロしている。マヤの憧れの場所さ」
「な、なるほど・・・・・・」
マヤが行きたがっていた理由はそれか。
「案外アンタも気に入られるかもしれないね。ウォーバイソンの件、有名になってるようだし」
「た、確かに・・・・・・」
ロザリーさんの言う通りアナグラでも有名になっていた。
コロッセウムでも同じような事が起きるのだろうか。
何だか今からイヤな予感がしてきた。
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