第2話 本当にあった噂の場所

本当に噂の沼が有るって言い出したアニキ。明らか様子の変なアニキに沼の場所を聞き始めた俺達……。またまた(笑)……実際有り得ないでしょ?……本当に!!……俺達好奇心と半分バカにしたように言いたい放題。最初は『うるせーそんな事より最近……』とか『おい!ヤス!!(おれ)こないだの女の子どうなった?』明らかに会話をずらして灰皿が山盛りになって行く………バーカウンターに置いてある置きタバコを取りに行く余裕も無いのか面倒臭いのか、嫌いな筈の俺の吸ってる銘柄のタバコを勝手にパカパカ吸いながら、『あぁ…面倒くせぇな』みたいな感じで、自分から沼の場所を話し始めた。ソレは仕方無くと言うより話せないけど話したい雰囲気みたいな感じで、何時も明るく何が遭っても笑ってるようなアニキの様子に内心おれは興味は有るがもう帰りたかった…内容は『A山の軽い登山道と隣のB山の登山道の途中からA山の頂上に向かう道を進むとA山頂上の展望台の手前でお互いの登山道が見えて急な崖の場所が有るだろ?あの真下に有るんだよでもアソコは大学の敷地内で私有地になってるし大学が出来る前も国の施設でかなり昔から沼に直接行ける道は無いし沼から出る水は大学内で地下に流れて川に流してるから誰も解らないんだよ……』と言い出しおれは内心(まじか!!行きたい!……でもさ。こいつら今からこの雨の中を行くとか言い出すんだろう)って逃げるようにカウンターに行き置きタバコが入ってる箱を漁り新しいグラスを出してウオッカをトニックウォーターで割ってテーブルに戻ると案の定「今から行こう!!」(イヤーもう今午前2時だよ?外は土砂降り……ベロベロに酔っ払い運転に登山かよ!ねみーよ…)とウンザリしてるとアニキが『イヤイヤ!今はムリだってホント行く道危ないから……』と言い出しコーヘイとタカシが「じゃあ明日行こうよ」となり言い出した内のコーヘイは仕事抜けれないとかで何故かおれとタカシとアニキで行く事になった。次の日憂鬱ながらも、ちゃっかり釣りセットを持って昼前に集合場所で有るアニキの店に行くと明らかにアニキの様子が変で青い顔色で『長靴だけ持って来い!』との事……取りあえずアニキと先輩のタカシとおれでアニキの車に乗り込み沼に向った。車は件の大学の正門の直前で曲がり直ぐに行き止まりになり見ると山を背に古い大学生向けのアパートが並んで建っていて境界のフェンスは2m位上の高さで有刺鉄線が巻いてあり古いアパートとフェンスが異様な雰囲気を出していて話しによるとフェンスを超えれば藪の山だが大学の敷地内と言う話だった

。フェンスを乗り越え藪を掻き分け染み出て泥濘んでる所を大学キャンパスのフェンスの土台の下沿いに音を立てないようにように進んだのだが途中でアニキに「何故広い大学の人気の無いフェンス沿いのコンクリートを行かないの?」と聞くとアゴで上を覗いて見ろと言うので覗くと誰も居ないのにフェンス周辺に警備員が数十m置きに居て行ったり来たりしていてアニキに聞くと『フェンスの外でもココは敷地内だから今見つかると問答無用で警察行き』と言う事でおれはもう内心ブラックバスの放流なんてとんでもないし帰りたい心境だった。おそらく普通に行けば20分くらいの道を1時間以上かけて藪と泥濘の地帯を抜けると森が広がり少し進むと森が開けて見るとビックリする位の大きな沼が広がっていた。どうやらその場所は3方向山に囲まれ山から染み出た水が窪地になってるその場所に溜まり大きな沼になってるようだった。おののきながら見渡してると沼の畔に大きな亀が居てコチラに気付くと面倒くさそうに沼に入って行ってしまい何となく亀の居た場所に行くと、水は少し濁っていて岸から数十センチは浅く急に深くなってるようで落ちてる長い枝を入れても届かないので自分の身長より深そうだった。浅い部分には神社等で見る水が溜まってる場所に賽銭が入れられてる様に小銭が水中に何枚か有り水の中に手を入れると思ったより冷たく無かった。おれとタカシで辺りを散策しようとするとまだ日暮れまで時間も有るのにアニキが青白い顔色で『もういいだろ!帰るぞ……』と言うので正直嫌な雰囲気で帰りたかったおれは嬉しかった。帰りの車の中でタカシがはしゃぎながら「本当に有ったんだな!帰って来れないってアソコで1人で行って落ちたら溺れるからそういう事なのか?」みたいな事を言ってるとアニキは『どうせお前ら他の奴等も連れてくんだろうけど何が有っても全部自己責任な……』と呟くように言い次の日コーヘイを含む他の仲間達から質問攻めにあったが何故か話す気になれず適当に受け流してしまった。後日タカシと友人数名で行ったみたいだが、普通ならそんな場所が意外な場所に有ったら話題で持ちきりになるのに何故かあまり沼の話しにはならなかった。

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