オッサンが異世界に飛ばされて命懸けで10日間仕事をしてきた記録

トミの山

第1話 何事も無い日常って良いよねー

おれは、高岡安行40過ぎの冴えないオッサンだ。自営で建築関係の仕事を細々と営んで居て金持ちでは無いが生活には不自由してないし嫁も中学生の子供も居る……なんて言うと読んでる人に『つまんねー』ってボコボコにされそうだけど、今の生活が有るのは異世界?に飛ばされて10日間過ごしたおかげ何だけど誰にも話せないからココに書いてみる事にした。異世界っても何かねファンタジーな世界でも無いし冒険するとかってワクワクするような世界で無くて現実とほぼ変わらないけど、おれが飛ばされた世界はズレてる世界だった。話は1回20年前位に遡り当時先輩のアニキがやってるバーが有り店に行くと連絡をしなくても誰かしら仲間が来ていて、ソコに集まって飲んだり遊びに行ったり俺達の溜まり場みたいになってて仕事が終わると、取りあえず飯を食いに行きがてら誰かしら居るだろうみたいな感じで毎日の様に店に行っていた。ある日いつものように店に入るとアニキが『よお!コーヘイ(友人)とタカシ(先輩)が居るぞ」と客と喋りながらアゴで奥のテーブルを指した。テーブルに座るといつものようにくだらない話が始まった。こないだ行ったパチンコ屋のイベントカスだったとか合コンで連絡交換したら速攻音信不通になったとか、こないだ買った****クソだった!とか今から風俗行かね?やー雨が降ってるからイヤだとか話してるとアニキが『今日は雨すげーから客来ねえしさっきの客も帰っちゃったよ』と言いながら混ざって来た。話は続き話題は当時仲間内で流行っていたブラックバス釣りの話になっていた。おれの住んでる地域は丘陵地帯で山や丘に挟まれるような地形で山や丘を削って商業地帯や住宅街になっていたが手付かずの場所も有り地形のせいか小さな沼や池があちこちに点在していて、ソコに誰かがブラックバスをこっそり放流して良く釣れる穴場みたいな場所が何ヶ所か有った。「アレさー何で穴場って直ぐに広まるのかね?こないだアソコの池行ったら人が何人か来てて車見たら都内ナンバーだったぜ(笑)」なんてコーヘイが言うとタカシが「そういえばさーあの山の奥に有るって大きな沼って何処に有るんだ?」おれとコーヘイは口を揃えて「そんな物は無い!!」って笑いながらがら言いった。その大きな沼と言うのは、どこの地域でも有るあの場所は出るとか昔なんちゃらの場所で開発出来ないとかそんな噂の場所の1つでその噂と言うのが<山と山の間に大きな沼が有って願い事をすると叶う>もしくは<山と山の間に大きな沼が有って行くと帰って来れない>と言う人によって言う事も違うし場所も曖昧で誰もその場所を知らないと言う噂の中ではかなりマイナーな話しで聞く事も少い話だった。再びタカシが「だってさーほんとに有ったらそれこそブラックバス放流して俺達だけの場所に出来んじゃん?」と酔も回ったせいかおかしな事を言い出し俺達は「先輩……だってさーそんな場所有ったらそれこそ俺達ここらの地形知り尽くしていて直ぐに分かるし、穴場の場所だって直ぐに他県の人間にまで広まるんだよ?」と返しみんなで結局山の麓に湧水が出てて小さな川になったり、泉になってて祠が有る場所が有ったりするから、そんな場所の1つが話に尾ひれ付いて噂になったんじゃね?みたいな感じで落ち着き再びゲラゲラ笑いながら違う話になると、いつもおしゃべりな兄貴が沼の話になった辺りから落ち着き無くタバコに火を付けたり消したりしていて??とは思っていたが急に真顔で『あの沼……ホントに有るんだよ』と始まり俺達は笑いながらイヤイヤと返すと『有るって言ってんだろ!!』と何時もニコニコして穏やかな人が急に怒る様に噂話の沼で急変したからみんなビックリして静かになりアニキの様子を伺うように口数も少なくなって、おれは(もうそろそろ帰るか……)と切り出そうとすると、コーヘイがアニキに恐る恐る「その……沼って何処に有るんすか?」って聞くとみんな一斉に同じようにアニキに聞き出した。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る