捨てられた子犬の闇乃 影司

 Side ミサキ・ブレーデル


 闇乃 影司を立ち直らせた人物と言えばミサキ・ブレーデル。


 彼女は言わば闇乃 影司の女性関係の御意見番のようなポジションの一人である。


 同時に影司のセフレである。


 セフレになった理由は単純にそこまでしないとダメなぐらいにミサキが出会った当時の影司は消耗しきっていたのだ。


 異世界絡みの騒動で大切な人をまたしても失い、戦う意義も目的も見失い。


 ただただ悲しみを押し殺してヒーロー活動を続けているような。


 そんな状態だった。

 

 ミサキは正直言ってそんな影司を放ってはおけなかった。


 容姿的に好みであり、正反対な要素を持つ影司に惹かれたと言うのもある。


 そんな影司を立ち直らせるために体を差し出し、そして精神的なケアに努めた。


 まるで幼い子供のように泣きながら肌を重ねる影司。


 そんな影司を支え――支えていくウチに影司の事をより深く理解していくミサキ。


 そんな影司を裏社会の女帝、フィクサーであるイザベラ・ペンテシレイアとも引き合わせた。


 理由は単純にイザベラも救えるのではないかと思ったからだ。


 闇乃 影司とイザベラ・ペンテシレイアは最初は突き放したセフレのような関係だった。


 だが肌を重ねていくウチに段々と打ち解けていき、血の繋がった家族のような仲になった。


 人生どうなるか分からないものである。

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