第23話 何が為の俺たち
たっちゃんはいつの間にか、 椅子の上で膝を抱えて座っていた。 小さな子供のように。
「そもそもさ、 両親って、 母親ってなんで俺の事産んだんだろ。
何で……? 俺に命を与えたのは神でも俺でもない。 あいつらだろ。 それなのに、 産んだらそれでハイお終い。 ここからは自分で人生歩みなさいって。
何なん……? 二人がいてそこに愛があって、 行為があって、 それで子供作ってさ。 何のために俺は作られたの? 幸せのため? 二人の理想の為? 世間体? 人類繫栄の為とか? は?」
たっちゃんは肩を震わせながら話し続ける。
「理由があって作ったのはそっちのくせに、 何でこっち側が生きる意味探さないけんのんじゃ。 分けわからんわ」
生きる意味。
なぜ俺たちは産まれて、 生きているのか。 なぜ両親は産み、 生かしているのか。 産み出され生かされている俺たちは、 いつから自ら生きていくことになってしまったのか。
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