本編のあらすじ 50話分
【全50話のあらすじ】
世界的な調理器具メーカーである「クピドー」が生み出したホビーと鍋を合体させた魔法の圧力鍋・マジコイリ。マジコイリで調理した料理で呼び出されたキャラクターで戦う新たなスポーツは瞬く間に人々の心を掴み、料理とバトルで人々に笑顔をもたらすコイリストと呼ばれる彼らは皆の羨望の的となっていた。
主人公・光岡ルートは幼い頃にクピドー社員であった父・シュウヤを亡くした経験からコイリストに憧れつつもマジコイリに触ることができない体質に悩まされていた。
そんなある日、幼馴染・幕島めるかが謎の仮面の少年・ヴェルグとのコイリバトルに巻き込まれてしまう。
彼女はマジコイリに触れることのできないルートのため、優勝すれば願いが叶うという噂のマジコイリ・トーナメントに参加しようとしていたのだ。
「どんな形でもいい。ルートにマジコイリをまた好きになってほしい」
めるかの想いに応えたいと願ったルートは父の遺したマジコイリを手に、クピドー社が主催するマジコイリ・トーナメントに参加することを決意する。
クピドー社の社長・金鞠アロウに不審な点の多い父の死の真相を訊ねる為に……
子どもの遊びが大好きな近所の粥爺にお守りとして「グダグダ印の釜」を受け取ったりコイリバトルの指南を受けたりする中、ルートは学園の王子様的存在である楠木原オーエンのマジコイリを大事にしないスタイルのバトルに遭遇してしまう。口論の後初めてのコイリバトルへと挑戦したルートはバトルの中でオーエンの心の傷に触れ、勝利を収めた後に彼とは互いの実力を認め合うライバルとなったのだった。
その後もフランスからの転校生でありめるかに想いを寄せる石川ファリア、男として振る舞う不良少女の瀬田クランなどのライバルたちと切磋琢磨する中でルートはコイリバトルの楽しさに目覚めてゆく。またオーエンとファリア、めるかとクランなど各々も友情を深めていき充実した学園生活を過ごして行ったのだった。
そしてついに迎えたマジコイリ・トーナメント。強敵たちとの戦いに明け暮れ次々に勝利を収めていくルートだが、再び現れたヴェルグの手でオーエンのマジコイリが壊されそうになったのをかばったことにより二人のマジコイリにヒビが入ってしまう。
粥爺に直してもらう間ルートたちはオーエンの家にあるマジコイリを借りることになるが、父の形見であるマジコイリが手元から離れてしまったルートは調子を崩していくのだった。
彼と思い出を分かち合うめるかの励まし、そして過去の傷を乗り越えたオーエンとのバトルによりルートはまた一つ強さを知り、オーエンもまたマジコイリ捜索をきっかけにギクシャクとしていた家族との仲を取り戻していくのだった。
コイリバトルを経て少しずつ心の強さを得て成長し仲間との絆を深めるルート。しかしコイリバトルのできないめるかはその経験を分かち合うことができず、彼らとの間に距離を感じてしまう。
そんな彼女の前に現れた金鞠社長。孤独につけ入るような甘言にそそのかされためるかは闇の力に手を伸ばしてしまい、変わり果てた姿でルートたちの前に現れたのだった。
社長のスパイとして潜り込んでいたファリアと共に姿を消しためるかを追いかけるルートたち。一方のファリアは大好きなめるかと共に過ごせることに喜ぶが少しずつ今の彼女に違和感を感じ、「自分が誰が好きだったのか」に気づいてゆく。
たどり着いたルート一行はファリア、強大な闇の力を得ためるかと戦うことによりギリギリまで追い詰められてしまう。しかしルートやクランの呼びかけ、そして「自分は明るい笑顔のめるかが好きだった」と気づいたファリアの後押しによりめるかは自らの心の闇に打ち克ち、元の優しい彼女へと戻ってゆく。
その後負けを認めたファリアにより「このトーナメントは願いを叶えたいという強い想いによるバトルエネルギーを集める為に社長によって仕組まれた」という真実を知ったルートたちは金鞠社長に話を聞く為に彼の元へ急ぐが、その道を阻むのはやはり謎の仮面の少年・ヴェルグだった。
出会った初めは圧倒的な実力差があったもののバトルを経て成長したルートは彼とも互角に戦えるようになっており、激しい一騎討ちの末にその仮面を剥ぐことに成功する。しかしその仮面の下に隠されていたのはルートと瓜二つ……古いアルバムで見た亡き父の幼い頃にそっくりの少年だった。
父の名を呼ぶルートの声に動揺するヴェルグは逃げるようにその場を去り、追いかけたルートたちは途中の敵に足止めされつつもついに金鞠社長の元へとたどり着く。
記憶を喪失している中、自身を拾ってくれた金鞠社長に恩義と情を感じ彼の「弱いコイリストたちを排除し、集めた強いコイリストたちのバトルエネルギーを回収しろ」という命令に従っていたヴェルグ。しかしルートたちとの戦いを経て果たして自分が行っていることは本当に正しいのか、金鞠社長の為になっているのかを悩み続けていたのだった。
自身は何者なのかを金鞠社長に改めて問い正すヴェルグ。ルートたちの姿を認めた彼はついに事の真実を語り出す。
金鞠社長の恋人が亡くなっていること、彼女を甦らせるために時を巻き戻そうとマジコイリのエネルギーを利用しようとしていること、そしてその実験に巻き込まれて若返ったルートの父・シュウヤこそがヴェルグの正体であることを。
自身がずっと憧れていた「家族」を傷つけていたのだという事実に錯乱するヴェルグと最後のバトルに身を投じるルート。父親が相手であるという意識のせいで実力を出せないでいる彼を叱咤激励するように力を貸すオーエン、ファリア、クラン。そして心を支えるめるかの応援に背中を押され、ついにルートは父に打ち勝つ。
けれどそのバトルで生じた莫大なエネルギーによって時の逆転は成功し、ルートたちは若かりし頃の金鞠社長の運命の分岐点へと遭遇するのだった。
金鞠社長とその恋人・レア、シュウヤは同じ会社の同期であり、当時まだ御曹司であった金鞠社長とは切磋琢磨してより良い圧力鍋を作ろうとする仲間であった。
しかしある時から金鞠社長はレアに想いを寄せるようになり、シュウヤに友情を感じつつも彼女と仲のいい彼に嫉妬を覚えるようになる。そんなある日「終業後に話がある」とレアがシュウヤに告げているのを目にしてしまった金鞠社長は彼女が彼のものになるよりも前にとレアに告白をしたのだった。
驚いた様子の彼女からOKをもらった金鞠社長は順調に交際を続けていきながらも自身が立場のある人間だから優しい彼女は断りきれなかったのではないかという疑念を膨らませていく。
その答えを聞くよりも前に病に倒れたレアは今際の際に「シュウヤ」と名前を呼びながら息を引き取ったのだった。
愛する彼女の恋心を踏みつけにしていたのだと知った金鞠社長は時を戻すことでレアの恋を叶えたいとずっと願っていたのだった。
ついにその運命の日に巻き戻った金鞠社長は彼女に恋心を伝えることなく見送る道を選ぶ。しかし終業後にレアがシュウヤに伝えた言葉は「私はアロウ君の恋人として彼を支えたい」という決意表明だった。
自身の大願が全くの見当違いだったことを知らされ狼狽する金鞠社長。もう彼の身体は度重なる実験でボロボロで、これ以上マジコイリを悪用すれば命さえ落としかねない状況となっていた。
そんな彼を救う為ルートとヴェルグは力を合わせて彼と戦うこととなる。
ヴェルグは社長の手駒として生きつつも少しずつそんな彼との間に友情を感じており、そんな彼を救いたいという願いに反応したルートのお守りの「グダグダ印の釜」が幻のマジコイリである「ダグダの大釜(コールドゥロン)」として顕現。その聖なる力を持って金鞠社長の邪心を打ち払い、時を巻き戻していたマジコイリが破壊されたことによってヴェルグはシュウヤとしての記憶を取り戻した。
そして全てが終わり数々の仲間と経験を得たルートはこれからもコイリストとして生きることを胸に誓い、新たな日常に身を投じていくのだった。
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