第8話高校生
「さて、魔石をもらおうか」
「は、放せ」
俺は必死に暴れたが、アニキとの力の差は大人と子供、歴然だった。
「大人しくしろ!」
そこでアニキは、鋭いナイフを取り出す。
恐ろしい刃を本当に俺の頬に当ててきた。
「?!」
それに俺は、背筋が凍るが、
「そうだ。それでいい」
(ど、どうすればいい?)
俺は、全身の力を抜かないまでも、無駄な抵抗は止めたが、このままじゃ、俺たちは、どんな目に遭わされるか分からない。
だから俺は、一生懸命命乞いをする。
「た、頼みます……」
「うん?」
「み、見逃してください……」
するとアニキは、その言葉を聞いて、とても嬉しそうな顔をした。
「や・だ」
そして、まさか俺の頬を切りつけたのだ。
「うぅ……」
俺は、恐怖で顔が引きつる。
「なぜなら俺様は、お前みたいな、世の中をなめ腐っているガキが一番嫌いだからだ」
「そ、そんな……」
「それより! どこに隠してるんだよ!」
勿論ここでチビっても誰も責められないだろう。
なぜなら俺は、この間まで、好きなアニメを見て過ごしていた、ただの高校生でしかなかったのだから。
(なぜ俺が、こんな目に遭わないといけないのか?)
「もしかしてこれか?」
そう言いながら、アニキが掴んだのは、ココロミエールだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます