インド神話の成り立ちっぽいもの
1話で完結にすると言ってた(書いてた)癖に、ごく短時間で2話目を投稿する暴挙をまずはご容赦いただきたい。
Twitterに「こんなん書いた」的なのを投稿しただけだが、何故かランキングの割りと上位に食い込んでいた。もちろんジャンル「詩・童話・その他」限定だけれども。これを書いてる時点で週間15位。
初めは母数が物凄く少ない、それこそ二桁とかだろ…とか思ってたけど、とりあえず300位までは確認した。少なくとも上位5%には食い込んでいるのだろう。
まじか。フォロワー1人しかいないぞ。星は17ついてるけど。多いのか少ないのかわからん。
まあ、そういった事でスケベ心が出たので、続きを書いて見ようと思ったわけなのである。繰り返すが、私はマンガを描いていて、それに登場させるキャラクターやら背景やらの参考にする為にインド神話について調べていて──ハッキリ言うとマンガでは使えない内容を適当に端折ったものを掲載している。
決して専門家ではないし、裏を取っているわけではない。
「そういう解釈もあるんだな」程度だということを、予め心に留めておいていただきたい。
前置きが長くなったが今回の本題。インド神話の成り立ち「っぽいもの」の話だ。あらかじめ予防線を張っているあたり、筆者が及び腰である事はご理解いただきたい。
そもそもインド神話とは何なのか、という話だが、身も蓋もないが「インドに伝わる神話」の話である。日本で言うなら古事記。ヨーロッパで言うなら聖書みたいなものだ。そういう神話──おそらく、はるか昔は口伝で伝わったものが、後世に書物とかになったものだろう。
・ヴェーダ神話
・ブラーフマナ・ウパニシャッド神話
・叙事詩・プラーナ神話
大きくこの3種類の神話集的なものを、ひとまとめにインド神話と呼んでいる(らしい)。
非常にごちゃごちゃしていて、神様の概念も入り乱れている。
有名な所では暴風神ルドラが破壊神シヴァの前身とされている……要するに同じ存在で呼称が変わったとされている……とか。
ブラフマーという神様は「概念」だったものに「神格」が与えられたものだ、とか。
パールヴァティーとカーリーとドゥルガーは同じ神様だ、いや違う…とか。
まぁ、しっちゃかめっちゃかなわけである。一応、今ではある程度体系立てて語られているが……何故こんな事になったのかというと、言ってしまえば宗教のせいだと筆者は考える。
インドには原始宗教があり、それがやがてバラモン教となる。ガンジス川の西側に発生したヒンドゥー教が西、中東からヨーロッパへと広まっていき、今度はヨーロッパ方面から中東・アジアへと支配が広がっていき(ローマ帝国)、ヒンドゥーは逆輸入されるようにインドへ戻る。バラモンは駆逐され、その少し前に勢力を広げた仏教とかち合い、融合するように現在のヒンドゥー教が出来上がる…という流れである。
ちなみにヒンドゥーがインドに戻ってきたのは紀元前4〜5世紀、つまり2400〜2500年前。仏教が誕生したのは紀元前5世紀、2500年前。
ヒンドゥーリターンズと仏教は、おおよそ同じ頃に誕生しているのだ。
ところで、前回インド神話はデーヴァ神族とアスラ神族の争いの話と書いた。
では、このデーヴァとアスラとは何なのか?
デーヴァは現世利益を司る神々
アスラは倫理と宇宙の法を司る神々
らしいが、そんなのはもちろん、後付の設定であるのは言うまでもない。
神話とは、つまるところ人間の争いの縮図である。日本でいうとある地域に住んでいた土着の民族の事を、妖怪とか鬼と呼び、中央の正当性を保とうとしたと思われる話は枚挙に暇がない。インドでも同じことが言えるのである。
ここではつまり──
アスラとは、インドの土着の神様の事であり、
デーヴァとはヨーロッパ・中東から流れ込んできた神様の事なのである。
古代の戦争は国の争いであると同時に、宗教の争いであった。
勝者であった者たちの宗教(の神様)は、正義の神であり、
敗者となった者たちの宗教(の神様)は、悪魔と呼ばれ貶められた。
もちろん、絶対の裏付けがあるわけではない。
けれど、歴史の流れを見ればこの解釈にそんなに無理は無いと思う。
デウスという言葉は、ギリシャ神話のゼウスではなく、キリスト教系の唯一神を指す言葉なのだが……これが「デーヴァ」の語源だという説を目にした。なんとなくだが、無くはない話だ。
アスラが何故アスラなのかは不明瞭だが、アスラ=悪魔的な意味合いになっているのは「敗北者の宗教の神様たち」だったと考えれば辻褄があう。
また、似た「神」がいるのも宗教が混ざりあったと考えれば理解できる。
北欧神話のソー(雷神トール)=インドラ
ゾロアスター教のミスラ(ミトラ)=ミトラ
などがそれである。
……しかし、ちょっと待ってほしい。
ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァのインド神話三大神は皆デーヴァ神族のはず。これはどういう事だろうか。
おそらくだが、そこら辺がインド人のしたたかな所なのだと思う。
想像ではあるが、古代インド人は一旦はヨーロッパ系の宗教を受け入れた。しかし、そのまま受け入れることはなく、インドの中でドロドロに溶かして混ぜ合わせたのであろう。
ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァも元は「アスラ」だったのが「やっぱ主要キャラは正義側やろ」とデーヴァ「という事にした」のであろう。
デーヴァは現世利益を司る神々
アスラは倫理と宇宙の法を司る神々
……別にアスラを悪魔と断じていない所や、
神話の中で度々、三界を支配するアスラの王が登場したりするのはそういう理由なのだろう。
今風に言うと「ワイらの考えた世界観をオマエラ(大手出版社)の都合で勝手に変えられてたまるかいな」みたいな。
もちろん、ヒンドゥーにも仏教にも様々な「宗派」があり、それぞれに主張は違う。従って、これが絶対の正解ではもちろん無いのだが、おおよその流れはそんなに外れてはいないだろう。
余談ではあるが、仏教とヒンドゥーの神様も死ぬほどごちゃごちゃ混ざり合っている。シヴァ=大黒天 とかが有名ですね。
アスラ王、と言っても実は結構沢山いるのだが、その中でも有力(有名)なアスラ王に「マハーバリ」というのがいる。
別名「ヴァイローチャナ」という名前で、太陽を司る偉大な王は仏教では「大日如来」と呼ばれている。
そう、奈良の大仏様である。
仏教には「最高神」という概念がなく、「如来」という位が最高なわけだが、真言密教(空海さんですな)では教主……最高神みたいなもん……とされている。
アスラの偉大な王が最高神とか、インドの人はまぁまぁ皮肉が好きなのではなかろうか。
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お話はここまで。
よかったら筆者の所からリンク辿ってください。
完結済み長編ファンタジー戦記ものと
なんかどうでもよいエッセイ的なものを書いてUPしてます。
マンガに興味お有りでしたら「かすみ姫ワンダーランド」とググってください。Twitterがメインの活動場所でございます。
ええ、そうですともッ!これ(2話目)書いたのは宣伝目的だよ!悪いか!
※規約違反とかでしたらご指摘ください。そっこー削ります。
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