第3話もしかして同世代
いつものようにお弁当をつくり、水筒にお茶を入れる。
それを
気をつけないと智花はすぐに忘れものをする。身長なんかは私よりも大きいのに抜けたところがある子だ。
胸なんかも私よりも大きいのに。見た目はほぼ大人なのに中身はまだまだ子供だ。
「今日もパパ出張なの?」
智花がきく。
「ええ、そうよ」
と私は答える。
「じゃあ、今日はラザニアが食べたいな」
智花がリクエストする。
「いいわよ」
こういうリクエストはありがたい。
夕ごはんをなににするかを考えるのは実はけっこう面倒なのだ。
夫の孝文はいつも何でもいいと答えるが、本当は何でもいいことなんかない。
自分の意にそわないものが出ると露骨にいやな顔をする。
「それにしてもパパ、最近出張多くない。もしかしたら浮気してるんじゃない」
笑いながら智花は言い、玄関を出ていった。
それはきっと智花の冗談に違いない。
確かに彼女の言う通り、出張や会議とやらで帰りが遅い。でもそれは、建築士という職業だから仕方ないだろう。
杞憂というものだと思いたい。
智花が学校に行ったあと、ルーティンのように私は家事をこなす。
洗濯と掃除を終え、私はソファーに寝転がる。
Twitterを開いてみるとまたいろんな人が呟いている。
雪
「そう言えば昔見たアニメでラザニアが好きなキャラいたけどなんだっけ?」
智花がラザニアが食べたいといったから思い出したけど、完全じゃない。なんか喉がつかえたみたいで気持ち悪い。
もしかすると誰か教えてくれるかもしれないと思い、私はツイートした。
次に私はカクヨムのサイトを開き、黒崎さんの小説を読む。
彼は短編も書いていて、それらはあのファンタジーものとは違い、ちょっともの悲しいものが多い。
どっちかというと私はそっちの方が好みだ。けど、読まれているのはファンタジーもののようだ。
こっちも読みやすくて面白いのにな。
そう言えばサイトのトップも異世界ファンタジーもので埋め尽くされていた。
今の流行りなのかな。
子供のころ果てしない物語を読んでファンタジーものは好きだったけど、今のとはかなり違うかな。
あの映画も面白かったわ。
語り口が軽妙で、ゲームの設定のものが多い。これはこれで面白いんだけどね。
智花も何冊かライトノベルというのを持っていたから、今度借りてみようかな。
ある程度読んで、黒崎さんの小説にハートマークをつけた後、私はTwitterを開く。
そうそう、カクヨムにも登録してみたの。
読み専っていうのかな。
ウエブ小説っていいわね。
クオリティーの高い小説が無料で読めるなんて、お得だわ。
私のツイートにいくつかリプライがついていた。
しまねこ小百合
「なんかカエルみたいなキャラでしたよね。私も見てました」
そうそうなんかそんあデザインだったわね。
黒崎麟太郎
「それは
そうそう宇宙船サジタリウスだわ。
かなり泣ける話が多かった記憶があるわ。
どうやらしまねこ小百合さんと黒崎麟太郎さんは同世代みたいね。
雪
「そうそう宇宙船サジタリウスですね。私もあの歌好きでした」
しまねこ小百合さんと黒崎麟太郎さんに返信する。
黒崎麟太郎
「もしかして雪さんは同世代ですか?」
雪
「そうみたいですね(^-^)」
黒崎麟太郎
「よかったら今度よく見ていたアニメ教えて下さい。当方生粋のオタクなもので」
雪
「はい、今度ツイートしますね」
こういうツイートが続くのは楽しいね。私はすっかりTwitterにはまっていた。
こういうのをツイ廃というらしい。
私はすっかりTwitterにはまってしまった。
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