第2話フォローしてフォローバック
夫の
孝文は和食が好みで、それ以外はほぼ食べない。カレーやオムライス、ハンバーグなんてのはつくれない。
毎日手の込んだ料理はたいへんだけど、最近は出張が多いので、なにかと助かる。
あっ夫の仕事は建築士なの。しかもけっこう依頼が多いようでかなり忙しくて、家をあけがちなのよ。まあ、そのほうが私は気楽でいいんだけどね。
夕ごはんの支度をある程度終えると私はスマートフォンのTwitterをひらいた。
するとちょっと驚いた。
私の書き込みに何件かの返信があった。
いいねもつけられている。
しまねこ小百合
「バニラフレーバーのコーヒーは私もよく飲みます。私は業務スーパーのがおすすめです」
玉子かけごはん
「私もコーヒー好きです。参考にします」
黒崎麟太郎
「コーヒー飲みたくなってきた」
とあった。
これ、ちょっと嬉しい。
たわいない書き込みに返信、リプライっていうのをしてくれてる。
しまねこ小百合さんは島根県在住の主婦らしい。
玉子かけごはんさんは性別不明で毎朝玉子かけごはんを食べているとのことだった。
黒崎麟太郎さんは趣味で小説を書いているみたい。
リプライをしてくれた三人はすでに私をフォローしてくれていたので、私もフォローバックというのをした。
すると黒崎麟太郎さんからすぐにフォロバありがとうございますというのが返ってきたので、こちらこそよろしくとさらに返した。
Twitterを始めてまだ一日もたってないけどなんかすごく面白い。
顔の見えない相手とのやりとりは顔が見えないのがいいのかも知れない。
ネットだけのつながりだけど、またそれがいいのかも知れないない。
自分を飾らなくてすむ。
気がつけば、スマートフォンの画面を眺めている自分がいる。
タイムラインを見ているとすぐに時間が過ぎてしまう。
しまねこ小百合さんの夕ごはんは刺し身だったよう。海が近くて魚が美味しいらしい。うらやましいわね。
玉子かけごはんさんはプラモデルを買いに行ったようだ。
黒崎麟太郎
「小説を更新しました。タイトルは失敗勇者のやり直しです。よかったら読んで下さい」
その下にはURLがはられていた。試しにタップするとカクヨムという小説のサイトにつながった。
三話ほど読んでみたけど、テンポがよくてなかなか面白い。展開はご都合主義かなと思ったけど。続きは明日読むことにしようかな。
私はスマートフォンを充電器につなぎ、ベッドに入った。
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