第12話 ダンジョン
準備を整えた俺達は、訓練を行うためにダンジョンに潜る。
この世界のダンジョンは様々な所に存在しているが、受付や見張りなどは存在していない。
冒険者なら冒険者ギルドなどを通して連絡してから、俺達のような民は滅多にダンジョンにいく事がないのだが、街を出る時に門番の人に外出記録を付けてもらう事になっている。
それで余りにも帰りの遅い場合、家族などから希望が出た際に報奨金を支払い探索をしてもらうなどして生存確認を行うシステムだった。
この世界は前の世界のように自動で公的機関が動くような事は無く、良くも悪くも命の重みの違いを感じる部分だ。
「初めて来たけど、どんよりしてるね」
「僕は初めてではないけど、まだ慣れないな」
俺を含めた家族はダンジョン初経験者が多いのだが、長男のライルは何度か入った事があるらしい。
勿論兵の引率についていく形ではあるが、力が大切な貴族ではパワーレベリングに近い物は良く行われる。
実力的には付いていっている兵よりライルの方が上なのだから、守ってるのがどちらかわからないのだけど。
ここで改めて皆のステータスを確認する。
俺のステータスは前にも見て、大して変化はないので省略だ。
ちなみに魔法使いのマスターを終えて、現在は魔物使いに就いている。
これはパーティメンバーのステータスを向上させるスキルを覚えるという情報をテリーから聞き、今後に役立つと思い選んだ。
だが魔物使いが従魔を強化するのは理解できるのだが、パーティメンバーを強化するのは意外だった。
あくまでも自分では無く周りの力を使う、というのがこの職業だと思うことにする。
魔物を従えるのは二の次だ。
それで家族のステータスはこうなっている。
ライル・ジャンダーク
年齢10歳
レベル15 職業 剣士(425/1000)
体力 72(+42)
魔力 24
腕力 45(+42)
知力 28
敏捷 35
器用 36(+37)
運命力 40
魔法 基本属性魔法D
スキル 基本剣術スキルC
技能 剣術C
ユニークスキル
将軍
マックス・ジャンダーク
年齢8歳
レベル9 職業 魔法使い(543/1000)
体力 38
魔力 56(+108)
腕力 10
知力 43(+54)
敏捷 12
器用 21
運命力 35
魔法 基本属性魔術C 回復魔術D
スキル スラッシュ
技能 無し
ユニークスキル
無し
ミラ・ジャンダーク
年齢7歳
レベル10 職業 盗賊(154/1000)
体力 45
魔力 40
腕力 25
知力 28
敏捷 25(+15)
器用 28(+15)
運命力 74
魔法 基本属性魔術D 回復魔術D
スキル 基本剣術スキルD 索敵
技能 剣術D 短剣術D 罠解除
ユニークスキル
無し
今回ダンジョンに潜る為に、ライルとマックスには元々の職であった剣士と魔法使いになってもらっている。
ミラには盗賊になり、索敵を担当して貰うことにした。
最低限の事では俺が前に出れば問題ないとは思うが、もし俺が抜けた場合を考えると一人は必要だと思った。
幸いミラは器用に何でも熟せるタイプなので、その役目を担ってもらう。
ライルが先天性のユニークスキル【将軍】というスキルを持っていた事に最初驚いた。
このスキルはパーティの士気上昇とステータスの微上昇というリーダーならではの能力を持っている。
人柄と言い、ライルは上に立つべき人間だった。
それにしてもマックスがミラにレベルを抜かされているのは何ともらしいな。
魔法大好きなマックスは職の熟練度こそ一番高いが、その他は疎かになりがちだ。
剣士職もスラッシュ取る頃にはやめてしまっている。
この世界の人間はその人自身が覚える能力と職で覚える能力で強さが決まるが、今の俺が居れば最強パーティだって目指せるはず。
気を抜かずに潜っていこう。
「で、なんで二人は隣にいるの?」
「クラウを守らなきゃ!」
「…クラウ離れたらダメ」
隣は譲らんと言わんが如く、ミラとマックスは俺の隣にピタッとくっつく。
「遊びじゃないんだから……」
やれやれとした顔でこちらを見るリーダーのライルに、俺も少し苦笑いを浮かべる。
気張らずに、でも未来の為に、俺達は気を引き締めなおしてダンジョンに入っていった。
♢
次回以降ステータスの表記は簡易的にし、一定の区切りごとに纏めて表示するようにしていきます。
少し見づらくなっていると思いますが、申し訳ありません。
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