第9話 クラウ5歳になり、振り返る。
クラウに転生して5年、前世の記憶を取り戻して2年。
俺は5歳になっていた。
ありがたい事にこの歳で既にレベル上げを開始する事を許され、時折魔物の討伐を手伝っていた。
ちなみに今の俺のステータスがこれだ。
クラウ・ジャンダーク
年齢5歳
レベル24 職業 魔法使い(941/1000)
体力 490
魔力 490(+188)
腕力 147(+30)
知力 245(+94)
敏捷 245
器用 147
運命力 4900
魔法 基本属性魔術B 回復魔術A
スキル 基本剣術スキルA メガインパクト
技能 剣術A 薬錬金A
ユニークスキル
状態異常完全無効
体力自然回復大+(小)
魔力自然回復大
力補正小
成長促進大
成長補正大
完全鑑定
転職官
作物育成促進
この2年間で分かった事が沢山あった。
まず職業は剣士→僧侶→農家→薬師→魔法使いと転職している。
魔法使い以外の職業はマスター済みだ。
剣術スキルは2つ目のパワーブレイクを覚えた時に基本剣術スキルと名を変えた。
覚える数が増えると、同系列のスキルは表示を纏められるようになった。
そして初級職はマスターした時点でAになる。
出回っている情報ではSランクまで確認されていて、S~Dランクに分けられるようだがその上も存在するのではないかと噂されている。
これは上級職の更に上にある最上級職が確認されていないからだという。
昔存在した勇者がその最上級職だったのではないかと推測されているようだが、御伽噺の存在になるほど古く、その時の資料も活躍以外にはあまり存在しないため専門家達は未だに解明出来ないらしい。
そして職業に関する事でもう一つ分かった事があった。
それは生産職でも特定の戦闘スキルを覚える事があるという事だ。
ユニークスキルに元々あった体力自然回復大は、更に効果が上乗せされた+(小)という言葉が付いた。
力補正などステータスに影響を与えるユニークスキル、作物制作促進という農業にはありがたいユニークスキル、更にメガインパクトというスキルも覚えた。
この全てを農家という職業で覚えたのだ。
体力と力は農業を行う上で必要な能力の補正だろう。
それとメガインパクトというスキル。
これは早い話土を掘る時に一定範囲を対象に耕す事が出来るスキルだったのだが、俺のステータスの影響もあり戦闘で実際に使うと魔物の大部分が抉れるように傷ついた。
この世界ではユニークスキルという物は確認方法が無い。
なので自然と覚えている人間はいるのだろうが、認知はされていなかった。
俺は完全鑑定のスキルがある為に確認できたが、テリーに報告するとすぐに王国に報告され、今では専門チームが組まれている。
その影響で俺は注目されそうになったが、テリーが上手い事誤魔化してくれたようだった。
考察レベルで報告してくれたのが大きかった。
検証した結果事実だろうと判断した研究家たちが更に広く調べるようになって、今まで立場の低かった生産職の人間達は少し立場を回復している。
報酬で貰ったお金の一部を俺は薬師を極める為に道具と薬草を買う資金にしてもらい、そのお陰で薬師のマスターを終え、更にその薬が領内の民に緊急時に使用される事で健康な大人が増え今では労働力も上がっていた。
レベルに関してはやはり魔物との戦闘で上がった。
まだ子供の為、許可を得てからの戦闘が多いせいで数は多く熟せていないがこれでも中級冒険者程度のレベルには到達していた。
成長に関するユニークスキルはレベル以外にステータスにも影響を与えてくれている。
通常人により0~5の成長が見込めるらしい。
だが俺はレベル1の時の初期値×2の上昇をしていた。
体力と魔力に至っては1レベルあがるだけで20も上昇している。
流石にこのステータスは家族以外には知らせていない。
どうやら現状で人類最強と言われるS級冒険者がレベル84で体力が職業補正込みで700程度らしい。
既に素で500に迫る俺は、明らかに異常だと分かる。
ステータスだけなら上級冒険者にも負けないのだが、流石にまだ5歳になったばかり。
両親や兄妹に口煩く止められ自由に魔物を狩れないのは歯がゆいが、家族の愛だと分かっているので受け入れてる。
他には転職官の説明にもあったように、他人の職業も変える事が出来る。
俺は家族に対してそれを行っている。
成長速度は補正のある俺と比べたらとても遅いので流石に何かをマスターするほどではないが、最低限の戦闘と魔法が全員使えるようになっている上に自分のスタイルを生かす職業にも就かせてあげられるので特にテリーが人類最強に迫る勢いで成長を見せていた。
元々重騎士という上級職だったテリー。
生まれた時に決められている職業としてはとても優秀だったのだが、それに加え最低限の攻撃魔法と回復魔法を覚え、単独戦闘力が大幅に上昇した。
少し前に危険度Aランクのデスベアーという熊型の魔物が領内に現れたが、テリーが単騎で討伐してしまっている。
お陰で以前より民には慕われているが、貴族には目を付けられているようだ。
一方母のマリアは料理人という職に就いた。
そのお陰で食卓のレベルがとても上がった。
同じ食材でも使う調味料や調理法で、全然別の料理になる。
この世界の一般家庭ではあまり作られない、高級な外食レベルの食事を毎日出されるようになったお陰で俺はすくすくと成長している。
勿論俺の農家スキルの為に作られた畑の野菜はふんだんに利用してもらっている。
俺のスキルが確実に家族と領民の生活を良くしているようで、満足だ。
この2年間に得た情報は、とても大きい。
これからは本格的に恩返しだ。
「何ぼーっと考え事してるのよ?」
7歳になり少し大きくなった姉のミラに、声を掛けられて現実に戻る。
「何でもないよ」
俺はミラに微笑みかけた。
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