第12話 愛の国

聖母と呼ばれるその女性は先の戦争で傷ついた人々や子供たち、他国の基準に満たない者にも救いの手を伸ばした。


実際は世の金持ちから巻き上げた基金によるものだか、人々には女神にも見えた。

貧しさからそれを罪とも知らずに盗みや悪事を働いた者達にも最低限の暮らしと教育を施している。


元々豊かだったこの土地で暮らす事はそう難くない。

隣国には最新の医療システムを備えた機関もあり、尽きることのない財源によりいずれ貧富の差を無くすだろう。

彼女達の暮らしぶりも慎ましいものだが、


充分な教育を受けたとしても他人から奪う事しか出来ない者は広大な土地で獣を狩り人間本来の生活、自然の下に生きていくことにした。


とはいえ狩り尽くし生態系を壊されては話にならないので族長を立て大地の恵みに敬意を払うように釘を差した。


こうして愛の国 連邦国家が立ち上がった。



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