第9話 猫の国

にゃんにゃん帝国🐱


ここはその圧倒的支配力によって国民を掌握する絶対君主制国家。


もはや犬の国など歯牙にもかけず、わんにゃん戦争は終結し世界中のネコスキー達が連日観光に訪れる。


国民は猫に平伏し、猫ちゃんの縄張り争いが起こらぬようそれぞれの傘下としてお世話をさせて頂く。

そしてお猫様の愛くるしい姿を拝ませて頂き、時には猫吸いを享受するのだ。


建国時には不埒な賊がにゃんたまをちょん切る痛ましい事件もあったが、にゃんたまコレクションの横に自らの玉を並べる羽目になるとは...。


皆一様に下卑た笑みを浮かべているのは何とも不気味ではあるが、かくゆう私も膝の上の猫をスリスリと撫でながら同じ顔をしているに違いない。


街の中心には天を穿かんとするキャットタワーがそびえ、その頂きには皇帝

―ではなく、高所好きな猫ちゃんが鎮座していた。


皇帝は木に登ってレスキュー隊のお世話になった過去があるので高い所はダメなのだ、そんなエピソードも配信サイトでは圧巻のPVを叩き、人気の高さはキャットタワーでは届かない正に雲の上の存在であった。


ねこまんまを食べ、ちゅ~るを捧げる生活ではあるが人々は幸せに溢れている。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る