第24話 お前ら美少女が作った物だと高い値で買うだろ?



 拝啓、前世の両親へ。愛とはなんでしょう。『愛は素晴らしい』と考える人が多いでしょう。愛は人間の生殖本能を少し言い換えただけだと思いますが、そこには愛に対しての困難や葛藤がありそれこそが素晴らしいのだと思います。

 また、『愛は人を狂わす』という言葉もあります。愛の為に人を殺めてしまったなどの事件も聞いたことがあるでしょう。

 さて、私はどちらに属してるのですかね。気になります。


     


                  敬具

                  フルール





 約束した茶会の開始まであと約10分。それまでに出来るだけ綿密な計画を練らなければならない。現在思いついている案は、私がウラアーリにちょっかいを入れてお嬢のことをあまり認識させないという案だ。なにかッ!なにか無いのかッ!?………ハッ!思いついたぜぇ、とびっきりの策をよぉ。

 名付けて『忖度なしのガチ嫌がらせお茶会』だッ!







 「今日はお招きいただきありがとうございます。」


 「いえいえ、こちらこそ。前に一度お会いしただけだったので。」


 ほーん、こいつがターゲットである、ウラアーリ=アヤッシイナか。ぶっちゃけ、見た目は悪く無い。寧ろ良い部類に入る方だと思う。金髪に碧眼、爽やかで『ウホッ♡良い男』と言われそうな見た目をしているが、なに考えてるのか分からない感じがちょっと不気味。まあ頭ゆるゆるギャルだったら簡単に釣られそう。


 結論


 殺す!こいつは殺さないとダメだぁぁ!!



 「婚約したとはいえ、お互いを知らないとなにも始まらないと思い招待しました。」


 ふざけるなー!!お嬢を貰うのは私!お嬢に奪われるのも私!お嬢を幸せにするのも私だ!いいからウラアーリ!そこをどけぇ!


 「そうですね、夫婦になるのですから。えーっとご趣味は?」


 なーにが『ご趣味は?』だよ。はっ倒すぞ!この野郎!今すぐ体に460mmの風穴開けてやろうか!?あ゛あ゛!?



 「そうですね。剣術を少々嗜んでおります。自分で言うのもなんですが、かなり自信がありますよ」


 「そういえば、ガブリエル伯爵家は剣術で有名でしたね。自分としたことがすっかり忘れていました。」


 ガブリエル伯爵家は貴族にしては珍しく、いやこの家だけが実戦用の剣術を使っていることで、貴族間で若干有名だ。やれ野蛮だ、やれ戦闘狂みたいと馬鹿にされているが、この家だけが戦のない世の中でも鍛え続けるのだ。


 「貴方も貴族なのに平民みたいな剣を使うと馬鹿にするのですか?」


 おお、お嬢笑顔なのに目が笑ってない……それは最初からか。どんだけコイツと話したくないかよく分かるね。


 ウラアーリは自らの考えを気付かれたくないのかティーカップに手を伸ばし、一口飲もうとした。

 「いえいえ、そんなこtブホォォ!!ゲホッ!ゴホッ!!ゴホッ!!な、中々、ふ、深い、あ、味のする、お茶ですね。」



 馬鹿め!かかったな!!

嫌がらせその一。ウラアーリのお茶だけ、犬が尿をしてマーキングしたところにあった落ち葉からお茶を入れている。多分酷い味をしてるのでしょう。でなきゃあんな吹きかたしませんってw

 あの某異世界の鬼の双子の姉の方のメイドがやっていた事からインスパイアを受けた私の嫌がらせを喰らうがいい!


 なお、お嬢はこの事を知りません。



 「ちょっと、大丈夫ですか!?……私のお茶は普通なのに……って、フルール、何かした?」


 第一関門、ここはスマートにクールにそして知的に答えよう。……スマートとクール意味結構似ている気がするけどまあいっか。


 「いえいえいえ、なぜに、何のために、私が何かをしなければならないのでデスか?。強いて言うならば、ウラアーリのお茶だけ”少し“お高いものを使っているだけデスよ。」


 まあ、“巨乳”美少女が一から作ったお茶なんて法外の値段で吹っかけてもいいのです。ただの水でも美少女が汲んだ水だと高くなるでしょ?それと同じ理論だよ。


 「そうなのね」

 お?これはチョロイン属性追加か?


 「そうですよ」


 「そっかぁ……って、敬語!ウラアーリ卿に敬語は!?フルール!!」


 「私が敬う相手は両親とうちの王太子とお嬢だけって決めているんです。だから私はそれ以外の人は敬う事は絶対にしません!例えお嬢の両親だろうが私にとっては敬い指数は平民と大差ありません!さらにッ!私はッ!皇女だッ!故にッ!問題はんぬぁぁあい!!」


 やれやれ、困ったぜ。こんな簡単のことも分からないなんて。


 「あーもうメチャクチャだよ^_^」


 私の芸を奪うなんて…お嬢…恐ろしい子ッ!


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ここまで読んできて「うわっ…この小説の百合度低すぎ…?」なんて思う方も多いでしょう。4章あたりにブランはフルールに落ちますのでご安心を。

え?なろう最新話今どこだって?2章後半です。3章も短く済む予定です←そもそも組んだプロットから大幅に遅れている。


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