第20話 飛鳥文化アタック!
拝啓、前世の両親へ。新しい事をするのってワクワクしません?新しい洋服を着たり、新たな場所に行ったり、私は知的好奇心が高いのでワクワクせずにはいられません。
フルール
敬具
「お嬢、そう言えば私達王都の冒険者協会で転籍届出してませんでしたよね?出しに行くついでに何か依頼受けません?」
ドラゴン討伐の次の日、暖かい春の日を浴びて庭でティータイム洒落込んでいたが、ふと思い出しブランに聞いた。
「言われてみればあの時やってませんでしたね。分かったわ、けどなるべく簡単な依頼にしてね。」
「じゃ早速装備整えて行きましょう。」
「ちょっと待ったぁー!私も連れてってください!」
誰だお前は!?いや分かるけど。一応形式美という事で。カーミンが参加表明しました。
「えっとぉ、カーミン。貴女ピクニックと勘違いしてない?冒険者協会の依頼は少し危ないのよ?だからさ、ね?屋敷でお菓子食べてましょ?」
プークスクス。お嬢、カーミンの事完全に子供扱いしてるよ。自分より年上なのにwダメこれツボるわw
「失礼ですねぇ!私は21歳な『大人』なladyですよ!この屋敷で2番目に年齢が高いんです。年上に対する扱いがなってないです!」
「はいはい可愛いお嬢ちゃん、飴ちゃんあげるから静かにしてね〜」
「うるさいです!フルール!あと飴は後で貰います。」
いや最後まで威厳保てよ。それに最初の自己紹介の時自分で幼女とか1ピー歳とか言ってたやん。自虐ネタで弄られたいのか、弄られたくないのかはっきりして下さい。
「まあ良いです。今回ついて行くのは最近森狼の変異種が出たって果物屋のおっちゃんが言ってたので、私の護衛にしようかなってぇ。」
「え?カーミンって飛行スキル以外にもってたんですか?ダブルなら言って下さいよ。ちゃんとそれなりに給料も上がりますよ」
まじか!……私、スキル、一つしか持ってないわ。まあ、めちゃくちゃ強いから良いんですけどね……ほんとだよ?別に飛行スキル欲しかったなぁなんて思ってないし。
ゴホン、説明しよう!ダブルとはスキルを2つ持っている者である。
この世界の住人は基本的に必ずスキルを一個持っている。その中で稀に2個や3個持っている者もいる。人類の最高は4つ持っていたらしく。2個持ってれば大体就職に困らない何て言われているほどだ。
3つ持っている者をトリプル。4つ持っている者は現在一人しか確認できていないから正式な名前はないが、ここまでくると平民から貴族になることもできるぐらいになる。
「私の2つ目のスキルは動物と不自由なく会話や意思疎通ができるスキルですぅ。そこで餌やるから屋敷の警護と私の護衛してくれない?と頼みに行くのですぅ。…無理だったら殺して良いですけどぉ。そこはやっぱ依頼ですから。それに依頼はナワバリを変えてもらうのでも良いらしいですから。」
「まあ、自衛ができるなら良いんじゃないですか?手懐けれなかったら殺っちゃえば良いし、仮に手懐けたら立派な門番に出来ますよ。
マイナス面は思いっきり目立つのと、素材売った金が手に入らない事ですね。正直言って私達金に困ってないので良いと思いますよ」
「そうと決まれば装備を整えて出発なのですぅ!」
これは所謂、『カーミンのはじめてのおつかい』というやつだなw
王都の冒険者協会は北区の東区寄りのとこにあります。民間区とは少し離れていますが、人通りは多いです。王都の冒険者協会とあってか登録している人も職員もガブリエル伯爵領とは比べ物にならないほどいます。
私達の装備ですが、お嬢は男装の時と同じ格好しかし銀髪だとガブリエル伯爵家しか居ないのでバレないようにカーミンに作って貰った、茶髪に変わるヘアカラーを使って茶髪になってます。
カーミンは庶民が着る安い服の上に革鎧を着ていかにも『はじめてのおつかい』感を出しています。
え?私ですかぁ?私はガブリエル伯爵領を出る前にこっそりと作った、『戦闘型ビクトリア風メイド服午後ver type01』を着ています。黒と白を基調としたビクトリアメイド服の面影を残しつつ、私の“膨よかな”胸元が少し見えるように穴を開け、スカートの裏に色々と仕組めるようになっています。今は投げナイフ20本ぐらい入れてます。けど!ナイフ同士が当たらないように設計しているのでうるさくありません。
「王都ではテンプレは出来ないですが、張り切って行きましょう!」
そう言って私は協会のドアを開いた。中にはざっと80人程居ます。大体50人程が冒険者で残りは職員さんです。とても忙しそうですね(小並感)
「ヘイ!ネーちゃん俺らにお酌してくれよ!お礼にキモチイイこと教えてやるよ!」
おおっ!?これはまさか、あのテンプレが王都での出来るというの!?
「誰がアンタ達みたいな奴にお酌しないといけないのよ。その辺のそういう店でも行ったら?私達そんなに安くないの」
デスヨネー。私には来ないよな。ドラゴン狩る奴に喧嘩売る奴は居ないよな…はぁ、私の期待を返せ!
まあ良い、落ちけつ私。ここは『私の連れなんで』と華麗に彼女らを救い、名を告げずに去る。ということやればお嬢が「何?この感じ。胸が痛いの」なーんて展開があるかもしれん!という事でいざ行かん!
「うるせぇ!女は黙って俺に媚びてれば良いんだよ!!ほらこっち来い!」
ピピー!!アウトです!完全にアウトです!コイツァいっぺん締めねぇとな。
「失礼ですが、私達の連れに手を出さないでもらえますか?私達これから依頼あるんです。貴女達みたいな”低俗“な奴らにかまってる暇はないんです。わかったら、さっさとどっか行って下さい」
キマった!何という完璧なフラグ立て!これはお嬢『トゥンク』きてるでしょ!いやぁ、私って罪な、お、ん、な。キャー!
「あ゛!?うっせぇわ!何が低俗だ!しばかれたいのか!?」
「しばけるもんなら、しばけよ雑魚!お前みたいな包『ピー』ちん『ピー』野郎は田舎に帰ってママにでも泣き付いてろ!」
おっと、少し熱くなってしまいました。柄にもなくはしたない言葉を……
「表出ろよゴルァ!その喧嘩買ってやんよ!」
「雑魚がキャンキャン吠えてうるさいですね。これを機に貴方名前をチワワにした方がいいじゃないのwまあ良いでしょうぶちのめして上げます!」
「おい、あの嬢ちゃんとチンピラが決闘するらしいぜ!どっちが勝つか賭けようぜ!」
「無駄無駄w嬢ちゃんにしか賭ける人居ないから、賭けとして成りたたねぇよw」
「それもそうだなwガハハハ!」
なんかギャラリーが騒いでますね。よせやい。いくら私が勝つからって相手のプライド折っちゃダメでしょw
「こいよ!メイド!ぶちのめしてやる!」
雑魚は自分を大きく見せるために必死に吠えると言いますがまさか本当に吠えるとは。
「雑魚には本気を出すまでもないですね。チャチャっと終わりにしましょう。誰か審判っぽいのやってくれませんか?」
「ああ俺がやるよ。では殺傷性のある攻撃はなし、それ以外はなんでもあり。このルールでいくぞ。では……始め!」
今日まで必死に練習した投げナイフ術を見せてやる!見栄えに考慮し、華麗にそして優雅に決めてみせます。
私はそう思いながら、スカートの裾を払うようにし、投げナイフをスカートの裏からサッと両手に2本ずつ取り出し、柄の部分が相手に当たるように投げた。
狙う場所は頭、胸、腹部、そして金的。男の人なら確実にダメージが入るから決闘の際は金的を狙う事をお勧めします。
さて結果は、チンピラはギリギリ3本を剣で受け止めることに成功。しかし、その一本は吸い込まれるように金的にhit!。効果は抜群だ!チンピラは痛みで悶えながら、地面で丸くなってしまった。
こっからが私のターンです。水に落ちた犬は棒で叩かないと。超必殺 飛鳥文化アタック!
急いで距離を詰め、私は悶えてるチンピラの脇腹に肘をぶち込んだ。まあバキッ!って音が鳴りましたが、審判の判断で試合終了。私の勝ちです。やっぱり飛鳥文化アタックはやめられないぜ!
「ありがとうございます。最近結構ああゆう輩が増えてきて、丁度困ってたんですよ。」
「なに、私は可愛い女の子の味方だ。困ってるならいつでも相談に乗るよ」
「はい!ありがとうございます!ではまた今度会えたら。」
ふぅ。やったぜ。これはお嬢のいいとこ見せれたでしょ。さーてお嬢の反応は?
「ナンパ…ですか?」
グサっ!
「これまであんなに『お嬢一筋です』とか言ってたのに」
グサっ!グサっ!
「結局ただの女好きじゃないですか。失望しました」
パリン!バラバラ!
燃え尽きたぜ、…真っ白にな…
「ふふっ、冗談です。」
「……お嬢、心臓に悪いからやめて」
------------------------------------------------------------
当時の私は次回予告詐欺をしていますね。確かこれに懲りて次回予告をしなくなった気がします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます