第18話 国王公認!!

 




 拝啓、前世の両親へ。何故か国王に呼び出されています。何か失礼な事したら一族全員死刑、みたいなことがあるのでしょうか?少し不安です。まあ、私皇女様なんですけどね⭐︎


                    フルール

                    敬具


 

 「え?私に手紙ですか?可愛い女の子からですか?男だったら捨てていいですよ〜」


 メイドの仕事の休憩中に、カーミンが作ったポテチを食べながら、ブランに返答した。



 「なに言ってんですか!?これが見えないんですか!?王家の封蝋ですよ!?事の重大さ分かってるんですか!?」


 なるほど…全く分からん。



 「貴女が本物かどうか見分ける為に呼んだんですよ。万が一偽物だとバレたら、極刑だってあり得るんですよ?」



 ……マジか。まさか本当にそうなるとは。まあどうにかなるでしょう。あーポテチうめっ





 王家からの手紙を要約するとこうじゃ


1、やあ元気?私王様です。偉いんですよ〜ん

2、他国の皇女がうちの国来てそうだね

3、それは報告して欲しかったな〜チラッ

4、本物かどうか分からんから、確認させて〜。もちろん嘘じゃないよね♡。嘘だったらね……

5、3日後の正午に城来て。待ってま〜す。


                   by王様

追記  ガブリエル伯爵令嬢も一緒に来てね〜


 内容を伝えた時、お嬢膝から崩れ落ちてたよw


 お嬢…私の不幸体質に巻き込まれた様だなwプークスクスw







 さて当日です。あの後お嬢が「ドレス買いに行かないとまずいです。」等と言い、一着大銀貨8枚のドレスを買いました。色は薄い黄色のドレスで、露出が少ないタイプになってます。しかし解せないのが、ドレス代私の給料から引かれた事です!!嗚呼、給料約3ヶ月分が……待てよこれって女に服送るみたいじゃん。つまり「これ着て寝室来て」みたいなムフフな展開ですか!?女に服送るなんて脱げと同じ事ですよね!?…………いや、多分ないな。はぁ〜私の給料〜




 「ガブリエル伯爵令嬢とジャポニカ第一皇女の入場です」



 謁見の間には20人ぐらいの近衞、いかにも重鎮そうな爺さん4人とリリー王女、そして国王のおっさんがいた。案外少ないのね


謁見の時はなんでも赤いカーペットから出てはいけないそうだ。一応礼儀なのでカーペットの最先端で膝を地面に付けとく。やっぱさ、いくら他国の皇女(仮)でも相手は国王だからこれぐらいはしないと。



 「面をあげよ」

わぁーお。声が厳かな感じで、凄い威厳を感じがします。これぞ王様って感じだね。王様の容姿は中肉中背で黒髪黒目、少し白髪が見えるかなぐらいだ。



 「余は第11代目マルメア国王、カズトール・フーム・マルメアである。息災の様だな、ガブリエル伯爵令嬢。それと初めましてだな。ジャポニカ第一皇女」



 「はい。陛下におきましてはご健勝の様で。それと色々とご迷惑を掛け申し訳ありませんでした。」


 ヘイヘーイ。ブラン、ビビってるー!なんでただのおっさんにここまでビビるのか不思議だわ。


 「それは良しとしよう」



このタイミングで一応自己紹介した方がいいよね?まあミスってもどうにかなるでしょう!フルール行きまーす!



 「では一応自己紹介をしましょうか。私はジャポニカ帝国第一皇女、フルール・ヤマト・ジャポニカです。以後お見知り置きを」


キマった。これはアカデミー賞並だわ。いやぁ自分猫被るの上手いんでw



 「うむ、では今日の本題に移りたいのだが、皇族の印とやらを見して貰いたいのだが」


もうしょうがないぁ〜今出しますよっと……あれ?これ胸元空いてないから胸から出す仕草できないじゃん。うわ〜ちょっとショック。まあいいや


 「これの事ですかね。そこの近衛の人持っていってくれませんか?」


 近衛の人は嫌な顔せずに王様に渡した。



 王様はペンダントを吟味し、口を開いた。



 「失礼だが、フルール殿。貴国にはこの様な細工は一般的なのか?」



 「形自体は一般的に作れますね。ただ皇族の魔法印があるので複製は無理ですが。それは約300年前に私のご先祖さまである当時の皇女、アリエンテール第一皇女が作られたものです。皇族が増えてもいい様に500個ぐらい作ったと言われてますね。」


昨日カーミンに土下座して魔法印付けてもらってよかったぁ〜



 「ほう、これが一般に普及しているのか。それだけで貴国の国力の高さが窺えるな、では何故余の国に来たのか?」



 「嫁探しです」

 「…嫁?」

 「はい、嫁です」

 「もしかしてソッチ系?」

 「はい」

 「もしくは婿になってくれる女性でもいいです」

 「そうか」



 なんだよ、人の性癖に文句あんのか?どーせ王様なんて不倫し放題だから人の事言えないでしょ?(威圧)



 「何故自国で探さないのだ?」


 「異郷の地で冒険もしてみたかったからです。私の国がある大陸はもう殆ど冒険し尽くされてますから。」



 「それで、相手は見つかったのか?」


 「そりゃぁ勿論。今猛アタック中ですよ。でも中々誘いに乗ってくれなくて。なので外堀から埋めていこうと思います。」


おいお嬢。なんでそんな死んだ目をしてるんだ。美少女に好かれるなんて早々無いんだぞ!



 「ガブリエル伯爵令嬢は苦労してるんだな。まあ、美少女から好かれてるんだからくっついちゃえ。わし応援するぞ」国王これが素なのかな?中々フランクなおっさんじゃん


ブランはこの世の終わりの様な顔をしていた。

 「ハハッ、もうどうにでもなれ〜」


 「よし王様公認!てことでお嬢。結婚しましょうよ!」


 「ハハッ、もうどうにでもなれ〜」


 「おーい。お嬢?」


 「ハハッ、もうどうにでもなれ〜」


 「ハハッ、もうどうにでもなれ〜」


 「ハハッ、もうどうにでもなれ〜」



 返事がないただのbotの様だ▼






 この後ブランが正常に戻るまで30分かかった





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