第17話 ゲスの極み、ウラアーリ
「なに?他国の皇女が現れただと?」
この40代ぐらいに見えるこのおじさん、マルメア国王は仕事を処理しながら、娘からの報告を聞いた。
「はい、お父様。ジャポニカ帝国の第一皇女を名乗る者が学園に現れました。」
「ジャポニカ帝国?聞いたことがない国だな。他の大陸の国か?」
「本人曰く、そうらしいです。現在は助けたらしいガブリエル伯爵家で何故かメイドをやっています。」
「……ちょっと頭痛薬とってくれ。どういう事だ?なんで自称第一皇女がメイドなんてやってるんだ?それに第一皇女が勝手に別の大陸まで多分護衛なしで来て良いものなのか?」
国王は仕事を一旦止めて、頭を抱えながら聞いてきた。
「さあ?私にも分かりません。何でもこっちで助けてくれた伯爵令嬢に恩を返す、と言うらしいです。それとジャポニカ帝国では第一皇女の立場はかなり低いらしいです。」
「どういう事だ?仮にも皇族、しかも第一皇女までときた、普通なら有力貴族の元に嫁がされるのではないのか?」
「どうやら代々第一皇女は低いようです。なんでも「第一皇女の呪い」なんて話してました。代々第一皇女は頭のおかしい人しか居ないから政治に関わってはいけない暗黙の了解があるそうです。」
「お前から見てどう思った?その自称第一皇女とやらは」
国王はより一層真剣な声音で聞いてきた。
「彼女の持っていた皇族を示す純金のペンダントは精密な加工がされてました。…それこその国ではできないレベルの。故にジャポニカ帝国の技術力が高い可能性があります。真偽についてはまだそこまで話をしてないので分かりかねます」
「ならば一回呼んでみて真偽を確かめればいいか。よし3日後に城に呼ぶからお前も立ち会いなさい」
「はい、分かりました」
「さて、本物かそれとも偽物かしっかりと見極めなければな」
--------------side ウラアーリ--------------
「なに?ガブリエル伯爵家で他国の皇女がメイドをしているだと?」
金髪で遠目で見ればギリイケメンに見える男、ウラアーリ=アヤッシイナはワインを飲みながら家令からの報告を聞いた。
「どうもそのようです。今日学園であった入学試験でそう名乗ったそうです。その際に喧嘩を売ってきた神童と名高いソノカオ伯爵嫡男と決闘、瞬殺した様です。」
「ふーん。という事は今度ガブリエル伯爵令嬢と婚約する事になってるいるから、実質そのメイドうちの家のものになるって事だよね?やっぱり世の中、ボクちゃんが中心に回ってっるんだ。ソイツを手に入れたら王家にも勝っちゃうじゃねw?」
「余りその様な発言は控えた方が宜しいかと。」
パリン!!
ウラアーリは飲んでいたグラスを家令に投げつけた。そのせいで家令の服にはワインが掛かっている。
「うるさいなぁ。ああもうなんかムカついてきた。おい、お前クビね。それと誰か奴隷をいつもの部屋に連れてきて嬲るから」
ウラアーリはイライラしながら乱暴にドアを開け、部屋を出て行った。
「
この場に残された
予告(エ○ァのBGM流しながら)
突如として王家に呼ばれたフルール!彼女は真偽を悟られない為にも真剣に皇女として化けるのであった。その時の彼女の苦悩とは。
次回
フルール死す(社会的に)
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