第15話 湯けむり大作戦! その1


オメーらこれが欲しかったんだろ!?ほらっ、お色気要素じゃ!


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 拝啓、前世の両親へ。お風呂って無限の可能性があると思います。体を休め、身を綺麗にする他にも、男女がイチャイチャするために入ったりなど様々です。私の場合は同性の体をしっかりと観察するための場所です。異論は認めませんから



                 フルール

                 敬具




 


 「で?これは一体どういうつもりですか?フルール?私がしっかりと納得する様な、説明を求めます。そして反省して下さい。異論は認めません」



 おお。ブランさんめっちゃ怒ってる。笑顔なのに目が笑ってないから!怖いよ〜。けど…これはこれでありです!!その視線とてもえっちぃです!!……え?どこがえっちぃのですかって?そこはあれだよ、あれなんだよ。え?ちゃんと表現しろだって?………黙れ小僧。



 「私、アイツ、嫌い、ムカつた、だから、煽った、そしたら、やり過ぎた。反省はしている、だが後悔はしていない。」



 「カタコトで言っても誤魔化されませんからね!!第一に貴族に喧嘩売るなんて死にたいのですか!?」


 

 「アイツ、貴族、有利、だから、私、皇族になる、Are you ok?」

 全く、私の崇高な思考が理解できないなんて。



 「何言ってるんですか!?実態のない国に貿易しましょうとなったらどうするんですか?」



 「その辺はちゃんと考えていますよ。まず私のスキルを使って一人で大陸から渡ってきた。うち造船技術や航海術でも大陸を移動するのは難しい。故に取引しても行けるかどうか分からない。っと言う風に説明しようと思ってます。実際に私のスキルには約13000キロの航続距離を持つ大和を出せますから、言い訳は完璧です。もし直接呼び出されてもどうにかなりますよ。」

 まあ、よく分からない、国の皇女なんて国が呼ぶ価値ないと思いますが。呼ばれないでしょう



 「まあ、ちゃんと考えてるみたいですね。もうどうなっても知らないからね。」


ツンデレだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!


 ここにきて新属性って、もう属性モリモリ過ぎますぅ!!



 「それとあの時なんでもするって言ったよね?」

はて?そんなこと言ったけ?私は過去を振り返らない女よ!!


 「何のことですか?全く記憶にないんですが?」


 「私が最初に問いただした時、『口裏合わせてくださいなんでもしますから』とちゃんと言いましたよ?」


 うん、諦めよう。


 フルールは思考を完全放棄した!





 



 

 


 やばー。どうしよー。なんかー超やばいーってー感じー。ふう、どうしますかね。取り敢えずメイドの仕事しよっと。



 「姉様、何か今仕事ありますか?」


 「んーなんもないね。丁度お嬢様はお風呂に入ってますので」


 「その話、kwsk」


 説明しよう!ブランはいつもフルールに風呂の時間を伝えてないのである!理由は絶対に乗り込んでくるから。身に危険が及ばない様に伝えないようにしていたのだ!しかし、アメリアは口を滑らせてしまったのである!



 

 「姉様姉様、ここはひとつ見逃してくれませんかね?たまたまお風呂行ったら、ばったり遭遇したシチュだと、そんな警戒されないと思うので、お願いします」

秘技ジャンピングDOGEZA。もうね、額をこすりつけるぐらい頭下げてやる!


 「んー、まあ私がここで貴女を止めることもできるけど他人の恋路を邪魔するのは少し無粋だと思うから、ここは黙っといてあげるわ」



 「感謝します!姉様!」



 フルールは韋駄天の如くに疾走した。走れフルール。主の裸を拝むべく、風呂場に侵入するのだ!




  



--------------ブランside--------------





 「いつも手伝ってくれてありがとう、カーミン」

 

 私は普段髪を洗ってくれる『信頼』して良いるメイドに感謝の言葉をかけた。


 彼女の髪を洗う腕は神がかってるんじゃないかと思う。包み込む様な繊細なタッチで、ほんのり母性が感じられるほどである。



 「いえいえ、これもお仕事なので。それにあの二人に任せたら色々大変なことになりそうですから」


 あの二人、フルールとアメリアである。あの二人にはなるべく裸を見せたくない。特にフルール、あの子は本気で私のこと好きになってそうだからより注意が必要だ。アメリアはその点ちゃんと弁えているから時間を教えているが、フルールは絶対に変なことをして来るだろう。



 「やっぱりもう少しメイドを連れ来るべきでしたか?今回は他のメイド達に危害が及ばない様にメンバーを絞ったんですが、世話係が極端に少なくなってしまったのでカーミンには少し申し訳ないです」


 

 「ふふふ、貴族様なんですから、もうちょっと家臣に威厳のある姿を見せて下さい。下のものに気を遣わせたらダメですよ。さて、洗い終わりました。流しますよ。」



 そう言って取り出したのはカーミンが最近作った「シャワー」というものだ。なんでも魔力を込めると水が出てきて髪の毛を洗うことができるのだ。しかも髪の毛が綺麗になりやすくなるらしい。こんな画期的な物を作るなんて人は見かけに寄らない典型的な例だ。


 

 「はぁ〜、これは毎回癒されますね。この水が細くなって頭皮に直接当たる感じが堪らないです。」



 「そう言ってもらって何よりです。作った甲斐があります。」


 

 本当に彼女はなんでこの家に来たのだろう?こんなに優秀なら王家のお抱えにもなれる程優秀なのに。それに危険な任務にもついて来るし。全く意味が分かりません

そう考えながら私は髪を流してもらった。



 「それは、この仕事が楽しそうだからですよ。上下関係がハッキリしているにも関わらず、部下にも優しい上司なんて早々居ないですから。」



 「…なんで考えてることわかったの?」


 

 「メイドの勘です。それに主人の考えを察することも仕事の内なので」



 全くこのメイドには敵わないな。なんて考えていたらいきなりカーミンはハッと顔を上げ、お風呂場の入り口を見始めた。そして



 「お嬢様、タオルで早く体を隠して下さい!ヤツが来ます!!」



 物凄い剣幕で指示された私は、どっちが従者なのか分からないほど、従順に従った。



 そして、お風呂場のドアが開き、そこにいたのは………



 「あれ?お嬢入ってたんだ。一緒に入りましょうよ。」



 タオルで体を全く隠していないフルールが侵入してきました




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