第14話 この手に限る


 




 拝啓、前世の両親へ。色々やらかして、虚構の皇女になってしまいました。こうなったら死ぬまで演じ続けようと思います。猫かぶるのは得意ですから。いつも被って無いですが。



                  フルール

                  敬具



 「この勝負、私が見届けましょう。」

最早これマルメア王国公認の決闘じゃね?乗らない手はない!!よしとんでもない要求して威張り散らかしてやる!なんってたって威張るJapanだからね。


 「ええでは、お願いします。第一王女」


 「普通にやるのだけでは面白くないな。よし、負けたら勝った方の言うことなんでも聞くことにしよう。」

 ……は?それお前が言ってくるの?アホなの?そんなもん、もう勝ってくださいなんて言ってるようなものじゃないですか!バカめ、かかったなムカツクーナ!


 「いいですよ。雑魚には負けないので私が何か命令するだけですから。それでいいですよね?第一王女?」今思ったけど殿下とか付けちゃいけないよね?多分。あくまで立場は対等なはずなんですから。



 「…えっと、それって要するに負けた方は勝った方の奴隷になるという事ですよね?よろしいですか?第一皇女がそんな無茶な要求を呑んで?」

 


 「良いですよ。私の国の第一皇女は代々頭のおかしい人しか居ませんから。『第一皇女の呪い』なんて言われてます。その所為で第一皇女は政治に関わってはいけないなんて暗黙の了解がある程ですから。その分、法と公共の福祉に反さない限り自由に行動できるんです。だからこそ第一皇女が他国でこんなこと出来るんです。」

やべっ。余計な情報付け足しちゃった。これは面倒くなりそう。しかし!そんなことでは止まらないフルールさんだぞ!!



 「まあ、当人同士が了承しているなら良いですが。ルールはどうします?」


 「殺さない限りなんでもありってルールがいいぜ。制限していると後でぐちぐち言われかねないからなw」

テメーの事だぜ。吠えずらかかしてやる!



 「問題ありません。但し武器だけはレンタル用のを使いましょう。公平を期するために。それと自分で負けた言い訳をなくしていくスタイルは尊敬しますよ」

眉毛ピクピクしてんねーw悔しいのかな?残念私には勝てないのでしたwフーハッハッハー



 「場所は学園の決闘場で行いましょう。では、移動しましょうか」





--------------移動後--------------





 「えーこれよりソノカオ伯爵家嫡男、ムカツクーナ・ソノカオとジャポニカ帝国第一皇女フルール・ヤマト・ジャポニカにかの決闘を開始します。両者準備は良いですか?」


 「はい」


 「いつでもいけるぜ」


ムカツクーナの武器は長剣だ振り回しやすいから剣の間合いに入ったら厄介な武器になるだろう。但し使用者にそれなりの技量があればの話だが。


 対して私は弓を持っておる。まあ開幕と同時に主砲でムカツクーナの足下を吹き飛ばしてして試合終了GG well played する気満々だが。まあ気にしなーい



 「それでは、始め!」ドゴンゥゥン!!


ふう、この手に限る。

 

 

 まあ、なんて事でしょう。平らだった床にクレーターが出来ています。ムカツクーナはその衝撃で吹き飛ばされ場外で気絶してます。これぞ匠の技ですね。まさに劇的、前、後だね。


 「王女さーん?終わりましたが?」



 「…………あっ、えっとぉ試合終了!勝者フルール皇女!!」




 

 --------------試合後--------------



 「こんなのインチキだ!!俺は負けを認めないからな!!」


 はい、えー只今雑魚が吠えています。チョー滑稽なんですけどwウケるーw



 「雑魚が吠えているんじゃないですよ。貴方、自分で言ったじゃないですか。殺さない限りなんでもして良いって。自分の発言に責任が持てないんですかぁ?」あれ?なんだろう?ブーメランな気がしてきた……まあいっか



 「けどあんなのは反則だ!!」



 「つべこべうるさい男は嫌われやすいですよ。まあ私の要求は『私は自分から他国の皇女に決闘を持ちかけ、瞬殺された伯爵家の恥のムカツクーナ・ソノカオです』と書かれたプラカードを首に掲げて学園生活を送ってください。」




 「「「「「うわぁ、鬼畜だ」」」」」


 なんだろう、満場一致の考えやめてもらって良いですか?



 「勿論出来ないなんて言わせないですからね」


 その時のムカツクーナの顔は、それはそれは見事にぐちゃぐちゃでした。


 フーハッハッハー。最高に、ハイッって奴だ!!!




 「テメーの敗因は…たったひとつだぜ……ムカツクーナ…単純シンプルな答えだ……『テメーは俺を怒らせた』」





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