第12話 これだよ!これを待っていたんだ!!



 拝啓、前世の両親へ。私は前々から思ってたんですが、美的センスが皆無な様です。絵や彫刻を見ても綺麗だなしか感じませんし、美しい剣技など全く理解できません。…けど大和の美しさだけは理解できます。なんでなんでしょう?

 


                  瑞希ことフルール



                  敬具





 やって来ました王都!見た目は前世のヴェネツィアに近く、海に面している為、潮の香りがほんのりするよ。水路があって凄く清涼感が感じられ、お洒落に暮らせそうです。広さは千代田区と港区を足したぐらいで、真ん中が小山になっていて、そこに王城があり、北は商業区、東は軍事区、南は民間区、西は漁港区になっています。王城を囲む様に貴族区があり、そこにはブランが通う予定の貴族学園があるよ。ここから私達の伝説が始まるぜ!!




 私の働く職場はかなり大きかった。そりゃそうだよね、貴族の屋敷で働くのですから。敷地の広さは横100m縦120mの12000㎡ぐらいあって建物は横70m縦90mの6300㎡です。うひゃあ、掃除大変そう。けどメイドにも個室を与えてくれました!勝ち確ですわ!お嬢一生ついていきます!!






 王都に着いてから2日経ちました。今日はお嬢の貴族学園の入学試験です。この学園には貴族であれば、お金さえ払えば入学できる、暗黙の了解がありますがありますが、貴族以外の豪商や頑張って自力で入ろうとする平民や護衛、貴族の付き添いの方に怪しまれちゃうので、一応形だけ試験を受ける形になっています。まあ大体気付いている人が多いですが。byお嬢情報

 

 私はお嬢と歳が一番近く容姿も年齢相応なので付き添いとして入学試験に受けることになりました。年齢相応の見た目ね…さあ、誰のことでしょう?年齢不詳の癖に10歳にしか見えない幼女のことですかねぇw『うるさいですぅ』文句言ってきたし。今説明してますから、あっち行ってて下さい。『メタはダメですよぉ』気にするな!


閑話休題。

 試験内容は一つ得意な魔法を的の人形に撃って見せるのと、試験官と剣で戦うことです。学力は入学後にクラス分け時にやるらしい。一応スキルは自然発動系を除いて使っちゃダメですが、私のスキルは発動しても解らないから平気に使います。私の重い一撃くらいなさい!!流石に主砲はバレますが…バレなきゃ犯罪じゃないんです!!うむ、いい言葉だ。



 さて試験開始です。皆各自に一番得意な魔法を披露していますね。あっちのパツキン美少女は火属性魔法、こっちのパツキンイケメンは水魔法……この国金髪多くね?3分の2が金髪なんですけど。まあいいや。おっ、お嬢は火と土魔法合わせて溶岩作ってる、スゴっ!…あっ、建物の壁溶かしちゃってるよ!?必死に平謝りしてる。kawaii!



 「次、フルールさん準備お願いします。」

おっ、私の出番だ。じゃ、いっちょかましてやりますか。


 「はい、では身体強化魔法使います。」嘘だけど



 「では、いきます!」セイッヤ!!69000トンパンチ!

ドバン!!…おぅやっぱり弾けちゃいましたか。流石にあれから練習して、止まっているものにはちゃんと殴れる様になったんだけど、外さなくてよかった。さてと周りの反応はっと。



 「「「「「………………」」」」」



あれ?皆固まっちゃったよ?これはもしかして『また何かやっちゃいました?』なのか?

キタ━━━(゜∀゜).━━━!!!

これだよこれ!!このテンプレを待っていたのだよ!!


 「これでいいですか?」



 「……えっと次の方お願いします」



ふむ掴みは最高だね。




 あの後、『剣術の試験受けなくても合格でいいから』等と最早『試験するなこれ以上設備が壊れたら堪らない』と感情を隠さずに言われて絶賛暇しているんですが、暇なんでお嬢と一緒に剣術試験を見に行こうと思います。因みにお嬢も同じ事言われてました。何でも設備を壊した人は今までいなかったとか、私は的の人形を木っ端微塵にし、お嬢は壁を溶かす、……オカシナヒトタチトオモワレタラドウシヨウ?(棒)




 おっ、ちょうど一人目だね。容姿は金髪のちょっとムカつくタイプのイケメンだ。なんか見てるだけでイライラしてきたわ。まあ関わらなければいいんです。さて、見ますか。




 「では、始め!」



 「このムカツクーナ=ソノカオの剣技!篤と見よ!」

と試合が始まっているのに、左手を左眼に当て、腰を後ろに逸らしながら言った。



 ……なんかコイツ凄いムカつく。何あれ?試合始まってるのにカッコつける余裕あるの?舐めプでしょ流石に、それか噛ませ役かな。




 「くらえ!天国への門ヘブンズゲート!!」


 

 いや、ただ少しスタイリッシュに回りながら剣回してるだけじゃん。あんなの実戦じゃクソの役にもならないじゃん。はい、コイツ雑魚だね。




 「止め!」



 やっぱり雑魚すぎて終わりか。しょーもな。一番手だから少し期待したのに…



 「素晴らしい!貴方程の逸材が埋もれてたなんて。貴方は100年に一度の剣技を持っているな!!」

 ……えっ?ベテランぽいおじさん何を言ってるの?こんなんが100年に一度の剣技なの?こんなの子供のチャンバラレベルじゃん。Dランク冒険者でももうちょっと上手いよ?あれだこれは美しさを競うやつなんだ。そうに違いない。



 「ねえ、お嬢なんであんなにあの人褒められいてるの?(小声)」



 「…あーそれは、ぶっちゃけ貴族の人って真面目に剣振った事ない人が多いの。しかも習ったりしても実戦重視じゃなく、見栄え重視。あんなのでも家柄が良ければ近衛騎士団団長とかにもなれるぐらいハッキリ言ってレベルが低いの。実際戦うのは一般兵だけだし、ここ400年ぐらいこの大陸で戦争が起こってないから、ここまで衰退しちゃったの。因みに貴族は冒険者や一般兵の使う剣術を『下賤なもの使うやつ』、冒険者や一般兵は貴族の使う剣術を『見栄えだけ意識してるゴミ』なんて陰で罵り合ってるわ(小声)」




 

 「ふーんただの雑魚か」


それを言った途端会場が静寂に包まれた。そして雑魚は顔を真っ赤にしながらこっちを見ている。やべっ



 「おい、貴様!もう一度言ってみろ!!」



ふぅ……オワタ\(^ ^)/




------------------------------------------------------------


この辺からエンジンかけていきます



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る