第11話 Yes!ロリータNo!タッチ

 


 拝啓、前世の両親へ。前世ではいろんなところに神様はいる理論がありましたが、まさかメイドをやっている神様に会うとは思っても居ませんでした。これがメイドの神様ってやつですね。


                  敬具


                  瑞希




 部屋に戻った時の空気はそれはそれはカオスな物でした。ブランは訝しんで、「何でいきなりカーミンを抱えて部屋を出たの?」と聞いてきて。

 アメリアに至っては「あれ?元カノ!?未成年に手を出しちゃダメでしょ!?」なんて宣っているし

 はっきり言わせて貰おうコイツ未成年じゃないし、私は幼女は愛でるだけで恋愛対象ではない


 「いえ、姉貴は私のスキルの使い方を一緒に考えてくれた人です。それと姉貴は20歳超えてますよ?」はい、完璧な返し。これで何も言えまい。それに嘘は言ってない。正真正銘のロリババアだから



 「「……え?」」



 ……おい、何歳って言って雇用されたんだよ。絶対年齢詐称してるな

と考えカーミンの方を向いてみると……真後ろを見て両手を腰に当ててやがったよコイツ。その背中が逆に誇らしいわ!


 「姉貴説明」


 「はい!面接の時年齢の事言ったんですけどぉ、誰も信じてくれなくてぇ。「貧乏で親の仕送りの為に背伸びしている子」って見られちゃいましてぇ、「もうめんどくさいなぁ…じゃあその設定のままでいいやぁ」と考えそのままにしてありますぅ」

 おいそれでいいのか女神よ。と言うか何歳で伝えたんだよ?まさか本当の歳じゃないよな?

 『21歳って言いましたよぉ』むむっ!?テレパシーみたいなやつか?わかったそれで口裏合わせよう

 

 「ったく、21歳なんだからもうちょっとちゃんとしましょうよ。」

21歳なんだから拳で語らないと。全く分かってないな。






 「では、カーミンは一応フルールのスキルの師匠みたいなものですか?」


現場は阿鼻叫喚になったがブランの一言によって落ち着きつつあった。


 「はい、その認識でいいと思います。私のスキルは何文特殊ですから、一緒に使い方を考えてくれただけで感謝してます。」


 「いやぁびっくりしましたよ、My sister。未成年に手を出して御用だ!って思いましてけど安心しましたよ」


 「いいですか幼女と言うものは愛でるだけです!Yes!ロリータNo!タッチの精神です」


 「あのぉ、私も一応”大人“な女性なのですからぁロリとかあんまり言われたくないんですけどぉ」

何故今更”大人“を強調した。貴女は前世の私が言える程完璧なロリータです。



 「まあ、話を戻しまして。潜入には貴女達3人で行ってもらいます。………それと全員が同じ行動をしても意味がないので、役割分担を決めといて下さい。」

スパイで役割分担って珍しくない?一人はサポーターにするとかなら分かるけど、完全に分けちゃうんだ。


 「じゃあ、私は情報収集を担当しますねぇ。他は索敵、潜入、暗殺に分けときましょうかねぇ」

姉貴は情報収集と、まあどうせ神パワーとかでどうにかするんでしょうけど。


 「私は索敵と暗殺を担当しますね。姉様は潜入でいいですか?」


 「ええ、問題ないわ。寧ろそれぐらいしか出来ないから助かるわ」

それでいいのかスパイ軍団よ。まあ人には得意不得意あるでしょうからいいですけど。



 「それじゃあ、話し合いも終わった事ですし、今日は解散!王都に出発は明日からですので気を抜かない様に」



 「「「お疲れ様でした」」」





 「それにしてもお嬢様は、初対面の時と全然言葉遣いが違いますね。」



 「それはそうですよ。なにせ伯爵令嬢なので外伝が悪いと、家の名に傷をつけてしまいますから。貴女達もプライベートならば、敬語使わないでいいですよ。」



 ふむ、じゃあなんて呼ぼうかな。お嬢、お頭、ブラン、嫁、妻、奥さん、この候補の中から選ぼう……今の時代呼び方に関してうるさいからね。よし、お嬢にしよう!



 「分かったよ、これからはお嬢と呼ぶね」



 「分かったわ。けどなんか、ヤクザの娘みたいな呼び方だね」

気にするな!



 さて明日から私のスパイ活動が始まるそうです。私達の戦いはこれからだ!!……っとその前に冒険者協会に転籍届出してこよっと。


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