第5話 テンプレ補給
「うぉぉぉぉぉん!、行っちゃダメだぁ!」
「そうよ!、あなたはまだ独り立ちしちゃダメよ!」
私の右腕に父親、左腕に母親が引っ付いて離れません。ああ重い色んな意味でね
拝啓 前世の両親へ、私は今世の両親にまだ子離れされてません。貴方達はどうやって子離れできたのですか?是非教えてください……って言うか教えて私の体がもたないからコンチクショー!
敬具
瑞希
さてスキルの実験の日から10年が経ちました。私は今15歳です。JKだよJK!ピッチピチのJKだよ。……あれ?15歳じゃあギリギリ中学生か…まあ15歳のJKもいるからよしとしよう
この世界の子供は15歳で成人し親元を離れるそうです。それなのに私の親は未だに子離れできてません。
私は一応昔から冒険者になりたいってずっと言っていたからすぐ独り立ちできるかなって思ってたけど、14歳の誕生日からずっとこんな感じですごく大変な日々を過ごしています。
「15歳で独り立ちするって言ったでしょ、今更何駄々こねてるのよ」呆れながらこう言うと
「外の世界は危険がいっぱいだだからまだ早い」とか
「村にもうちょっと安全な仕事があるからそれをしなさい」など色んな事を言われ少し辟易してます。
私としては早くスキルを実戦で使ってみたいし、何より親の前だと自分の本性出せないから気疲れしちゃうので早く独り立ちしたいのにこの親ときたら…
「わかった、もういいよ二人の事嫌いになって一生帰ってこないから」秘技拒絶する!これで流石に折れてくれるでしょ。
「うぐっ、そんな事言っちゃうの?パパ達泣いちゃうよ」と涙目で言ってきた
「泣いて結構、流石にもう付き合いきれないから勝手に出て行くことにするわ」と突き放したように言うと
「わかったから、せめてあと1ヶ月だけ待って、心の準備をしたいから!」しゃーねぇここが妥協点か
「しょうがないなもう、わかったからじゃあ私は1ヶ月後この家を出るそうするからね。異論は受け付けないから」と少し諦めたように言った
1ヶ月後
「よし今度こそは家を出るからね
「ねぇやっぱりやめない?ほら危険な仕事なんてしないでもっといい仕事あるよ」と母が心配そうに言ってきた。
「私のスキルは索敵に使えるから大丈夫だよ。それに近距離でガンガン戦うんじゃなくて弓でも使うよ」自信満々にそう言った。
「それじゃあ行ってくるね」
「いってらっしゃい」両親は号泣しながら見送ってくれた
さてとどうしますかね、パターンは2つあって
パターン1 王都の冒険者になる
メリット 依頼が沢山ある 有名になりやすい環境
デメリット ここから遠い 物価高い
パターン2 この伯爵領で冒険者になる
メリット ここから近い 物価はそこそこ
デメリット 王都より有名になりにくい
こんな感じかな。博打の王都、堅実の伯爵領って感じ
どっちにしようかな?………よし決めた伯爵領に行く!
さてやってきましたガブリエル伯爵領都!街並み超綺麗。前世の街だとドイツのローテンブルクに似ているかな。
街の構造は円になっていて真ん中に貴族が住むとこや行政府がある行政府、その周りに商業区があってさらにその周りが平民の居住区になっている。街に入るための門が4つあって東西南北に分かれてるって感じだ
さらに珍しいのが平民も行政区に入れちゃうことである。貴族と平民の距離感は近い方がいいって教えがあるらしくたまに領主とかに会えるとか。しかもかなり気さくな方らしい。いやぁ民を信頼しているからこそできる芸当だね。
また『民の見本になってこそ真の貴族である』って家訓があってあまり豪華な暮らしはせずむしろ民のためなら平気で私財を使うことに躊躇いがないことから長い間民に愛されてるらしい。
この国では苗字に天使の名が入っている貴族は建国当初から仕える名門貴族らしく初代国王が信頼していた部下に授けた苗字らしい。
この街で私は冒険者になるぞ!
冒険者協会の建物は北門の近くにあった。外装はそこそこ綺麗って感じだね。あっそうそう武器は弓一式を持ってるよ一応斥候として冒険者やるつもりだから。
あれだよねここはテンプレ決めないとダメだよね。困ったなぁどうしようかなぁ(棒)………よし入るか
私はウキウキしながら冒険者協会に入った
中はかなりの人がいた。まあ8時ぐらいに来たしこれから依頼に行くって人が多いのかな?
などと考えてると前から少し怖そうな筋肉モリモリマッチョマンが来た
「おい嬢ちゃんお前新人か?」
キタ━━━(゜∀゜).━━━!!!
「はい今日登録しようとしてるフルールです」
ワクワク
「おおそうか、これやるよ」と赤い液体の入った瓶をくれた
「これは下級ポーションだ。最初の頃が一番死にやすいから気をつけろよ」…………あれ?ここは「お前なんて冒険者になれねぇよギャハハハハ!」ってなって実力見せて「こいつ何者だ」ってなるのがお約束でしょ!?なんでナイスガイなのよ。私の脳内プランどうすればいいのよ。まあいい、落ち着け私、テンプレが無くなったことは悲しいいけど気にすることじゃない
「ありがとうございます」笑顔マシマシで返した
「おう嬢ちゃんみたいな新人が一人前になったら街の連中は困らなくなるからな、頑張るんだぞ」こう言いながらナイスガイは笑いながら去っていった
ただのいい奴やん!見た目と中身が一致してないよ逆に裏がありそうでちょっと怖いわ。
「さてと登録しますか」私は登録カウンターに向かった
「すみません、冒険者登録をしたいんですが」
「はい、わかりました。お名前と出身は?
「フルールです出身はウィル村です」
「血版して登録するので手をでしてください」
血版って痛いのかな?まあいいや
私は手を出して血版をした。
「はい、完了です。貴方は今日から冒険者です頑張ってください」
「ありがとうございます」
こうしてテンプレをうまく回避してしまったが無事冒険者登録ができたのである
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