0506話 君たちとの思い出
〈2036年5月6日〉
「ふぅ……これでどうだ」
ガタガタガタ……パァーン
風船が弾き飛んだような音と共に実験装置が動きを止めた。
「はぁ……また失敗か……」
(これで35回目の失敗……そろそろ成功してくれないかな……)
私は、この資料を見つけてからずっとこの実験室で実験を行っているもの、私は度重なる失敗にもはや、実験は成功しないのではと思い始めていた。
しかし、ここで実験を辞めてしまえば私と君たちを救うことはできない。その一心で私は、毎日1日1回実験室でこの力を使った実験を行っている。
「とりあえず今日はこの実験装置を直して寝ますか」
実験装置へと向かい私は、さっきの爆発で取れてしまった装置の一部を直そうとした。取れてしまった部分は毎回の実験で使い回していたため、もうボロボロになってしまっていたのだろう。
「やばい、どうしよう、もうネジが折れてる」
よく見ると、取れてしまった部分は、ネジ5本全てが折れ、枠も変形してしまっていた。
(今からネジを取りに行くのめんどくさいしな……うーん……やっぱり明日直すことにしよ)
私は、わざわざ遠くにある保管室へ行き備品を探すのを面倒臭がり、床に壊れた部品を置いてそのまま自室へ戻ることにした。
◆◆◆◆◆
自室に戻り私は、ベッドで寝そべりながら君たちが今どうしているのか、今でも生きているのか、考えていた。
しばらく考えて私は、また自分がこの広い施設の中で孤独なのを思い出し少し泣いてしまった。
しばらく泣いた後私は、気分転換にとこの施設の1日を日記に書くことにした。
今日食べた乾パンがいつもより量が少なかったことや、トイレからゴキブリが出たことなどを書き、私は別のノートを取り出し、君たちとの思い出もこのノートに書こうかを考えた。
しばらく経ち私は結局、君たちとの思い出を少しながら書き、私は再びベッドに寝そべった。そのまま寝ようかと考えたもののいまいち眠れず私は久しぶりに実験以外で”この力”を使い眠ることにした。
力を使いしばらく経ち、私は深い眠りに入った。そして私は、力を使い夢の中へ入り込み、自分の●●●●を●●ことにした。
◆◆◆◆◆
〈2036年5月7日〉
ピピピピピピ―――
「うぅん……もう朝か」
力を使ったためか、私はいつもより目覚めの良い朝を迎えた。
「はぁ……いい朝だなー。それじゃ今日も実験やりますか」
そして私は、勢いよくベッドから出て洗面所に行き、実験室へと向かった。……装置が壊れていることを忘れて。
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